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81話 シャルロッテの母親

 あっという間に一週間が経過して……

 いよいよシャルロッテの母親に挨拶をする日がやってきた。


「俺、変じゃないか?」


 挨拶をするということで、それなりのかしこまった服に着替えたのだけど……

 着られているという感が半端ない。


「お兄ちゃん、かっこいいです! 素敵です!」


 俺の心配とはよそに、エリゼは目をキラキラと輝かせていた。

 うん、エリゼの意見はあまり参考にならないな。


 アリーシャとフィアを見る。


「そんなに心配することないわよ。いいと思うわ」

「は、はい! レン君、どこかの貴族みたいですっ」


 一応、貴族なんだけどね。


「それじゃあ、健闘を祈っておいてくれ」

「戦うつもりなの?」

「それくらいの覚悟、っていう意味だよ」

「大げさねえ」


 呆れたようなアリーシャに見送られながら、シャルロッテとの待ち合わせ場所に急いだ。




――――――――――




「ここがシャルロッテの家か」


 学院を出て歩くことしばらく……

 ブリューナク家が所有する屋敷にたどり着いた。


 でかい。


 俺の家も貴族なのだけど、比べ物にならない。

 屋敷は学院ほどの大きさがあり、それだけではなくて、広大な庭がある。

 門も大きく、とても頑丈そうだ。


「すごいな」

「臆した?」


 隣のシャルロッテがからかうように尋ねてきた。

 俺が臆したとは、微塵も思っていない様子だ。


「正直、驚いたな」

「あら、素直な反応ね」

「こんな大きな屋敷、見たことないからな」

「やっぱりやめた、なんて言わないでよ? もう準備は済んでいるし、母さまにも話はしているんだから」

「わかっているって。驚いたけど、臆したとは言ってないだろう?」


 虚勢を張っているわけじゃない。


 確かに、シャルロッテの実家の大きさには驚いたけれど……

 前世で、これ以上の大きさの屋敷のパーティーに招かれたことは多々ある。

 今更、臆するなんていうことはない。


「それよりも……」


 シャルロッテを見た。

 ドレス姿だ。

 色は情熱的な赤。

 シャルロッテにぴったりだ。

 まだ14歳なのだけど、不思議と色気を感じる。


「似合っているな」

「ふふーんっ、そうでしょうそうでしょう? あたし、かわいいからね!」


 褒めなければよかった。


「ありがと、うれしいわ」


 シャルロッテがにっこりと笑う。

 あの態度の後で、その笑顔は反則だろう。


「それじゃあ、いきましょう」


 シャルロッテに先導されて、俺はブリューナク家に足を踏み入れた。


 これからシャルロッテの母親に挨拶をするのだけど……

 果たして、うまくいくだろうか?




――――――――――




「こんにちは。シャルロッテの母であり、ブリューナク家の当主であるクラリッサ・ブリューナクです」


 応接間に案内されて、シャルロッテの母親と対面した。


 綺麗な人だ。

 美人であるのはもちろんなのだけど……

 お辞儀一つをとっても、仕草がとても洗練されていて美しい。

 心が態度に現れているというか……

 色々な意味で、シャルロッテの母親とは思えない。


「はじめまして。レン・ストラインです」

「なるほど、あなたが……」

「あれ? もしかして、俺を知っているんですか?」

「もちろん。男なのに魔法を使うことができて、なおかつ、その力はかなりのもの……そう聞いていますよ」

「詳しいですね」

「学院については色々と調べていますからね。自然とそういう情報も舞い込んできます」

「調べる……どうして、そのようなことを?」

「大事な娘が通うところですからね。ある程度の情報は得ておきたいと思うのは、親として当然では?」

「そうですね」


 うーん。

 軽く話をした感じ、厳しい人という印象を受けた。

 決まり事を絶対に破ることはなく、ルールを遵守するような……

 そんなキッチリとした感を受けた。


 ただ、理不尽な感じはしない。

 あれこれと難癖をつけられることも覚悟していたが……

 そんなことをするような人には見えなかった。


 まあ、だからといって簡単に事が運ぶか、かなり怪しいところではあるが。


「さて……本題に入りますが、シャルロッテはこのレン君とお付き合いを?」

「はい、そうですね。母さま」

「お見合いのことは、学院に入学する前から伝えていたと思いますが?」

「それについては申し訳ありません。私に非がありますわ」


 母親を前にしているからか、普段と口調が違う。

 妙にかしこまった喋り方をするシャルロッテは新鮮で、ちょっとおもしろい。


「ですが……あたしも母さまの言葉をあえて無視したわけではありません」

「と、いうと?」

「レンは男にしておくのがもったいないくらい、素敵な人です。聡明で凛々しく、頭の回転が早い。貴族であり、家柄の問題もありませんわ。そしてなによりも、魔法を使うことができます。これほどの男を見つけたのならば、捕まえておかない方がいけないのでは?」


 いつもツンツンしているせいか、シャルロッテに褒められると妙に落ち着かない。


「そうですね……確かに、シャルロッテの言う通りかもしれませんね」


 クラリッサさんが納得した様子で頷いた。

 意外というか、話がわかるタイプなのか?

 これならスムーズに事が進むかもしれないな。


「しかし、私はレン君の力を見たことがありません。報告では聞いていますが、本当に男なのに魔法を使えるのですか?」


 クラリッサさんが厳しい目で俺を見た。


「はい、使えますよ」

「では、その力を確かめても?」

「いいですけど……いったい、どうやって?」

「ウチの者と戦ってもらいます」

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