第十話『感謝の言葉"いただきます"!!』
どうも!
文章量がかなり増えてこんな時間になりましたが、その分面白くかけた気がします。
今回は、ナビィと波動竜との食事回です。
是非最後まで読んでいってください!!
「んじゃ!!とりあえず感謝を込めて、いただきます!!」
食卓に大量に並んだ料理を前に、手を合わせ全力で叫ぶ俺の声が、食堂に響いた。
食卓にはナビィさんと波動竜が座っていて、少し離れた所にアメミが立っているのだが、誰も反応してくれない。
うん、いつも通りに反応だ。
「御主人様、感謝するのは別にいいですけど、無駄に響くので静かにしてください」
「お、おぅ…でも何か寂しいから、誤魔化そうと思ってさ……」
ここは魔王城にある食堂であり、行く行くは配下となった魔族や魔物が使う食堂なのだが、今は俺とナビィさんと波動竜、アメミ達『家守の妖精』の8人しかこの食堂を使う者は居ない。
しかしそう言った俺を、静かに食事をしているナビィさんは鋭く睨む。
そして、、
「う・る・さ・い・で・す・よ♪」
と一言。
とてつもない殺気を含んだ満面の笑みで言った。
「あ、すいません……」
いやぁ…、相変わらず怖い笑顔だなぁ……はは。
「分かれば良いんです。
それに、生物の命を奪っている訳ではないので、料理を作ったアメミへの感謝だけなら、そこまで叫ぶ必要ありません」
「まぁそうだけどよ……、これだけの量を作るのも大変だし、俺はこれぐらいの感謝はしたいね!!」
ナビィさんの言っている通り、料理に使う材料は俺とナビィさんが"創造魔法"で創っているので、生物の命が全く含まれてい無いし、栄養も無い、ただ味があるだけの物体だ。
だけど流石に、赤ん坊を育てながら俺達に料理を作るのは大変だし、これぐらいの感謝はしてあげたい。
「そうですか。それは結構ですが、次からは私の居ないの所でお願いします。無駄に挽き肉が出来てしまいます」
「おい!その挽き肉、完全に生物の肉なんだが!?」
「大丈夫です。私はハンバーグ、嫌いではありませんよ」
「ん?ハンバーグであれば我の好物だ!その時は我も食べるぞ!!」
ナビィさんのハンバーグという言葉に反応し、口の周りに肉の油やソースをつけた波動竜も、口をモグモグさせながら言った。
「笑顔で言うなよ!本当に出来るからやめてね!!それと波動竜!ハンバーグなら今食ってるだろうが!!」
ナビィさんの場合、やろうとすれば簡単に出来るから、実行しないでほしい…。
「あの…魔王様、"いただきます"とは何ですか?」
そんな会話をしていると、俺の少し後ろに居たアメミから、唐突に声がかかった。
「え?あー、知らないのか?改造ホムンクルスだったのに?」
アメミ達の居た世界は、俺の最初に居た世界とも文化とか似てるし、似たような言葉はあると思ったけど………。
「は、はい…。食事に関しては、そういう知識を与えられていません……。
私達改造ホムンクルスの持っている食事についての知識は、生命活動の維持に必要な栄養は水から摂取可能であるという知識だけです」
なるほど……。
確かに、少年を『魔王眼』で視たとき、そんな情報もあった。
ん、そういえば、アメミって何歳なんだ?
思い立ったらすぐ行動って事で、『魔王眼』でアメミを視てみると、驚きの年齢が分かった。
え、その見た目で1歳!?
俺そんな子に赤ん坊の世話とか任せてたの!?
今頃だけど凄い罪悪感湧いてきたんだけど………。
と、とりあえず落ち着いて教えよう……。
考えるのは後だ……。
「えーと、それはな-----」
「何だ?そんな事も知らんのか?ならば教えてやろう!」
俺が教えよう話していると、横から波動竜が会話に割り込んできた。
「えぇ……、俺が教えようとしてたんだけど………」
てか知ってるなら、俺が叫んだ時も反応しろよ!!
寂しいんだよ!
「無論だ!我の知識、我が教えるに決まっている!!」
何が、無論だ!だよ!反論ありまくりだわ!!
