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SKILLmagic  作者: もののべ
32/46

最強の代償

更新遅れてしまって本当に、本当に申し訳ありません!

もうすぐでこの小説も完結です。

こんな不定期で申し訳ない限りですが、最後までお付き合い頂けると幸いです。

『ねぇ、ねぇってば』


「なんだよ? また出てきたな」


『五年も一人だと寂しいんだよ』


「なら、丁度良いや。なぁ対価ってなんなんだ? 俺の宝物ってなんなんだ?」


『教えない。じき分かる事だし。そろそろ私と会えるかもね』






「………………はぁ」


 今回は短かったな。

 さて、ここは……。ああ、いつもの宿屋か。


「お兄ちゃん…………」


「あ――――、あれ?」

 

 おかしい。なんで俺の正体がバレてるの? でも普通に考えて見ると新しいデータが俺って言うより、シロカに戻ってる。って考えたほうが自然じゃないか。


「なぁ、サユリ。今俺って、シロカだよな?」


「うん、そうだけど……、何で?」


 やはりか。気を失ってからどうやってかは知る由もないけれど、この宿屋に戻ってきてデータが戻ったのだろう。


「ああ、あの…………」


 何でと聞かれて直ぐに答えてしまいそうになり、それをぐっと堪える。あのスーツの男との約束を思い出したから。


 ――――――データの正体が貴方と露見してはいけません。その時はそのデータは使えなくなると思っていてください。


「なんとなく」


「なぁイチハ、サユリ。あいつは?」


 二人とも黙って目を伏せる。は? おいおい、そんな顔すんなよ。まるで――――――まるで、ゲームオーバーになっているみたいじゃないか。


「詳しく話せ」


「……うん」


 それから小一時間、サユリとイチハから詳しく14階層の話を聞いた。カズがサユリを庇ってゲームオーバーになったこと、ランク1位の無敗の双剣王に助けられた事等。しかしそこまで詳しく聞くと疑問を覚える点がある。


「なぁ、その無敗の双剣王はカズがゲームオーバーになったところを見ていたのか?」


「うん、()()()()()()()()()()。私を助けてくれたんだから…………それなりに……近くに、いたはずだから」

 

 おいおい。じゃあ、なんで――――、()()()()()()()()()()()()()()?() 確かに、少し意識を失っていたがテスタのデータに変わった時にはちゃんと意識があった。なのに――――なぜ……?

 


「分かった。もう分かったから、泣くな? あとこれからダンジョンに行くときは絶対俺も連れてけよ?」


 サユリは泣きながら首を縦に振った。言質はとった。


「少し休む」


 とっとと終わらせよう。こんなゲーム。

 そして、誰も泣かなくてもいい世界に戻るんだ。






変更(データトランス)


 テスタのデータになり、無色透明の催眠ガスを創り出す。

 

 そう――――――テスタの加護は『創製』。


 万物を創り出す能力。すなわち最強の能力だ。


 二人とも寝静まったところで俺はダンジョンへ向かった。






       ✽   ✽    ✽    ✽





「ふぅ…………」


 圧倒的。もう二階層も突破してしまった。

 あのベイリンを凌駕するボスモンスターであるのにも関わらず、ノーダメージでクリアしてしまった。

 



 ――――さて、後二階層は上がれそうだな。


 






 ――――17階層。ボス部屋。


「…………」


『クロロロロロロロ………………!!』


 

 17階層のボスは、『飲み込む者』。タコのようなモンスター。触手が無数にあり、そこから繰り出される攻撃は多彩で強力。しかし、()()()()()()()()()()()

 他の触手を躱しながら、一つの触手を斬り落とす。しかし一秒とたたず、それは再生する。


 この――――『飲み込む者』の一番の特徴は全ての触手を同時に落とさないと、永遠に再生し続ける事だ。

 しかし、パーティーで挑むこのゲームゲーム(VRMMORPG)には本当にぴったりなボスと言える。 



 俺は数十本の――――黒く、黒い、大剣を創り出す。剣の柄まで真っ黒に染まっている。

 


「潰せ」


 直後、剣が全ての触手を斬り落とす。


『ロ………………!!』


『飲み込む者』の触手攻撃は封じた。もうここまでくれば、勝利も同然だ。


「これで4階層突破か」


 あ? あれ? 4階層? 俺は……さっきの『飲み込む者』の前に倒したボスはどんな奴だったっけ。


 ()()()()()()()()()



 そうか、そうだったんだ。俺は――――――――。俺は…………。

 ()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()。これが俺の対価。最強の対価。俺の宝物(記憶)


 

 

 

「やぁ、テスタ?」



 頭上で声がかかる。声で分かる。俺達をこのゲームに閉じ込めた張本人。

 

「イブ…………!!!」


「あれ? まだ僕の事は思い出してないの?」


「は? 何を言って――――」

 


 イブは少し面白くなさそうに舌打ちした。


「まぁ、いいお。このままだと普通に僕のところまで1日とかからずついちゃうから。ここで、始末させてもらうお」


 そう言いイブは、剣を抜いた。

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