説教
500pv突破しました❗有難うございます。更新遅れてすみません。ブクマ、コメント頂けると嬉しいです。コメントに関しては、後書きが寂し過ぎるので、コメントの返信等を行ったりしたいです。
登場人物のプロフィール載せようか検討中です‼
何処かで見たことがある景色。でも、そこが何処なのか分からない。
何も考える事なくずーっとその景色を見ていた俺の目の前に当然、女性が現れた。
女性とわかる程度しか判別できず、モザイクがかかったようにぼやけて、よく見えない。
お互い何も口に出さないまま沈黙。
気まずさを感じた俺は意を決して口を開いた。
『…………き、君は……?』
口を開いて吐き出した問いは、まるでエコーがかかったかのように周りの景色に反響した。
女性が肩を揺らす。
(笑っているのか?)
女性が肩を揺らしてから数秒後に笑い声が響いてきた。
その女性は笑いながら俺に近付いて来て、俺の頬に触れた。こんな至近距離なのにまだ顔が視認できない。
『……え? ちょっ……!』
頬を触れられ、動揺する俺を尻目に女性は目一杯顔を近づけこう言った。
『まだ、気付いてくれないの?』
全身の毛が逆立ち、背中に冷たいものが走る。
そう言うや否や、女性の姿は消えてしまった。
『……何なんだよ』
誰も居なくなったこの場所で俺は空を見上げた。
(〇Ω〇)
天井を見上げると宿屋の天井だった。
何で俺は此処にいるんだろう?って思ったけど全然思い出せない。
すると襖が開いて妹のサユリが入ってくる。
「大丈夫お兄ちゃん‼ 何があったの⁉」
――げ。やべえ、朝になる前に帰ってくるつもりだったから、言い訳とか全然考えてなかった!
切羽詰まったこの状況を打破しようと思ったけど、咄嗟に思いつかない。そしてその場しのぎで「今日は何日?」と聞く始末。言い訳くらい考えとけよ、俺。
「そんな事はどうでもいいの‼」
ですよね!
「お前、試し斬りしたそうなかおしてたよなぁ……」
「カズ、お前っ‼」
「わ……俺はシロカをよく見てるからな、ハハハハハハ‼」
「……ほおぉ? あれほど危険だって言われてる迷宮に勝手に潜り込んで階層主まで倒してしまったのじゃな?」
「……はい」
相手は全てを知っている。言い訳はギャクコウカダ。絶対。怖ぇぇぇぇ……。
「「「バッカじゃないの‼」」」
「……殺されちゃったらどうするの!」
「上位ランカーを全滅させた怪物と剣を交えるなんて‼ 何て危険な事を‼」
「……で、倒したのか。凄いなシロカ」
「「カズは黙ってろ」」
「はい」
「今回はたまたま、勝てたから良かったものの、『もしも』があったとしても私らは助けに行く事も出来ないの。分かるでしょう?」
「……ぐう」
ぐうの音も出ない。
てか、イチハさん、素が出ちゃってる。口調が……。
「もうさ、サユリの家族を失わせるような事をしたくないのっ……! 分かって?」
「っ……! すまん」
「……あ。わ、分かればいいんじゃ、そうじゃ。うん」
自分の口調を慌てて戻すイチハ。その光景に不覚にも吹き出してしまう。
横ではカズも一緒に吹き出していた。
「……ちょ‼ 笑うな‼」
イチハが赤面し、激昂する。
(また素が出ちゃってるんだけど……)
イチハから逃げ回っている時にふとサユリに目をやると、サユリも笑っていた。
どうやら機嫌を直してくれたみたいだ。
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(あの階層主を一人で! やっぱ凄いな、救世主君は。最初の階層で人数をかなり減らすつもりであの『ケルベロススネーク』を階層主に置いたんだけどなぁ……。)
このゲームの支配者は笑みを浮かべる。
(全く、君には驚かされたよ。でも、命は大事にね? また忘れられたら寂しいから)
支配者はもの悲しげに小さな溜め息をついた――――。




