新たなデータ
5900PV、ユニーク1800突破!!ありがとうございますm(_ _)m
「皆何処にいるんだ?」
辺りを見回すも人一人いない。
何処だ? もう誰も失いたくないんだよ、俺は……!
「は? ここは……!」
そこはモンスターがうじゃうじゃいた。数体ではない。数十体レベルだった。
くそっ……。【サウンド】を使っとけば良かった……。
一匹のモンスターがこちらに気づいた。名前は……どうやらレイバードと言うらしい。ダチョウのような風貌のそいつが鳴き出した。
『ギエエエエ! クエエエエ!』
「おいおい、マジかよ!」
その鳴き声に反応したモンスターが俺を見つけ、襲いかかってくる。
「やるしか……ないのか!」
「コピー……ペースト!!」
右手に持っている『紫電』をコピーし、真っ向から立ち向かう。
『ディフェンダー・ガー』と言う名前のワニのようなモンスターを斬りつけると、火花を散らしただけで特にダメージらしきダメージは入っていない。
「…………!? 硬っ!!」
手がジンジンする。
手をワナワナさせていると、先程のレイバードが飛び蹴りをしてきた。不意をつかれ横腹に思い切りヒットしてしまい地面を転がる。
「ぐっふ!……」
そ、そうだ……。想像複製で!
「想像複製」
イメージするのはカズの能力。
パリパリ、とコピーを始めたかと思ったらパチンッとコピーが切れた。
「は? なんっ――――!」
今度はディフェンダー・ガーのタックルをもろに喰らってしまう。
なんで……! なんで出来ないんだよ!?
ピエロ戦で出来た想像複製が出来なくなっている?
「イメージ……! ガッ…………!!」
『マテリアルコング』の拳を剣で受け止めたものの、バランスを崩し再び地面を転がる。
「……コピー……! イメージ……だ!」
強く! もっと強く!! イメージするんだ!!
「よっしゃあ! 出来た!!」
イメージコピーしたイチハの能力を使用する。
「熱線」
マテリアルコングの胸部に大穴が空く。
「はぁ……!出来てよかった」
前転回避を行い、距離をとって剣を構え直す。
…………行くぞ!!
地面を思い切り踏み込み、同時に『加速』を発動する。
スピードにものを言わせ、モンスターを斬り伏せる。しかし、この速さに対応してくるモンスターなんぞ10階層も上がれば五万といる。
虎の見た目のモンスターに横にはたき飛ばされる。
「がっ……! う……」
すぐに起き上がる。目の前にはすでに迫っている2体目のマテリアルコングの巨大な拳。
おいおい。こんなに通じないもんなのかよ?
「………おおおおお!!」
無意識に『乱舞』を発動したが、『乱舞』を受けてなおその拳は速度を落とす事なく腹部にめり込んだ。
「っぐぁは! ……!! ――――唸れ【紫電】」
地面を転がりながら詠唱を行う。マテリアルコングに紫の雷が襲うがダメージがあまり入った様子はない。壁にぶつかりなんとか静止したが、虎のモンスター『バトルタイガー』がのしかかって鋭利な爪で俺を切り裂かんとする。
――――――貴方は誰も守れない。あの声を思い出す。その通りの現実。大切なものを失った悲しみ。自身の無力を痛感する。
俺のHPは赤に突入した。
ちくしょう! ちくしょう! ちくしょおおおおお!!!
『ゴオオオアアアアア!!!』
正面の虎――――(バトルタイガー)が後ろを振り返って威嚇を行った。
う、後ろに何が?
なんとか虎の足を退かそうとした時、虎が真っ二つに割れた。
俺は何もやってない。と、言う事は虎の後ろの何者かが倒してくれた。
俺は起き上がり、礼を言おうとしたとき俺は固まった。
「……………………」
「……………………」
お互い固まる。俺の背後にいたのは兎のお面を被った筋骨隆々のプレイヤー。ゲーム内だと言うのにスーツを着ておりより不気味。
「なぁ、兄ちゃんよ」
「?」
あれ? さっきまで沢山いたモンスター達は?
「取引をしようか」
「と、取引?」
「そう、取引。君の何か……そうだね。君自身が君自身の為に『大事に守っているもの』と、君が昔使っていたデータ。つまり今の君にとっては『力』のトレードだ。どうだい?」
「あれか? 俺のデータⅠに何故か入っていた奴の事?」
「そうそう!」
「そのデータが今より弱いかもしれないですよね」
「だから、二つのデータを使えるようにしてあげるって言ってんでしょ?」
「代償は?」
「言った通りだよ。君自身が君自身の為に『大事に守っているもの』だよ」
「それはなんなんだっ!?」
「教えない。断って貰って全然結構。だけど――――――」
「いいよ。それで。今は『力』があるなら、『手段』があるなら使わない手はない。俺には守らなきゃいけない奴がいるんだ」
「成立ね」
「ああ。でも、1つ質問良いか? 元のデータは1000位以内だったんだよな?」
「うん」
「じゃあ、新たなデータにシフトするね」
「ああ」
次の瞬間、俺の意識は暗転した。
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