第三十五話『とっておきの笑い話 5 』
どうも…。
2日も遅れてすいません。日曜日分の投稿です。
今回は、前回からの続き!
どんな答えになるのか?
是非最後まで読んでいってください!!
「僕には、生きる意味が、分からない………」
その言葉を聞いて、目を見開くお姉さんの顔を横目に、僕は言葉を続けた。
「家もない。守るものもない。家族もいない。
お金も、権力もない。夢もない。
そんな無い無い尽くしの僕には、 生きる意味が分からない」
僕がそう答えると、お姉さんは………、
「ぷっ、あはははは!!!何それ、あははは!!!!面白いね!!!!!
笑い過ぎてお腹いた~い、あははははは!!!!!!」
大爆笑であった。
「えぇ……」
そんなに面白い事を言ったかな……?
客観的に見て、ネガティブな話題だと思ってるんだけど………。
というか、何かちょっとムカつく…。
「ごめん、ごめん。だって少年が変な事を言うからさ、本当に面白くって。
ふ、あはは!だからあんまり怒らないで」
僕が少し不機嫌になっていると、お姉さんはそれを感じとったようで、すぐに謝ってきた。笑いながら……。
「変な、事?」
とりあえずお姉さんが笑っている事はスルーして、僕はそう質問した。
するとすぐに、お姉さんは答えた。
「だってそうでしょ。
分からなくて当然だよ。少年はそれを作ってないんだから」
「作ってない?生きる、意味を……?
でもそんな事したって――」
「そう、意味は無い!」
「え……」
僕が言おうとしていた事を、先に言われ戸惑っていると、お姉さんはそんな僕に笑顔で言った。
「これは極論だけど、生きる意味は無いんだよ。
どんなに努力したって、どれだけ苦しんだって、楽しんだって、それらに意味は無いんだよ。
ただの自己満足で、それでも良いって思えるのが、生きる意味なんだから」
それは僕も気づいていた事で、信じたくなかった現実。
そんな現実をお姉さんは笑顔で、あっけらかんと言い放つ。
「じゃあ、なおさら……」
「でも、生きた意味はある」
「!?」
「生きた意味は、誰にだって必ずある。何を成したか。大事なのはそれだけ!
だからね少年、生きる意味が分からないなら、ただ生きていれば良いんじゃない?
いつか絶対、少年が成したい事が見つかるから」
お姉さんの言葉が耳に響き、心に響く。
何を成したいか………。
本当に僕が、生きてる間に見つけられるだろうか………?
「僕にも、意味はある………?
家も無くて、家族も居ない僕に………」
「勿論!寧ろ少年は、まだ子供なんだから、たくさんあるよ!!
それに、家ならここがある。少年が胸を張って生きれる様になるまで。いや、それ以降も、ここは少年の帰る家だ。
だからゆっくり、生きる意味を見つけな」
お姉さんはそう言って、僕の頭を優しく撫でる。
ただ、それだけ。
僕を肯定してくれて、優しく笑って頭を撫でてくれている。
それでも、親の暖かさが分からない僕が、涙を流すには十分過ぎる理由だった。
物心ついてから、初めて泣いて流す涙は下手くそで、甘かった。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
生きる意味。生きた意味。
お姉さんの言ったそれは、私の持論のひとつです。
たとえ、"世界を生きる"事に意味は無くとも、その"世界を生きた"という事実は、大なり小なり必ず意味がある。
だから生きる目的が見いだせなくても、その間の人生が、貴方に意味を生み出してくれる。
それなら、笑って楽しんだ方が、絶対にいいですよね!
(o^-^o)
さて、ようやく個人的に表現しにくい部分が終わりましたが、次の表現しにくい部分もピエロの過去話にあります。
後いっても4話程度だと思います。
あれ?この作品、魔王系の異世界物語ですよね?
次回は、土曜日の19時以降に投稿します。
お楽しみに!!
※今週は、土曜日のみの投稿になると思います。m(_ _)m