だが波動竜相手に口論しても、謎の波動竜ルールで押しきられるし、強く言えば拗ねるし……。
…ここは譲ろう。
「分かった…。お前が教えて良いから、とりあえず口の物を無くしてから喋れ……」
「うむ!任せておけ!!ハッハッハッ!」
俺がそう言って頼むと、波動竜は上機嫌に笑った。
「あの……それで、"いただきます"の意味って何なのですか?」
「なぁに、簡単な事。感謝の言葉だ!」
「感謝、ですか?」
「然り。本来は神々に捧げたものを"頂きます"という意味だが、食材となった生物や、それを食卓に出すまでに関わった者達への"感謝の言葉"として使われる。
今回の場合貴様、確か、アメミだったか…?料理を作った貴様への感謝の言葉という訳だ!」
「私への……感謝…」
ふーん、なるほど……、波動竜にしてはしっかり説明したな……。
俺が教えてやろうと思ってた事全部言われてしまった。
ん?
「いやそれ!俺が教えた知識じゃねぇか!!」
今思い出したが、前回の世界で波動竜と一緒に食事をした時、俺が波動竜にした説明をそのまんま言ってる。
こんな記憶まで忘れてたのかよ!!
「何を言ってる、四季よ。確かに前回の世界で貴様が我に教えた事だが、今の我が知っているなら、それは我の知識だ!」
波動竜はそう言うと、再びハンバーグを食べ始めた。
もう俺の話を聞かないスタンスだな…。
「いや…まぁ、そんなんだが……」
記憶を今さっき思い出した俺にとっては、今さっき説明した事をそのまま説明された気分なんだよ………。
「魔王様!!」
「お、なんだ?他に聞きたい事があるのか?」
俺は小皿に食べたい物を取って、みんなが食べてから食事を始めるし、今は話相手も居ない。
それに、アメミ達が知りたいって事は、基本的に全部教えてやりたいからな。
「いえ、その……魔王様は、いつも私達に感謝の言葉をくださいます」
「そりゃ事実として助かってるし、当然だぞ?」
おまけに1歳って事実の所為で、配下とはいえ、今までの感謝が足らなかったんじゃないかって思うんだが……。
「そうではなくて…、私達は感謝の言葉なんて貰えた事があまりなくて……その、今は、本当に本当に幸せです。ありがとうございます」
アメミは少し恥ずかしそうにしながらも、笑顔で一礼した。
その笑顔を見ただけでも、新しく世界を創って良かったと思える。
「こちらこそ、ありがとうだ。これからもよろしくな。それと、嫌な事はすぐに言えよ?なんとかしてやるから」
『レベルの無い魔王』でも、
もう全てを何とかしてやるとは思えないが、お前達の笑顔を守る努力はする。
「はい。これからも頑張ります!あ、後、次の仕事があるので、失礼します!」
アメミは笑ってそう答え、食堂から出て行った。
「よーし!!アメミも行ったし、俺も食べ始めるぞ~!!て…………無い…」
視線を、料理の並んでいた食卓に戻すと、既に食べられる料理がなくなっていた。
可笑しいな……、確かにみんなが食べ終わった後だから、あまり残ってないと思ってたけど……。
小皿に少しだけ取っておいた筈……。
「ん?貴様、食べるつもりだったのか?」
俺が首をかしげていると、波動竜からそんな事を言われた。
「当たり前だろ!じゃなきゃ食材を創るわけねぇだろ!!」
「そうだったのか……、すまん、我が食ってしまった。アメミとやらと話していたからな、要らんのだと思っておった!」
「はぁ!?俺のハンバーグ返せや!!」
俺だって楽しみにしてたんだからな!!
「食ってしまったもんは仕方ないだろう!ほれ、代わりに人参をやろう!」
「それお前が嫌いなだけだろ!しっかり全部食えや!!そして、お前の肉を寄越せぇ!!」
「何!そんな事させるか!!我の肉だ!貴様になぞやらん!!!」
肉を取ろうと手を出した俺に波動竜の強烈なパンチが、顔面に直撃した。
「………………!!!!!」
声にならない俺の叫びが、食堂に響く。
痛い痛い痛い痛い痛い!!!
もう何でこうなるんだよ!!!!
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
波動竜の強烈なパンチ…、『レベルの無い魔王』でなければ死んでましたね……。
次回は土曜日の19時に投稿します!?
お楽しみに!




