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1000回目の魔王様~どう考えても俺より強いんですが、~  作者: 落ち武者
第一章 ~はじめまして魔王です~
21/119

第二十話『僕』

どうも!

2日連続投稿なのに、何故か3話連続投稿になりました。


今回は少年のお話です。

是非最後まで読んでいってください!


 僕は改造ホムンクルスだ。


 僕には最初から、両親と呼べる存在は居ないし、名前も無い。


 そんな僕は、施設のひとたちにとって道具だ。

命令通り行動出来なければ殴られるし、命令通り行動出来ても、調子に乗るなと殴られる。


命令に叛けば、殺される。


これからも一生、僕はそういう存在だ。




 だから、目の前のおじさんは、僕にとって、とても不思議な大人だった。

この僕を子供と言い、普通の子供のように遊ばせる。



 今だってそうだ。

もう三時間は、おじさんは僕と、ボールを投げ合っている。


 1球目のボールを消してしまったのに、当たり前のように僕を殴らず、いつの間にか、2球目のボールを持っていた。



 本当に、この人は何者なんだろう?


 初めて会った時からチョーカーを付けてないし、仕事をせずに公園へ連続で来れる"人"なんて、聞いた事がない。


 答えになる存在を僕は1つ知っている。だけど、信じたくない。


 だから僕は、ボールを投げながら、おじさんに質問をした。


「おじさんって何歳なの?」


「急にどうした?ボール投げ止めるか?」


 ボールを受け取ったおじさんが、首をかしげながら聞いてくる。


「いや、なんとなく…。おじさんって事は、それなりに歳を取ってるの?」


「まぁ、それなりに歳を取ってるよ」


 そう言いながら、おじさんもボールを僕に向かって投げ返す。


 僕もそれをキャッチしておじさんに投げ返す。


「何歳?」


 僕がそう聞くと、そうだなぁ……と言って、おじさんは下を向いて、動きが止まってしまった。


 こうなったおじさんは、しばらく僕の言葉に反応してくれない。何故だかは知らない。



 しばらくして、おじさんの表情が落ち込んだように変わった。


「おじさん?どうしたの?体調悪いの?」


 もしかして、僕と遊んだから…?


「ん?あ……歳だったな…」


「そうだけど…、言いたくないなら言わなくていいよ?」


 あんなに落ち込んでたし……。


「気にするな。ただ数えるのに時間が掛かっただけだよ」


「数えるのに時間が掛かったの?…」


「まぁ、そうだ。だいたい30万歳くらいだった」


 ……………。


 やっぱり、そうなんだ……。

 おじさんも…………。


「どうした……?少年?」


 おじさんが心配そうに聞いてくる。


「ううん、なんでもない。そっか…、だからおじさんはチョーカーを付けてないんだね……」



「まぁ、そんなとこだ。ほれ、ボール投げろ。ずっと持ってて悪かったな」


 そう言って、おじさんは肯定する。


 僕は転がされてきたボールを受け取り、地面に置き直す。


 そっか……。

 そうなのか………。


「やっぱりどうした?変だぞ少年?」


 この後のことを、僕は余り覚えていなし、いつの間にか、次の日になっていた。


 ただし、確かなことが1つだけあった。






――僕は、()()()()()()()()()()






 今日もおじさんは、公園にいるだろうか…。

 いっぱい、遊びたいな…………。


 そんな事を考えながら、僕は施設を出て、公園へ向かって走り出した。


ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。


お陰さまで、ユニークアクセス数が500人を突破しました!本当にありがとうございます。


次回は、月曜日か火曜日に投稿すると思います。

お楽しみに!

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