遊園地Ⅱ
本当に申し訳ありません!テストやら、部活やら体調崩すやらで約1ヶ月も投稿することができませんでした。
今日からまた再開していくのでよろしくお願いしますm(__)m
怖い。恐い。怖いイイイイイイ!
私、白井裕翔は、落下しています。
数年前、俺は沙織と遊園地に来たことがあるのだ。そのとき乗ったジェットコースターがトラウマでもう乗らないと決めていたのだけれど。
くそ、あいつ等はめやがった。二人はコーヒーカップとかおとなしめのアトラクションに最初わざとのって、俺を油断させてジェットコースターに誘導しやがった。
次も大丈夫だろう。という心理が働いて乗せられてしまったが……怖すぎる! 基本、現実のアトラクションは振り落とされないだとか、安全面に至上の配慮を行い建造する。しかし、VRではそんな心配はないので、超高速の恐怖マシーンが誕生するというわけだ。
「アッッッッバババババババ!!!!」
急降下した瞬間、入水。多量の水が口に入ってくる。助けて。
「わ~!!」
「ひゃっほい~!!」
楽しそうですね。
背後から聞こえてくる妹と後輩の声にげんなりする。
でも二人が楽しんでいるなら、俺の犠牲も安いもんだ。
ゴトンッッ‼ と音を立ててコースターが加速しながら急降下。
前言撤回。やっぱ無理。
〇〇〇〇
「はぁ……! はぁ……」
「先輩、死にそうな顔してますよ?」
「誰のせいだ。誰の。おかげで吐きそうだぞ」
「まぁまぁ、これどうぞ」
そういって、ミキが水を差し出してくる。
「サンキュ」
それを受け取り、口に含む。ああああ。なんかすごい心地良い。そう思いつつも、心は何故か晴れない。
「……なぁ、ミキ。VRに閉じ込められてから何日たった?」
「ん~、3日ですね」
「つまり、今日は7月14日。そしてリミットが8月31日、約1ヶ月と2週間。仮にクリアしても、解放されるかどうかはわからない。これは――」
「――――でも」
ミキが口を開いたことで自信のなくなった自分の口が自然に閉口する。
「あるんですよ。可能性が。元に戻れる可能性が。それに賭けるしかないんです。皆戻るために戦ってます。悲観的になっても仕方ないです。だから、頑張りましょう」
「……そうだな」
「でも、今は休憩です。先輩、少し私と遊びませんか?」
「…………ああ。なんか悪いなミキ」
「いえいえ」
〇〇〇
「そういや、あいつは?」
「あ、なんかカズさんと、イチハちゃんのとこに行くって」
「ふーん」
「と言うか、カズさんって高校のお友達ですか?」
「え…………?」
「あ! 先輩、これしてみましょうよ!」
「ん? あ、おお」
今、何か…………。ま、いっか。
「『ガンシューティング』ですって」
「へぇー、面白そうだな」
「やっぱ、先輩記憶なくしちゃったんですね。前の先輩なら『お前、キルレいくつだったっけ?』って言ってたのに」
「昔は昔。今は今、今の俺ならこう言うぜ? 『銃を抜きな。どっちが強いか試してみようぜ』ってな」
「フフフ……。受けて立ちましょう! その挑戦!!」
〇〇〇
「これ、1on1が出来るみたいですよ?」
「よっしゃ、それやろうぜ」
「そうだ先輩、負けた方が勝った方の言うことを聞くってどうですか?」
「いいのか? 後悔するぞ?」
「言ってくれますね」
『READY!』
と、文字が表示され、どこかの市街地に転送される。剣は転送されてないのか、なにもエモノを持ってない状態だ。
青白く透明の3Dの液晶が浮かび上がってきた。『武器選択』と表示されている。
武器がとてもファンシーで子供でも取っ付きやすい工夫がされていた。それはいいんだけど、さっぱりわからん。
そう悩んでいる間にもゲーム開始までの時間は刻一刻と迫っていた。
「わっかんね! もう、取り敢えずこれ!?」
選んだ武器の名前はUZI。
小型で水玉模様のついた白色の銃。
「よくわかんないけど、始めるか」
カウントがゼロになり、『GO!』と表示される。
ババババッッ。その場で試し撃ち。
良いじゃん。
取り敢えず、様子を見るために近くのマンションの一室に入る。
―――――【サウンド】。
スキルを使い索敵する。しかし近くにミキはいないようだ。窓から外を見張り、万が一中に入ってきたとしても簡単には場所を悟られないトイレに身を隠す。
今の俺の所持品はグレネードが二つ。スモーク缶が二つ。そしてサブ武器のスナイパーライフル、BALLET。
弾薬はたくさん落ちているが、グレネードや、スモーク缶は落ちていない。つまり、弾薬は補給できるけどグレネードとかは二回きり。
慎重に使わないと。
「おいおい、大胆だな」
ミキが姿を現した。このマンションから見える小さな公園だ。不意打ちを警戒することもなく堂々と歩いてくる。
「まだこっちには気づいてない……か。なら決めさせてもらうぜ」
武器を変更。スナイパーライフルにして、ミキを狙う。
「悪いなミキ」
標準をあわせ、引き金を引いた。
巻き上がる土煙。
「当たってない⁉ 馬鹿な」
ミキは立っていた。弾丸はかすってすらいない。土煙に揺れるミキの目は深紅に染まっていた。
「先輩、みっけ」
そしてうっすらと笑った。
「カッワイ……! コッワ!」
可愛怖とはまさにこのこと。
ミキが加速する。
位置がばれた! なら……!
「その前に倒す!」
窓からスモーク缶をほおる。
ミキが煙の中に入ったのを確認して、グレネードを2つ煙の中に投げ入れる。
「当たりませんよ」
2つとも投げ返される。煙が功を奏して俺がいる一階下で爆発を起こす。
「危ない、危ない」
もう一度スモーク缶を投げ、その上からウージーを乱射する。
すると今度は回避するべく煙のなかから早々に離脱して俺の斜線から逃れんとしてきた。弾を撃ち終わり、リロードしているときにミキはこのマンションに入ってきた。
カンカンッ。と、階段を上がって来る音が聞こえてくる。
今度はコツコツ、俺の部屋の前で立ち止まる。
「入れないだろ?」
「はい。これは相当厄介ですね」
「ミキの加護は【未来予知】だな?」
「あ、バレてました?」
「泥人形のときも、未来が見えていたんだろ?」
「そうです、そうです。でも未来を見るか否かは任意なので普段は疲れるから見てないんですけどね」
「はぁ……。これは困りましたね、まさかこんなにグレネードを所持品してるなんて」
そう。ミキが踏み込めないのは室内にある複製したグレネードの数。百は下らない。
こんな数のグレネードを起爆すればこのマンションは吹き飛ぶ。
「一緒に死ぬか? ミキ」
「それはゴメンですね」
ミキが2発銃を発泡。それは扉ごしでも正確に俺の腕に命中した。それと同時に入室してくる。
「ぐっ……!」
「終わりです」
突きつけられる銃。俺は勝利の笑みを浮かべた。
「とっておき檸檬のプレゼントだ」
マンションが崩壊するほどの爆発が巻き起こった。




