第二十六話『希望』
どうも!
昨日に続き、連続投稿です。
今回、少しだけ魔王の技が出てきます。
是非最後まで読んでいってください!
「チェックメイト」
少年のそんな声を聞きながら、文字通り光速のボールが俺に迫る。
避けること事態は簡単だ。俺も光速で動けば良いのだから……、問題はそこじゃない。
このボールを避ければ、ボールの進行方向に居る子供にボールが当たってしまうことだ。
かといって、この光速のボールを受け止めれば、子供達の投げたボールに当たってしまう………、どうする………。
…
……
………よし、ずるをしよう!おじさんは大人だからね!
〈マオ~。返事はしてくれないと思うから、勝手に言うけど。魔力を使うから、そこら辺、ナビィさんには誤魔化しといてくれ。よろしくな~〉
マオに念話を一方的に送り、俺は行動に移る。
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僕はボールを投げた。
おじさんは優しいから、必ず僕の投げたボールを避けない。
この作戦なら、逃げ場の無いあの状況から避けたとしても当てられる。
しかし、子供達の投げたボールが何かに弾かれた。
僕が投げたボールもその何かに当たり、空中に留まっている。
「え…」
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驚いたか!!
俺が何をしたかを簡単に言うと、空気をぶつけた。
転移14回目の時、ナビィさんに教えてもらった技、『魔式戦闘術』の一つ。
周囲の空気を、魔力を使って操り、俺を中心とした全方位に空気の壁を放つ技。『魔風壁』。
神速の剣ですら弾く強力な壁だ。
投げられたボール程度なら、弾くのは簡単だ。
ふふふ。
「どうだ少年!これは予想出来なかっだぁっっ!!!」
悔しがっている顔を見ようと少年の居る場所に向き直った所に、高速のボールが、顔面に直撃した。
突然の衝撃に対応出来ず、そのままの勢いで吹き飛ぶ。
「いっっだぁ!!」
両手で顔をおさえ、意味もなくゴロゴロと転がる。
痛い痛い痛い、痛すぎる……。『魔風壁』で勢いを弱めてもこの威力かよ………。くそぉ……。
「え、えーと…、おじさん……、大丈夫…?」
おじさんが痛がっている無言の空間の中で、心配そうな少年の声が、公園に響いた。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
"これが希望になることを祈ります"
次回も明日の19時に投稿します。
お楽しみに!