第三十話『夜に咲く花』
どうも!
今回も2日連続投稿です。
投稿時間が予定よりもだいぶ遅くなってしまいすいません………。また投稿前になって、話を変えたくなってしまい、こんなに遅れてしまいました。
その分今回は、いつもより少し文章量が多めです。
是非最後まで読んでいってください!
〈あまり、1人に対して情をかけないほうが良いよ。後で辛くなるのはマスターの方なんだから……約束までして……〉
公園から家へ帰る途中、唐突にマオが言った。
マオが言っているのは少年の事だろう。
そりゃ、俺が約束までしたからな…。絶対言ってくると思ったけど……。
〈今かよ!そんな話、家に帰ってからでも良いだろ。ほら、夜空の星が綺麗だよ〉
〈良くない!だいたい、魔力も勝手に使ってさ!あれ、ナビィにバレてるからね!〉
・
・
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は?
〈誤魔化しとけって言っただろうが!!〉
〈そんなの聞いてない!最初に気づいたのナビィだもん。そもそも、ナビィも見れる念話空間に送るのが悪いの!!〉
嘘、だろ……。
ナビィさんにバレてる、だと………。
〈ふざけんな!!お前のせいで家に帰りたくなくなったぞ……〉
やべぇよ……、ナビィさん絶対怒ってるよ………。
殺される……、確実に3回は殺される………。
〈それより早く答えてよ!何でマスターはあの少年と約束なんかしたの?〉
〈それどころじゃねぇだろ!!下手したら死ぬ…、早く逃げるぞ!!〉
3回も殺されるとか…、拷問以外のなんでもない!
〈マスター何言ってるの?ナビィから逃げるなんて無理に決まってるじゃん。現人神から逃げる方が簡単だよ〉
〈………〉
……そうでしたね。
世界を把握し終えたナビィさんから逃げるなんて、考えるだけ無駄だったな。ははは。
終わった………、諦めて帰ろう…………。
〈マスター?答える気になった?〉
〈…そうだな、話すから俺と一緒にナビィさんに謝ってくれ……〉
もう謝るしかない!謝っても意味ないけど……。
〈えぇ…、まぁ1時間くらいならいいよ。一緒に謝ってあげる〉
〈まじか!ありがとう!!〉
マオも謝ってくれるなら、2回殺されるぐらいでなんとかなりそうだ。よかったぁ……。
〈感謝よりも先に答えてよ!何で約束なんかしたの?〉
〈そ、そうだな。まぁ、言葉にするのが難しいんだが……、勘だな。そうした方が良いって何故か思ったんだよ〉
あの時、少年の顔を見た時、何故かそうしないと、今にも消えてしまいそうな感じがした。
〈え、勘?それだけ?〉
〈それだけだ。約束に隠して魔法を仕込んだのも同じ理由だ〉
〈魔法?そんなの私も聞いてない!何を仕込んだの?〉
マオも気づいていなかったようで、慌てて聞いてくる。
〈そんなに慌てなくても平気だよ。特定条件で発動する魔法だ。起動するまで、俺から魔力は無くならない。もちろんナビィさんに言ってないから、内緒にしとけよ…〉
〈当たり前でしょ。バレたら私も痛い思いするもん。で、起動条件は何?〉
〈簡単に起動したら困るから、生命の危機に陥ると起動するようにした。その魔法が起動する度に助ければ、約束が破られる事もない〉
〈はぁ……、マスターの馬鹿!〉
〈え、急にどうした?何故俺は罵られてる?〉
我ながら完璧な約束だと思ったんだが…、何か問題があったか?
とりあえず聞くか…、俺には分からないし。
「〈なぁっ!!!!!〉」
それは急に起こった。
俺の魔力が少し減った。ピッタリ魔法1回分。
急に起こったので驚いたが、何が起きたのかは理解出来た。
少年に何かあったのだ。生命の危機に陥る様な何かが……。
仕込んでいた魔法が起動し、その効果が発動する。
〈マオ!今送られてきた座標まで案内しろ!!急がないと少年が危険だ!!!〉
〈わ、分かった!〉
俺は『術式破棄』と『詠唱破棄』を使い、もう1つ魔法を展開する。
「付与魔法!『雷神脚』!」
『雷神脚』雷速移動を可能にする付与魔法だ。
この魔法の一番の特徴は、移動した時に風が起きない事だ。それにより、被害を気にせず移動出来る。近くに生物が居れば感電死してしまうが、移動する分には問題ない。
待ってろ!まだ死なせない!!
・・
・
〈そこを右!次は左!〉
マオが案内する。
俺はそれに従い、雷速で移動する。
〈まだ着かないのか!〉
〈もう着く!そのまま2秒直進して止まって!左に見える建物の中!!!〉
〈分かった!〉
言われた通り2秒直進して止まる。
『雷神脚』を解除し、入り口のドアを勢いよく開けて入る。
「くそ!、暗くて見えない……なんだこの建物!!」
何でこんなに暗いんだ!!
今が夜だからって、いくらなんでも暗すぎだ!!
大丈夫だ。大丈夫なはずだ。座標が送られ続けている以上、少年は生きている。
『魔王眼』を使い暗闇を見る。
その眼で、俺ははっきりと見た。
夜に咲く赤い花を……、
悲鳴も上げず、笑顔で、破裂する赤い花を…………。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
少年は『魔風壁』を使えるようになったのに何故こうなってしまったのか………。
次回は、明日の19時に投稿したいです。
お楽しみに!




