第八話『魔王の盟友』
どうも!
少し遅くなりました。
今回のメインは『波動竜』です!
是非最後まで読んでいってください!!
何とか赤ん坊の授乳も終わり、俺は自分の部屋へと戻ってきた。
「遅いぞ!我がどれだけ待ったと思っている!!」
部屋に入ると、椅子に座っている波動竜が俺に指差しながら声を上げた。
「どれだけって…、まだ30分しか経ってないだろ!?めちゃめちゃ早いんだよ!!
普通こんなに早く14人の授乳が終るわけないだろ!」
わざわざ魔法を使って、時間の流れを変えたんだからな!!
むしろ感謝しろ!!
「五月蝿い!我は悪くない!!広い割に何も無いこの部屋が悪いのだ!!」
「それはこの馬鹿デカイ城を創ったナビィさんに言ってくれ!」
目が覚めたら、既に創られてたんだよ!
自分で創ってないからまだ構造も完璧に覚えてないし、魔法がなかったら迷子になってるところだ。
俺がそう言うと、波動竜は不機嫌な顔で……
「ふん!あの図書館人形と我が会話出来る訳がなかろう。我は"竜"なのだからな」
と、言い放った。
それは…、それは俺が赦せない言葉の一つだ。
「………撤回しろ。お前であっても、ナビィをそう呼ぶことは許さない」
俺はそう言って、波動竜を睨み付ける。
マオもそうだが、ナビィは神様側の存在だ。
神に造られた彼女達は、種族的に"竜"と親しくする事を許されていない。
その為、波動竜が俺と話している間、もちろん例外もあるが、基本的にナビィやマオは会話に入ってこない。
神の命令に叛けない彼女達をそう呼ぶ連中も少なくない。
だからといって、ナビィは人形ではない。
「ハッハッハッ!そう睨むな、すまなかった。あの娘を人形呼ばわりした事は撤回しよう。少し貴様を試しただけだ」
さっきまでの不機嫌な顔が嘘の様に、波動竜は上機嫌に笑った。
「試す?はぁ……正直、あまりいい気分じゃないぞ…」
「まぁそうであろうな!記憶が戻ってなければ、人形呼ばわりした時点で、我を殺そうとするだろうからな!ハッハッハッ!!まぁとりあえず座れ、話はそれからだ!」
「はぁ……もう良い。記憶の話しよう。その為に早く来たんだ」
俺が波動竜と向かい合う様に椅子に座ると、その間にあるテーブルに、コップを突きだした。
「いきなり何だ?これ?」
何か特殊な力も付与されていなし、とびきり頑丈という訳でもない。普通のコップだ。
「ん?さっき権能で作ったコップだが?どうかしたのか?」
「いや、そうではなく!何でコップを突きだしたんだって言ってるんだよ!!」
水なら自分の権能で創れるだろ……。
「そういう事か。なぁに、簡単な事だ。我にも母乳とやらを飲ませよ!」
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「は?何言ってんだ?」
一瞬、何を言われたのか理解出来なかった…。
え、こいつ、俺の母乳を飲みたいって言ったのか…………。
「あの赤子が上手そうに飲んでおったしな、我も飲みたくなった!!!」
俺の問いに、波動竜は自信満々にそう答えた。
断られるなんて微塵も思ってない顔だ……。
「理由を聞いたんじゃねぇよ!!飲ませるわけねぇだろ!!」
「何!?記憶が戻ってないのか?ならば、互いの血をもう一度」
「関係ねぇよ!!盟友だろうが飲ますわけねぇだろ!!頭沸いてんのか!!」
「沸いとらんわ!!我は真面目に言っておるのだ!!」
「そっちの方が問題だわ!何でいい歳した銀髪の男に、母乳を飲まさなきゃいけないんだよ!!気持ち悪いわ!!」
「何だと!?竜である我が気持ち悪いだと!!」
「竜関係なく気持ち悪いわ!何でその事に疑問を持つんだよ!自分の発言に疑問を持て!!」
「なん、だと……。我が、気持ち悪い………」
俺の言葉がよっぽど聞いたのか、波動竜はガックリと項垂れてしまった。
「て!そんな事よりもっも大事な事があるんだよ!忘れた記憶を認識出来なかった理由とかいろいろ聞きたいんだ」
「我………、竜なのに…………」
駄目だこれ……。
気持ち悪いって言葉が、俺の予想よりもダメージが大きかったようだ。
まったく……竜ならもう少し、メンタルも強くなってくれ………。
………………。
……………
………
…仕方ない……。
その後、俺は波動竜を慰める為にいろいろ頑張ったが……。
結局、朝になるまで話をしてくれなかった。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
どうしてこうなった?
今回、本当は記憶の秘密について話す筈だったのに、何故か波動竜が母乳をねだってしまい。
全然話が進みませんでした……。
次回こそ記憶の話をしてくれると思うので、答え合わせは次回です。
明日の19時に投稿します。
お楽しみに!!




