第四話『あれ?俺、魔王だよね?』
どうも!
しっかり19時以内に投稿出来ました。
今回は夢の中のお話です。
是非最後まで読んでいってください!!
「そろそろ起きてくれ。でないとボクも大変なんだ」
そんな声を聞き、俺は目を開けた。
その視界に広がる白い景色………、間違いない。
ここは約束の女神のいる『白い世界』だ。
「あれ?何でここに居るんだ?」
俺は死んでないし、転移してもいない筈だが……。
「やっと起きたか…。ボクが、寝ている君の意識をここへ招待したんだよ。記憶は戻ったかい?」
「あぁ、今戻ったよ…。どうしたんだ急に?女神さんが俺を呼ぶなんて珍しいな」
というか初めてだ。いつもは世界攻略を一度始めれば、終わるまで不干渉なのが……。何かあったのか?
「あったでしょ!?君が世界を終わらせたんじゃないか!!
それに、世界まで造って!!君のやっている事は、『魔王』の領域を越えている!!!」
「あ、やっぱ駄目かったか……」
ギリギリセーフだと思っていたが、アウフぐらいだったか……。
「当たり前だよ!勝手にボクの力も使うし!!いったい何柱の神の力を使ったんだ!!!」
「3柱だ!」
「素直でよろしい。なんて言う訳ないだろ!!お陰でボクは、この世界に縛られたんだ!!!」
「良く言うよ、俺に世界を終わらせる魔法を授けたのは女神さんだろ。上手く使ったらこうなったんだよ。過ぎた事より、先の事を考えよう!!」
顔を真っ赤にして怒る女神ちゃんを見ながら、俺を元気良く言ってやった。
「出来れば君には今を考えて欲しかった…。まぁいい、それより本題に入ろう。君が造った世界についてだ」
呆れた顔をされたが、許してもらえたのでセーフ。
やっぱり優しいな、うちの子!
まぁそれは置いておいて、
「俺の造った世界がどうかしたのか?」
「どうもこうも、君は『契約者』でありながら、『管理者』になったんだ。つまりこの先、その世界がある限り、君は自害で出来ない。これはかなり厳しい事だ」
真剣な顔で、女神さんは言ってくる。
辛い事の方が多い『魔王』という義務は、その苦痛故に、自害する者も多い。
しかし世界に縛られる『管理者』になった俺は、世界攻略を成功させる意外で、この世界から出られなくなったのだ。
そう考えると、女神さんがこんなに真剣なのも納得だな。
「別に厳しい事じゃないだろ。俺は失敗した事ないし、ナビィやマオも居るからな」
「………」
そう言った俺を、女神さんは無言で見つめてくる。
「そんな心配しなくとも平気だよ。今回も上手くやるさ」
「…分かった、良いだろう。世界の管理はボクに任せたまえ、君は世界攻略に集中するといい」
「それは助かる。感謝するよ、女神さん!」
俺は笑顔でそう答えると、「はいはい…」と、軽くあしらわれてしまった。
「さて、そろそろ君の意識も覚醒する。最後に聞きたい事はあるかい?」
「うーん…そうだな…、さっき変な声が聞こえて、何か"称号"を獲得したんだけど、これって平気かな?」
特に『勇者』って、獲得しちゃいけない気がするだけど………。
「それは君の行いに対する世界からの祝福だ。
"称号"自体に特質する効果は無いが、それを持っていると、その世界ではいろいろ便利なんだ。
獲得したって事は『魔王』を獲得したのかな?それは『世界に認められた魔王』って事だ。喜ばしい事じゃないか」
「じゃあ、俺、『世界に認められた勇者』でもあるって事か……?」
「え、君…、それは――――」
女神さんの動揺した顔……。
その時、白い光が俺を包み、何も見えなくなった。
更に音も聞こえなくなり、一番重要な事を聞けていない。
あれ??今、何か言おうとしてなかった?
やっぱり獲得しちゃいけなかったのか?大丈夫だよね?
俺、魔王だよね???
そう心の中で叫びながら、俺の意識は覚醒し、『白い世界』を後にした。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
肝心な事はまったく聞けないまま、目覚める魔王はこれからどんな風になっていくのか?
次回は、明日の19時に投稿したい!!
お楽しみに!