一階層
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「無理だ! 俺達は確実に殺される!」
「その前に救世主の『シロカ』って誰だよ?」
そんな言葉を耳にしつつ大きな溜め息をつく。
「イヤイヤ、なんで? 何で初心者なのに此処に残ってんのかわかんねえし、救世主って変な期待されて前に出されて死ぬだけだって! しかも最後の話のクリアしたっていう双剣王に任せればいいじゃん」
しかし、最後の双剣王の話は少し気掛かりだった。
俺を救世主だとか言って姿を消した後ボイスメッセージでクリアした人間が一人いる事と、その人物がログインしていること、その人物は一時期『双剣王』と称されていた事を伝えられた。
その時、双剣王というワードを聞いたとき何かを思い出しかけたけれど、忘れてしまった。
「まあ、確かにお兄ちゃんが救世主ってのはちょっとねぇ……」
「うん」
「だって、シロカの加護は、複製【コピー】だし」
「そうだよな、ほんっと勘弁願いたいぜ」
「おおおおい! 皆聞けええええ!」
突如、思わず耳をふさぎたくなるような怒号が轟いた。
皆が一斉にある場所に注目する。
「俺はランキング26位のカイルだ! 時間がないから今から迷宮一階層の攻略に入る! 攻略成功率を上げるためについてきてもらえると有難い! 頼む」
「お兄ちゃん、一階層行ってみる?」
「行こうぜシロカ。生きる道はもうこれしか残ってないんだ」
「そうじゃ、シロカ。逃げても無駄じゃぞ」
「わ、悪りぃ。勘弁して」
いやいや。俺武器もないのにどう戦えと? 先ず俺は武器調達が最優先だっつの!
「はあぁ、私が武器買ってあげるわよ」
何こいつ。心でもお読みになるんですか?
「あ、うん。ありがと」
なんか、妹に養ってもらってる俺ってとても情けない……。
俺のせいで一階層攻略の前に武器を調達する事になった。
Δ Δ Δ
「なんか、いい武器っていうか、扱いやすい武器はないのか?」
「うーん、人によるかな?」
「そうじゃな、サユリは直剣、カズは、大剣。私は杖じゃ」
「人それぞれってことか」
「そうじゃ」
「どんな武器があるのか教えてくれよ」
サユリが、無言で立ち上がり暫くしてカタログを持って戻ってきた。
「これが一覧。直剣、大剣、杖、アックス、メイス、ダガー、ダブルブレード、ハンマー、弓、槍。結構種類あるね」
「確かにな、で? 防具は?」
「このゲームは防具ってのはねえんだよ。あったら多分もっとクリアしてるんじゃないか?」
なるほど、防具という概念がないから、結構難しいゲーム内容になっているわけか。
「ゆっくり、考えて選びな。もう今頃一階層も攻略してるだろうし」
「うーん、じゃあ直剣でいいや」
「え!?」
「早くね?」
「元来こういう性格だろ? 俺は」
昔のことあんま覚えてないけど。
「そういや、そうだな」
「じゃが、この中には沢山の直剣があるぞ? 切れ味とか重さとか……」
「いや、これが良い」
俺の視界に入ったのは白銀の刀身をもつ直剣だった。
「むぅ、それで良いのお兄ちゃん?」
少し不服そうなサユリを見てもう一度考えてみたがやはり、考えは変わらない。
「ごめんな。これが一番好きなんだ」
「まあ、そういうなら……」
渋々といった様子でサユリが会計を終える。
「これも誕生日プレゼントね」
「すまん、有難う」
「さあ、そろそろ、二階層へ攻略が始まっているじゃろう。次は参加するぞい」
「そうだな。久々にこのパーティーで攻略に行けるな」
「そうだね、最近イチハちゃんと都合が合わなかったもんね」
そんな会話が遠くに聞こえるほど俺は白銀の直剣に見入っていた。
……マジでかっけえええ!
一日中見ても飽きないくらい。なんでこんなに惹かれるのだろう。これがゲームの中なのに。
「お兄ちゃん、相当気に入ってるみたいだね?」
「うん、ちょっと引く位、真剣にみてるね」
「少し怖いのう」
「ん? 何か通知が」
「私のところにも」
「っ……!?」
「嘘でしょ!? 一階層に攻略に行った人達が全滅?」
全滅…………!?
ゲーム終了まであと51日。
攻略領域 0。
脱落者 18名




