第五話『魔王が男をやめた日!』
どうも!
遅くなりましたが、連日投稿です。
今回は、ナビィさんがフルスロットルです!!
是非最後まで読んでいってください!
赤ん坊の声が聞こえる。
他にも、草や土の匂いや、生物の気配を感じる。
帰って来たのか………。
俺はゆっくりと目を開け、体を起こそうとするが…。
何故かベッドごと拘束されていて、起きられない様にされていた。
「ここは……、仮拠点か…?」
俺の寝ている間に拠点を作って、俺を寝かせたのか…。
そこまでは分かるんだけど……、なんで拘束されてるんだ………?
しかも無駄に頑丈で、俺の全力でも外せない……。
〈マオ。今起きたんだが、なんで拘束されてるんだ?〉
このまま見知らぬ天井とにらめっこするのも退屈だし、今の状況聞くためにとりあえずマオに念話を送ったが、返答の気配がない。
寝てるのか……?
つまり、何か疲れる事があったって事か?
その後ナビィさんに念話を送ったが、当たり前の様にスルーされた。
もう、清々しいね!!
・・・・
・・・
・・
・
あの…、もう3時間経ったんだけど……。
さすがに俺、悲しくなってきたよ………。
太陽も真上に上ったよ?
そろそろ起きてるか確認してくれても良くない?
〈おい!マオー!!いい加減起きてくれ!!何で反応しないんだよ!!〉
俺は全力でマオに念話を送った。
が、当然の様に反応が無い。
え…、もう泣いていいかな………。
「あのぉ……、起きてますよぉ……」
そんな俺の呟きも、独り言に終わった。
・・
・
更に一時間が経った。
そうだ、無になろう。
もう何も考える必要はない。この固定具を外してもらうまで、無になってればいんだよ。
そう思い立ってから少しして、ようやく念話が送られてきた。
〈あ、マスター起きてるじゃん!!〉
〈あ、ってなんだよお前!忘れてだろ!!〉
〈やだなぁ…、忘れてないよ~。待ってて、今ナビィ呼ぶから!〉
〈………説得力ねぇぞ…〉
さっき女神さんにお前達が居れば大丈夫なんて言って、早々に死にたくなったよ!
死ねないけど!!
〈ははは…、あ、ナビィもう来るってよ!良かったね!〉
マオがそう言ったと同時に、気配を一切感じないナビィさんが現れた。
「えぇ、もう来ています。おはようございます。御主人様」
「うおぉっ!!気配消すなよ!ビックリするわ!!!」
俺のビックリした顔に満足したのか、
「あらあら、どうしたんですか御主人様?情けない姿ですよ。私に嗤われたいんですか?」
と、来て早々嘲笑しながら言った。
「アホか!起きたらこうなってんだよ!!知ってて言ってるだろ!!」
俺が何回ナビィさんに念話送ったとおもってるんだ!
「そんな事知りませんよ。私は赤ん坊のみるのに忙しいんです。御主人様の為に時間を使うのがもったいな……、いいえ、暇がなかったんですから」
「嘘つけ!今もったいないって言おうとしたろ!!一応言っておくが、俺、魔王だからね?ナビィさんの御主人様だからね?」
「えぇ、理解しています。それに、丁度人手が足りなかったんです。
このタイミングで起きるなんて、御主人様は流石ですね」
「このタイミング…?」
何だろう、凄く嫌な予感がするぞ……。
「はい。丁度赤ん坊に母乳を与える時間だったんです。彼女達5人だけでは大変ですから」
「……え?いや…男だよ…、俺……」
ナビィさんのとんでもない申し出に、上手く返答できない……。
何言ってるんですか……?
「御主人様には関係ありません。魔法でどうにか出来るので、安心してください」
「へ、へぇ……そうなんだ……」
わーお!
なんという事でしょう……、全然喜べない………。
〈マオ!ヘルプゥゥゥ!!物理的に女にされるぅぅぅ!!!〉
〈えー、マスターから母乳が出でも私には問題ないし、ナビィと戦うなんて面倒だし、今回は諦めたら?〉
マオに助けを求めたのに、普通に断られた…。
「じゃあ、動かないでくださいね。今から御主人様を改造しますから」
ナビィさんは笑顔でそう言った。
魔力が高まってきてる…、本当に改造する気だ。
それに動かないでってな……。
「動けねぇよ!まずこの拘束具を外せよ!!」
「外したら逃げるじゃないですか。何言ってるんですか?」
「こっちのセリフだよ!やめろぉぉぉ!!!」
こんな事になるなら放置で良かったよ!
誰か!誰でも良い!!助けてくれぇー!!!
「恐がらなくても平気ですよ、御主人様。すぐ、終わりますから」
そう言ったナビィさんの顔は、まるで悪魔のような笑顔だ。
「いぃぃぃやぁぁぁぁ!!!!!!」
何も出来ない俺は、ただ叫ぶだけしか出来なかった………。
そして、俺は女になった。
物理的に………。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
第一章で分かるのですが、魔王の体はマオが造っているので、割と融通がききます。
まぁ、その所為で今回は改造されたんですが……。
次回第六話『魔王の目覚める母性!!』は、明日の19時に投稿します!!
お楽しみに!