第四十話『異世界誕生』
どうも!
かなり遅くなりましたが、水曜日に投稿出来ました。
是非最後まで読んでいってください!
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お陰様で、ユニークアクセス人数が1000人を突破いたしました!
本当にありがとうございます。
これからも週一投稿は必ずするので、読んでもらえると嬉しいです。m(_ _)m
俺が今居るのは世界を転移するときに通る一度来た世界。
世界と世界の狭間。『黒い世界』。
さっきまで居た世界は、既に跡形もなく消えた。
俺が終わらせたからだ。
まさか2回も、この世界を見れるなんて思ってなかった……。
〈マオ、もう1つの"番外魔法"の準備はしてるか?あと、ナビィさんは何処だ?気配を感じないんだが…、もうこっちに来てるよな…〉
〈うん、今準備中~。ナビィは多分来てるよ~。さっき念話したし!〉
〈お前ら、何で俺に内緒でいろいろやってるだよ……〉
〈いやー、それは……、ははは!マスターは気にしないで良いよ!!〉
〈今ので更に気になるんだけど……〉
何その気まずい感じ!
俺何で慰められてる感じになってるの!?
どうせナビィさんが来るまで暇なんだ。
とことん聞いてやる!
「なら、もう聞けませんね。御主人様」
そんな時、俺の背後から声が聞こえた。
この優しく、とても恐ろしい声は……。
「うおっ!!ナビィさんいつの間に!?」
それに何で心の声を聞いてるだ?
ちゃんと魔力を操作して対策してる筈……。
〈あ、ごめんマスター。忘れてた!〉
〈何やってるだぁ!?〉
本当にふざけんな!
勢い余って、変な言葉になっちゃったじゃないか!
こちとらナビィさんに言えない事とか、心の声で言ってるんだからな!!
「へぇ…、そうだったんですか。ふふ、御主人様。とりあえず…、殴らせてください」
「え……、まだ聞かれ……」
次の瞬間、頭部に激痛が走った。
「いぎゃぁぁぁぁ!!!マオ何してんだよ!俺の頭、右側モザイクだよぁ!!!」
こんな姿で世界を終らせたって言っても、全然説得力ないよ!魔王とは思えないよ!!
〈いや、今の私は悪くないでしょ…。マスターがナビィを怒らせたんじゃん……〉
うぅ……、事実だから何も言えねぇ…。
でも痛いんだよ!ナビィさんも手加減してよ!!
しばらく痛みに耐えていると、傷は完璧に治った。
「……御主人様の傷が治る時って、気持ち悪いですね」
「いや、殺ったのナビィさんだからね!もうしてる事が俺かんかより魔王だよ!!」
ナビィさんの視線が、いつも通り生ゴミを見る目になったので、俺は全力で言い返した。
「そんな…、世界を終らせた御主人様に言われると傷つきます……」
「はーい、やめてねー。いくら嘘泣きだって分かってても、こっちは辛くなるからねー」
かなり下手な泣き真似だが、涙を流されると、それを見てる俺が辛いからやめてね…。
「それはそうと御主人様。さっきの"モザイク"は何ですか?前回の転生の時はあんな"特殊スキル"持ってませんでしたよね?」
と、さっきまで泣き真似をしていたとは思えない程無表情でナビィさんが言った。
情緒不安定かよ!まぁ、別にいいけど…。
ナビィさんが言っているのは、世界を終わらせる前に俺を何回か潰した時の事だろう。
「その通り!今回の特典、"特殊スキル"『モザイク』だ!!」
俺は1000回魔王となり世界攻略をする"約束"をしているが、手助けもある。
それが、世界攻略"成功特典"。
次の転生の時に、獲得できる"特殊スキル"を1つ増やせたり、特殊なアイテムや武器を貰えるというものだ。
「……つまり御主人様は、今回の特典で、そんな意味の無い"特殊スキル"を手に入れたんですか?」
「意味が無いって言うな!ナビィさんも見たでしょ……前回の勇者。可哀想だったじゃん!!」
「それは……、そうですけど………」
前回、999回目の世界で、二人目の勇者は子供だったんだ。
ナビィさんが怒って俺をミンチにするから、それを見た勇者の顔が青ざめてた……。しかも、ミンチから元に戻る俺を見て吐いてたし……。
本当に申し訳なかった………。
「だから良いんだよ!これで少しグロくても、気持ち悪くならない!!」
「いえ…、十分気持ち悪いですよ。それにこの"特殊スキル"、御主人様が痛みを感じなくても発動するみたいですし」
「とにかく良いの!って、え……どうやって確かめたの?」
「?『痛覚無効』を貫通しないように御主人様の後頭部を抉ってみましたが?」
「何で疑問符浮かべてんだよ!?俺ナビィさんの御主人様だよ!!!」
「ふふふ、嗤わせないでください御主人様。モザイクが喋ると可笑しいですよ」
本気で笑いを堪えながらナビィさんが言った。
「今の笑い何か違う気がするぞ!嘲る方の嗤いだっだろ!!」
「えぇ、そうですが、何か?」
「一大事だよ!俺一応ナビィさんの御主人様だからね!!」
「…………」
ここで無視かよ!!
