第十五話『子供』
どうも!今年最後の投稿です!
投稿する時になって、変えたい所が沢山の出てしまい、予定より遅れてしまいました。
すいません…。
是非最後まで読んでいってください!
「少年。お前はまだ子供だ」
俺は、少し笑いながら告げる。
少年も俺の言葉を否定する為に言い返す。
「だから、僕は改造ホムンクルスだから!知識の量や力の大きさだって大人と変わらないんだよ。それに周りの人たちだって、僕達のことを大人と変わらない扱いをするって…」
「ならその周りの人たちが間違ってるんだよ」
「!!」
「俺は今まで生きてきた中で、お前の様な奴を何人も見てきた。そしてその中には、外見は大人でも精神が子供だったり。そもそも外見が無い奴だって居た」
全部、俺が体験した本当の事だ。
異世界って凄いよな。概念とすら会話出来るんだから。
「だから、俺はこう考える。大人とは、生きている間の実体験の知識量で決まる」
「実体験の知識量…」
「そうだ。お前は生まれた時から大人と変わらないほど沢山の知識を持っているようだな」
「そうだよ。だから…」
「だからどうした。普通の人間の赤ん坊は、生まれた時から心臓を動かせるし、呼吸をしているだろうが。そして、その為の知識は生まれた時から持っているだろう。お前の知識はそれと一緒だ」
「…………」
「そんで、そう考える俺からすれば、お前はまだ子供だ。自分の持ってる力の大きさを気にしてるなら、おじさんが遊んでやる。だから、おじさんが居る時、お前は子供で居ればいい」
俺は笑いながら少年の頭をわしゃわしゃする。
「やめろ!……」
少年はそんな風に言いながら、俺の手を払った。
その後、少年は一瞬顔そらしたが、すぐに俺の方に向き直り、言った。
「……本当に、いいの?僕が遊んで……」
「何当たり前の事聞いてるだよ。子供は遊ぶのが仕事だ」
不安気な顔で聞く少年に、俺はそう答える。
それを聞いた少年は、年相応の笑顔を浮かべ、人生で初めて、それを言う。
「じゃあ、おじさん!僕と遊ぼう!!」
その声はとても嬉しそうで、その姿は紛れもなく子供だった。
子供はこうでなくっちゃ。
今まで遊べなかった分遊んで、笑えなかった分笑おう。
そして、俺もそれに付き合ってやる。
おじさんだからな。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
個人的な感想ではあるんですが、この魔王はおじさんであって、もう父親ではないんですよね。
って感じです。はい……。
次回は、1月4日~5日辺りに投稿します。
お楽しみに!




