終戦
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そして投稿遅れてしまって申し訳ありません。
「無茶苦茶だろ…………!」
「そうだお。無茶苦茶さ。反応速度も、対応速度も全部がね」
一瞬で数体の分身がやられたことに驚きの色を浮かべる。
「もう勝負は決まってしまった。これでは勝てないよ、テスタ」
そう言いながら、どこから取り出したのか斧を入り口に向かって投擲する。斧は物凄いスピードで飛んでいき、入り口で隠れて様子を見ていたプレイヤーの頭蓋に突き刺さり、粉砕した。
一切の断末魔を上げることなくプレイヤーは散り。イブは何も無かったようにこちらに向き直る。
「今は正真正銘、俺が最強だお!!!!」
「そいつはどうかな。やってみなきゃわかんねぇだろ」
「「「「『神速』」」」」
テスタの分身達が高速で動き回る。もはや人が目で追う事などかなわない数の高速移動。
「意味ないお? そんなに動き回ったところで。私に斬りかかって来たやつから叩き斬る。しかも――――」
「スキル。『真実の瞬き』」
イブは『真実の瞬き』を発動する。すると数秒、本物以外の分身が消える。そして透明マントで隠れていたテスタ本体を見つけ出す。
「5秒あればかたがつく、いや、あまりがくる」
イブは自身の加護を使い、穴を通ってテスタに肉薄する。
「………………」
イブがテスタに迫っているときに、テスタは黒い双剣を作り直して、一振りの日本刀を創製する。光沢を放ち、白と赤が混じり合ったような不思議な色と模様をしている。それを腰にあてがい、一息。
「【空無】」
イブとテスタが交差する。不自然に宙に浮いたイブの右腕を残して。
「痛えだろ? この技をイブ、お前が知らないわけないよな?」
「いやいやいや、忘れていたお。すっかり。そう言えばテスタ、君は唯一スキルマジックをクリアしているプレイヤーだったんだよね。その能力は、クリアした者が得ることのできる斬撃系のスキルだったね」
「痛いな…………これは」
「これで終わらせてもらうぜ」
創り出した剣を一斉投射。と、同時にテスタ自身は神速を使い、イブに迫る。イブは剣を全て叩き落とした後、自身の剣を宙に放り、腰のポーチから斧を取出しテスタに投擲する。投擲したと同時に宙に放った剣を掴み真横に一閃。
すべての剣を叩き落とされると同時に斧が物凄い速度で飛んでくる。それを弾き、なお加速する。渾身の力を込めて剣を握り、そして真横に一閃。
お互いの剣は交錯することなく互いの首に向かっていった。
そして、そして――――。互いの首をなぞって運動を終える。
「浅いお」
「そうみたいだな」
「でもよ。わざわざ正々堂々戦う必要なんて無かったんじゃねぇか? お前はオートモードで戦っているし、そんなのずるいだろ」
「?…………何を言って………………」
「――――――――――創製スキル『不公平な力量差』」
「何なんだよ!!! このスキルはっ…………!」
イブが右手に持っていた剣を落とす。それは剣の重さ故。
「どうなっている……!! 何で急に剣が重く!?」
「剣は何も変わってはいない。変わったのはお前だ」
何かに気づいたのか、おもむろにステータスを確認する。
「Lv.1だと!? ど、ど、どうして!!」
「俺の創製で創り出した新種のスキル。能力は『5分間相手をLv.1に戻す』だ。お前は使えるスキルだって限られてくるし、パワーもない。もう勝負は見えたよ」
「そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そんな、そん…………なっ! ずるいだろぉがぁっ!」
イブが、激昂する。しかしテスタは歩みを止めない。
「…………」
「クソがっ!クソクソクソクソクソっ!」
テスタが剣を振り上げる。
「ずりぃーんだよ! お前は! 近くに全てがある! 俺はどうだ!? 何も無い! 惨めだ!! お前みたいなやつを見てるとそれをぶち壊したくなるんだよ!! 優しい後輩! 支えてくれる妹! 幼馴染! そしていつも見守ってくれていた彼女!! 幸福過ぎねぇか? おい!!!!!」
「 !」
俺の脳内で何が割れた。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!? 」




