告白
更新遅れてしまい、本当にすいません。
ホワイトクリスマス。
白い雪がハラハラと舞い散る中、ダンスを踊りながら観客の前を行進していく可愛らしいキャラクター達。
月は出ていないからか、ライトアップされた通路がよりいっそう目立った。大音量で流れる音楽が耳に入らないくらい、緊張している。
隣に並ぶ綾音の横顔を盗み見る。その顔は、温度のせいか、少し赤くなっているのが分かった。その横顔は、俺がずっと見てきた顔で、絶対に忘れる事のない顔だ。
綾音は成長していると言うだろうけれども、俺からすれば全然成長してなかった。背も伸びて声も少し変わった。確かに身体的には成長してるけど、心の話だ。いつまでも優しく、強い。「全然成長してなかった」と言うのは皮肉でも何でもない。良さが失われていないという称賛なのだ。そんな横顔をいつまでも見ていたい。そんな風にも思った。
綾音から視線を切り、今度は真っ黒い空を見上げる。
なんとなく、いや。
心の逃げなのかもしれないが。
俺は告白をするに至って少し告白する意味について考えてみた。
告白とはマーキング。
自分のものであるという主張だろうか。独占欲が強い人が言いそうなことだが。
そもそも、友達以上恋人未満。と言う言葉があるように、友達と恋人は親密度のレベルが一次元異なっているのが分かる。お互いが友達以上の存在であると認知し信じ合ったもの同士が恋人となるのだろうか。
「……ははは」
それくらいわかってるだろ。自分を叱責する。
「どしたの?」
横で綾音が笑顔で聞いてくる。頭には雪が乗っかっていて、ところどころ白くなっていた。
こっちの気も知らずに「手が冷えるよー」なんて言って手をさする。
――――好きだから。いつまでも、そばにいてほしいから。
――――一緒に笑っていたいから。同じ記憶を共有し、いつか楽しかった中学の思い出として、思い返して。そんな日の俺のとなりには綾音がいてほしいから。
――だから。だから。
綾音の手を握る。言ってた通り、とても冷えている手を。
「えぇ? どしたの」
この騒がしがった世界がから音が消える。時間が止まったとさえ思ってしまう。しかし、俺の鼓動だけが、時間は流れていると訴えかけていた。
「好きだ」
「っ…………!?」
反応がなにもないので聞こえてないのかと、こちらも焦る。もう一度伝えなおさなくてはいけない。
「すき――――ング」
「聞こ……え、たからっ!」
俺の口を右手で塞ぎ、左手で自らの鼻に人差し指を立てる。いわゆる「しずかに」のポーズ。
そのしぐさにドキッとしてしまう。
よくよく見ると、綾音の顔は真っ赤だった。びっくりするくらい。
「ちょっと……移動しよ?」
****
パレードから少し離れた場所に位置する。観覧車の中。俺の隣に綾音が座る。
「……」
「……」
そろそろ、俺が口を開こうとした時、ちょうどその時に綾音が口を開いた。
「いつから? 私を……ほら、その、あれ」
「ああ、んんと……中学入ってぐらいかな? そっからはずっと好きって言いたかったけど、機会と勇気がなくてな……」
照れくさいが正直に言う。そんな俺を見て綾音は何か満足げに「そっか」と呟いた。
そして今度は綾音が満面の笑みでこういった。
「私は……ずっと好きだった」
綾音が俺に抱きついてくる。
「やっと…………!!、やっと、!かなっ、、たっ!!」
嗚咽混じりの声で、泣きながら俺の胸に抱きついてくるのは何年ぶりか。小学生? 多分そんくらい前。ワルガキ達に泣かされたときだったか? くそ。あんま思い出せない。
綾音の髪からはシャンプーの香りがした。その香りが鼻を擽る。
「これからもお願いします……」
そう聞いた時、何故か涙が溢れた。
これからも。
この言葉が意味するのは高校に入ってからも、ということだ。また、笑い合うことが出来る。新しい思い出を作ることが出来る。これで終りじゃない。
これは新しい始まりだ。新しいスタート。今日が忘れられない日になる。
観覧車からおりて、パレードへの戻り道。
「ねぇ」
「ああ」
綾音の手を握る。全然冷たくなかった。
「あったかい」
そう、あったかいのだ。1人より2人。
温かいことに変わりはない。
✽✽✽
パレードヘ戻ると、ショーはもう終わっていて、三人が俺等を探していた。
「どこにいたのよ!? はぐれないでってあれほど……!」
「まぁまぁ。いいじゃろ別に」
無事に俺の告白も成功し、皆で遊園地に出掛けて、楽しい一日だった。帰ってすぐ寝て、明日の朝にはプレゼントが置いてあることだろう。
そんな楽しみに思いを馳せる中、綾音の端末から通知音が鳴り響く。
もう少しだけ、お付き合い下さい!




