第十三話『会心の一撃』
どうも!
昨日に続き、2日連続投稿です。
是非最後まで読んでいってください!
〈え、お前なの?〉
ナビィさんじゃなくて?
えぇ、嘘でしょ……。
〈そうだよ~、私が造ったんだ~、驚いたでしょ〉
〈あぁ、驚いた…〉
まさか、マオが造っていたとはな……。
〈ふふ、もっと褒めてくれても良いんだよ!〉
〈あぁ、凄いよ…。こんなに驚いたのは久しぶりだ……〉
そうだよな、一応こいつ、高性能だもんな……。
〈まぁ、そのせいで寝坊しちゃったけどね〉
〈おい!〉
せっかく見直してたのに、やっぱり高性能だな……。
〈えへへ……、ほら!他に質問ないの?〉
あ、こいつ、話そらしたな……まぁ、これ以上言ってもしかたないか。
んー、そうだな……じゃあ、あの事でも聞くか………。
〈じゃあ、一昨日のアレ、どう思う?死んだと思うか?〉
俺が言っているのは、この世界に転移してすぐに会った竜の事だ。
あの夜、俺は確かに見た。
膨大なエネルギーのレーザー光線によって、細切れにされる竜の姿を……。
〈間違いなく絶命。完璧に死んだよ!。不安要素が一つ消えたね!!〉
〈アホか!新しく不安要素が生まれるだろうが!竜の鱗を貫通するレーザーだぞ。あんなので狙われたら、確実に死ぬ〉
竜の鱗は"時殺しの咆哮"か、それと同等以上の力でないと貫通出来ない。
つまり、"時殺しの咆哮"すら、まともに防げない俺達じゃ、戦いにならないって事だ。
どうすんだ、これ?………。
〈なんだ~、分かってるじゃん。何で質問したの?~〉
〈念のための確認だよ。俺ひとりの意見だけだと参考にならんだろ〉
〈へぇ~、そっか。あ、こっち忙しくなってきたから、念話切るね~〉
〈え、いや、まだ夕方にもなってないから!もう少しでいいから!〉
〈ん~、無理~。バイバイ~〉
その言葉を最後に、念話が一方的に切断される。
えぇ……お前、俺の『魔法回路』だよね…。
何で俺を無視するの?へぇ?おじさん泣くよ?
はぁ……久しぶりの孤独感だなぁ……。
そんな風に項垂れていると、誰かがこちらに向かって来る気配を感じた。
俺は仕方なく顔をあげる。
そこには7才くらいの少年が立っていた。
もう少年でもいい、俺の話相手になってくれ……。
「どうした少年?俺に何か様か?」
「少年?」
「ん?違ったか?」
あー、時々居るんだよな…。少年みたいな少女だったり、少女みたいな少年。
今回は前者だな。
「悪いな、おじさんそういうの見分けつかなくてな。お嬢ちゃんだったか」
「いや、僕は男だけど…」
「お、おう、そうか……」
じゃあ何で首かしげてるの?
おじさんには訳が分からないよ………。
「まぁ、いいや。おじさん一つ聞いてもいい?」
「あぁ、何でも聞いて良いぞ。暇だしな」
どうせ何もする事ないし、良い暇潰しになる。どんどん聞いてくれ。
「じゃあ聞くけど、おじさん昨日も居たよね。働いてないの?」
それは、その質問は、俺の心をえぐる、会心の一撃だった。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
次回は、来週の月曜日頃に投稿すると思います。
お楽しみに!