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1000回目の魔王様~どう考えても俺より強いんですが、~  作者: 落ち武者
第二章~改めまして魔王です?~
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第九話『魔王と波動竜の約束』

どうも!

時間をかなり過ぎてしまいましたが、いつもの事だと許してください……。


波動竜がようやく記憶について話しました!


今回はいつもより少し長めです。

是非最後まで読んでいってください!!

「どうだ?話す気になったか?」


 俺は頬杖をつきながら、波動竜に聞いた。

もう朝なんだが……そろそろ朝の授乳の時間だし、また話が出来なくなる。


「ふん、我は悪くないからな」


 波動竜は目線をそらしながら言った。


「あぁそうだな、お前は悪くない。だから早く話してくれ……」


「うむ…、まずは記憶についてだったな…。何が聞きたい?」


 最初より少し元気がないが、ようやく話す気になってくれたようだ。


「最初から言ってるだろ…。『魔王』である俺が記憶を忘れ、それを認識出来なかった理由だよ……」


 俺が記憶を忘れるなんて事、本来あり得ない事だ。

正直、記憶を少し思い出した今でも信じられない。


「認識出来なかった理由なぞ、既に貴様は知っておるだろ」


「知ってる?俺が?」

 

「然り。若き我から逃げる際、貴様らが使った魔法だ」


「俺達が使った魔法………、!!『存在消滅魔法(インビジブル)』か!?だがそれだと、必要な魔力が膨大だぞ!」


 確かにあの魔法なら、俺であれ、記憶を認識出来なくなるのも納得だが…。


 だがあの魔法は"番外魔法"だ。

起動は勿論、維持するのにも膨大な魔力が必要になる。今現在も認識出来ていない記憶がある以上、この間も常に魔力を消費している事になるぞ……。


 そんな魔力…、たとえ竜であっても、保有している訳がない。


「そこは問題ない。それ以前にまず、前提が間違っている。我は"番外魔法"なぞ使っておらん。使ったのは我の権能だ」


「権能?」


「うむ!あれは我の権能を神々が模倣し創った魔法だ。

竜にとっての権能とは、貴様らにとっての『種族スキル』と同じ様なものだ。いくら力を使おうと、疲れる事などあり得ん!

それに我は、始祖竜だからな!!ハッハッハッ!!」


 そう言うと、波動竜は上機嫌に笑った。


 こいつ…、自分で言っててテンション上がったな……。

まぁその方が話すのは楽だけど…。


「で、結局お前が俺の記憶に細工をしたのか?早く解いて欲しいんだが……」


「それは出来ん相談だ。貴様の記憶は特定の言葉を聞けば解放されていく。"四季"と聞いて、それを自分の家名だと思い出したようにな」


 なるほど、だからあの時記憶を思い出したのか……。


「ならその特定の言葉を早く言ってくれ…、微妙に思い出すこの感じ嫌なんだよ……」


「だから出来んと言っておるだろ。我が約束を結んだのは記憶が完全な時の貴様だ。同一人物であろうと、その約束を今の貴様が変える事など出来ん」


「はぁ……分かった。そういう事なら仕方ない。このお話はこれで終わりだ」


 ()()使()()()()()、『レベルの無い魔王』には本来、『未来視の魔眼(種族スキル)』というものがある。

今聞けなくとも、過去の俺が視たのなら、必ず聞ける時が来るのだろう。


「では四季!我は腹が減った!!すぐに用意がするのだ!!!」


「ん?お前この世界に居座る気なのか!?」


 そして何で偉そうなんだよ……。


「当たり前だ!食事は貴様と食べた方が上手い!!それに我は竜であり、盟友だからな!ハッハッハッ!!!」


 波動竜は上機嫌に笑いながら、立ち上がった。


 答えになってねぇよ……。


「いや待て!他の奴らへの説明が先だ!お前の事言ってないから、食事なんて用意してないよ!」


「魔王様。朝食の用意が調いました。波動竜様の分もございます」


 突然、俺の後ろから声がかかった。


「うぉっ!!"アメミ"、いきなり現れるなよ!びっくりしたわ!」


 声をかけたのはメイド服を着た妖精だった。


「驚かせてしまいすいません。次は気づかれぬよう頑張ります」


「いや、頑張るとこ違うし……。てか、波動竜の分も食事あるの?」


「はい。先程お会いした際、頼まれましたので用意してあります」


 あの30分の間に頼んだのか……。

何だよ!遅いとか言っておきながら、ちゃっかり朝食まで頼んでるじゃないか!


「そうか…、ありがとう。すぐ向かうから、先に行っていてくれ」


「分かりました。それでは、失礼します」


 そう言って青髪に蒼い瞳の妖精は、笑顔で一礼し、俺の部屋から帰っていった。


 今の子は『アメミ』。

俺が造り変えた5人の『家守の妖精』の1人だ。


赤ん坊達は勿論、助けた全員の名前が無かったので、俺が考えて名づけた。


 それはさておき……。


「おい、波動竜。頼んであるならそう言え、食材を創るのは俺とナビィさんなんだからな…」


「ハッハッハッ!聞かれなかったからな!答えなくとも良かろう!」


 ドヤッとした顔で言いきったので、むしろ清々しいな。


「良かねぇよ…。まぁ今回は早めに分かったからいいけど…、次はちゃんと言えよ……」


「うむ。そういう事なら、先程ナビィとやらからお前さんに念話がきたぞ!"後でお話があります"と言っておった!」


「あ、そうなの……、へぇ……」


 え、やばくね……。

絶対に波動竜の事だよな、アメミとかはともかく、ナビィさんは怒ってるって事……?


「ほぉれ、先に行っておるぞ~」


「ま、待て!さっきのナビィさんからの念話!本当なのか!本当ならもっと詳しく!!」 


 俺の声が、誰に聞かれることもなく響く。


俺がそう言った時には、既に波動竜は部屋を出て、食堂へと向かってしまっていた。


嘘だろ……、おい………。

もう胃が痛くなってきたよ…、気持ち的に……。


 そんな事を考えながら、俺も食堂へ向かって歩きだしたのだった。


はぁ………。


ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。


魔王の記憶は、波動竜の権能によって忘れていることが分かりました!

竜の権能は基本的に全て、神々が模倣し、番外魔法が創られています。

つまり………?


次回は、来週の水曜日の19時に投稿します。

お楽しみに!

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