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第三十一話『とっておきの笑い話 1 』

どうも!

ちゃんと金曜日です。


今回は、タイトルを見て分かる通り、久しぶりに同じタイトルで続きます。


是非最後まで読んでいってください!!


 俺は慌てて城に転移してナビィさんの居る部屋にたどり着いたが、時すでに遅し。

()()()()、髪と瞳が真っ赤に染まったナビィさんと、()()()()()()()()()()が部屋に立っていた。


 そんな状況を見て、波動竜は面倒だと言って何処かへ居なくなり、蒼依と鷺はすみませんと言って部屋に逃げ、桃太郎はそもそも波動竜に連れ去られて、いつの間にか消えていた。

メイド達は新しく来た2人の異世界人の案内と赤ん坊のみるので忙しく、俺には構っていられない。

おまけにマオは狸寝入り。


 そして、出来上がったのがこの地獄の様な空間。


「それで、何か言いたい事はありますか?」


 ナビィさんの、大魔法レベルに魔力の込められた声が、部屋に響く。


 俺とナビィさんの2人しかおらず、俺が土下座している。

しかもその部屋には、『神域結界』というあらゆる"魔法・特殊能力・特殊スキル"などの異能が使用出来ず、干渉出来なくなる結界が張られている。


 つまり、逃げられない………。


「いや、その………、俺も異世界人を連れてきたっていうか………」


「あるんですか?私の命令よりも大切な事が?」


 殺意と怒気を大量に含んだその笑みは、下級の魔族なら見ただけで死ぬだろう。


「いえ、ありません」


 ねぇよ、もうそれで良いよ………。

 てか、お願いって言ってなかった?命令になってるんですけど……。


「そうですか、じゃあ、一回殺されてください」


 俺が仕方なくそうこたえると、髪と瞳が元の色に戻ったナビィさんが、まるで朝の挨拶でもしてるかのような爽やかな笑顔とともにそう言った。


「…………、えっ!?」


 ようやく俺が、ナビィさんがさらっと言った事を理解したその瞬間。

とんでもない重力が身体にのし掛かり、俺は土下座したまま押し潰されて意識を失った。





「これで良いんです。殺されたがりの御主人様(マスター)


 目の前の潰れた肉塊を見ながら、ナビィは笑って呟いた。





※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※





「さては君、馬鹿なのかい?」


 相も変わらず何も無い『白い世界』で、女神ちゃんは俺にそう言った。


「ははは、かもな………女神ちゃん」


 呆れ顔で俺を見る女神ちゃんに、俺も乾いた声で笑いながら答える。


「はぁ…まったく、従者に殺されてこの空間にやってくる魔王なんて、ボクの知る限り君が初めてだよ……」


「そりゃそうだろ。普通の魔王は従者より強いからな!俺みたいに殺されないんだよ」


 もう何あれ…。

『術式破棄』を使ってるのに何で『重力魔法(グラビティ)』使えてるの?

俺が1()0()0()()()()()()()()()()()()()()()のに……。


 それ以前に『神域結界』の中で、何で魔法が使えるの?

本当に、ナビィさん強すぎだから…………。


「どうしてそんなに誇らしげなんだか……。

それに君の実力なら、本来遅れを取らないだろう。何故本気を出さないんだい?」


「何を言ってるんだ?

俺は全力を出してるよ。それでも勝てないからここにいるんだろうが……」


 誰が好き好んで押し潰されるか!

痛くないから余計に気持ち悪いんだよ!!2度と御免だね……。


「ふ、確かに君は全力を出してる様だね。隠れて何に全力を出してるんだい?」


「さぁ、何の事だか分からないな」


「………。ふ、まぁ良いだろう、誤魔化すのも君の勝手さ。

それならすぐ戻るのかい?もう君の肉体は治っているようだが……」


 まだ他に何かあるんだろう。という顔で女神ちゃんはテーブルとティーセットを出現させ、ニヤリと笑う。


「あー、そう言いたいところだが、その前に聞いておきたい事があってな」


「フフ、そうかい。なら茶会でもするかい?

ちょうどこれから、ボクは紅茶を飲むんだ。ゆっくり話そうじゃないか」


 同じ様にニヤリと笑い返した俺に、そう言った女神ちゃんは俺の目の前に椅子を出現させ、座る様に手で促した。


「あぁ、ゆっくりとまではいかないが、話をしようぜ」


 そう言って俺も椅子に座り、出された紅茶を口に運ぶ。



「フフフ、それは残念だ。

さて、ボクに何を聞きたいんだい?」


そうして、互いに口に含んだ紅茶がなくなったタイミングで、女神はそう口火を切った。


「『()()()()()』ちゃんが答えられない事じゃねぇよ。

今回の、もう1人の異世界人。俺でも能力を視れなかったあの人間(ピエロ)の過去を教えてくれ」


「良いだろう。とっておきの笑い話だ」


 ()()()()()()の女神ちゃんが俺にそう言って、1柱と魔王の、長い茶会が始まった。


ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。


ようやく笑い話です。

これまで女神や桃太郎のお話なんかで、匂わせていたんですが、やっと出てきます。


あ、それと一応補足ですが、『神域結界』は極大魔法に分類されます。魔力消費は、存在消滅魔法『インビジブル』と同等ぐらいです。

そう考えると、やっぱりナビィさん強すぎですね……。


次回は明日の19時以降に投稿します。

お楽しみに!!


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