第六話『魔王、母性に目覚める!?』
どうも!
3日連続投稿です。
今回、少しインパクトがあります。
是非最後まで読んでいってください!!
拝啓
既に何10回か転生し、新たな世界で生きているだろう妻と娘達へ。
お父さんは今、遠い異世界で…………赤ん坊に母乳を与えています。
心配しなくても大丈夫です。もう、こんな扱いも慣れましたから……。
いつかまた、縁があったら会いましょう。
このからも、みんなの幸せを祈って。
敬具
ここは新しく出来た魔王城の一室。
俺が寝ている間に、ナビィさんが魔法で創ったらしい。
そして今、18回目の授乳が終わった。
ははは、はぁ……、俺、男だったのに………。
くそぉ………こんな事になるなら、『魔法空間』に避難させるだけじゃなくて、赤ん坊の為の食料も入れとけば良かった……。
そんな後悔をしている俺に、マオから念話が送られてきた。
〈だいぶ慣れてきたね!後15人だよ!!頑張って~〉
〈アホか!?干からびるわ!!
そ・れ・に!!何がとは言わないがふやけるんだよ!!〉
いくらナビィさんが改造して、問題なくなっているとはいえ、精神的に疲れるんだよ…。
なんかゾワゾワするんだよ!!
これが母性か!!ってなってるんだよ!!
〈仕方ないでしょ!助けた赤ちゃんは50人居たんだから、5人だけじゃ大変じゃん!!〉
〈それは……、分かってるけどよ……〉
『家守の妖精』は、別名"子守妖精"と言われる、子育てに特化した種族だ。
この妖精は、赤ん坊や子供を育てるという事に異常な執着があって、育てる赤ん坊や子供が居ないと、人間などの家庭から赤ん坊や子供を誘拐してしまう。
しかし、いくら『家守の妖精』と言えど、1人10人は流石に大変なので、俺が1日2回、授乳を手伝う事になった。
〈あのナビィだって文句言わずに手伝ってるんだから、マスターも文句はダメだよ!〉
〈いや……、ナビィさんはゲップさせてるだけだからね!?〉
確かにそれも大事なんだけど………。
「ナビィさんが…………………はい、俺がやります……」
俺が提案は、言う前に却下された。
声は出さずに、物凄い目で睨まれてしまった…。
ナビィさん怖っ!!
ははは…、冗談ですよ!
ごめんなさい………。
〈ま、まぁ…マスター……、これを手伝うのは、赤ちゃんが飲んでも平気なミルクが出来るまでの間だし!頑張ろっか……〉
〈はぁ…、そうだな……〉
ナビィさんだって、苦労していない訳じゃない。
この世に存在する全ての世界の、粉ミルクの成分から、この赤ん坊達の飲める物を調合するという。凄い事をしているので、それまでは頑張ろう………。
〈あ、それに!今のマスターは美人だから、言葉使いも気をつけなきゃダメだよ!!赤ちゃんが覚えちゃうから!!〉
〈………嬉しくねぇ、中身は男なんだよ!言葉使いまで、女にしてたまるか!!
兎に角!俺が女になるのは、粉ミルクが出来るまでだからな!!〉
〈分かってるって!あ、マスター!誰か来るかも!近くで空間が開いた!!〉
〈え?まだ授乳中なんだけど……、戦いとか無理だよ?〉
何でこのタイミングで来るんだよ!
「それは、我が"竜"だからだ!!」
そう言って、俺の前に堂々と胸を張って現れたのは、人の姿をした"始祖竜"。
「はは……まじか………」
俺は顔を引きつかせながら、何とか返事を絞り出した。
「ハッハッハッハッ!上手くやったようだな!しかし何だその姿!我の予想を越えてくるとは、流石我の盟友だ!!!」
その後も、『波動竜』の上機嫌な高笑いがその場に響いた。
本当に何でこのタイミングなんだよ……。
あ、竜だからか………。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
今回、第五話で予告したタイトルと違うのは、元々書いていたものを間違えて消してしまい、書き直したからです。
見た目は美人なお姉さんで、中身は男。
改めて考えると、インパクト凄いですね……。
波動竜が何をしに来たのか?
次回は、次の水曜日に投稿します!
お楽しみに!!