この際しっかり言ってやる!
〈マスター、準備出来たよ~〉
そんな時、マオが念話を送ってきた。
どうやら頼んでいた魔法の準備がと調ったようだ。
「……、お前ら絶対わざとだろ…」
何で毎回タイミング悪いんだよ…、はぁ……。
〈そんな事ないし!偶然だもん!〉
「ナビィさんが居るのに、偶然が通用する訳ないだろ…」
〈そんな事別にいいじゃん!それより準備したこの魔法だよ!!〉
「ん?あぁ、それだけじゃ意味が無いって事なら知ってるぞ」
〈え?知ってたの!〉
「知ってたよ。その為のナビィさんだ。見つけてくれた?」
俺がそう言うと、ナビィさんは嫌そうな顔をしながら『魔法空間』からあるものを取り出した。
「えぇ、奥の方にありましたよ。これで合ってますよね?」
「あぁ、間違いない。『神樹の苗』だ。これを使えば、マオが準備した魔法に意味が出来る」
俺の1回目の世界攻略"成功特典"。
『世界の苗』とまで言われる伝説のアイテム。
いつか使うかもと残しておいたら、結局使わずに1000回目まで来てしまった…。
ある意味、1000回目の世界がここで良かった………。
〈あ~、そういえばあったね、これ。私忘れてた……〉
「ま、ポンコツですから仕方ありません。因みに、私は覚えてましたよ」
〈ポ、ポンコツじゃないし!今だって魔法の準備出来てるし!!〉
「そんな事、私は勿論、御主人様だって出来ます。貴女にわざわざ仕事を与えてるんですよ」
〈え……、そうなの……マスター……〉
マオが泣きそうな声で言ってくるので、仕方なく会話に割り込む。
「はい、そこまで!マオ、気にせず魔法を展開するぞ。この『神樹の苗』を中心に世界を造るぞ!!ナビィさんも魔力の補助を頼む!」
貴女達、これから世界造るんだよ?
こんな雰囲気で良いのか?
〈うん……、分かった……〉
「了解しました。いつでも可能です」
俺がそう言うと、それぞれが返事をした。
「よし!じゃ、始めるぞ!!」
俺の宣言を聞いたナビィさんの雰囲気が変わり、魔力が膨大に膨れ上がった。
空気は無いが、深呼吸してその魔法を唱える。
最後のピースとはよく言ったものだな。
あの"波動竜"は、こうなる事が分かってたのか…。
「術式起動。展開!『世界創世記』!!」
俺の言葉に反応し、『神樹の苗』が白い光を発し俺達を包んだ。
光に慣れ、辺りを少し見回すとそこには、俺達の造った『白い世界』広がっていた。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
異世界が誕生!第一章が終わりました。
ようやく次回から第二章が始まります。
次回は、今週の土曜日に投稿します。19時に投稿したいです…。
お楽しみに!