後輩
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「こんにちは!」
明るい女性の声がする。
「なんだよ。〇〇〇〇」
今、何て言ったんだ? 全然聞き取れなかった。
「裕翔先輩はいっつも、そんな感じで私にはかまってくれない~」
「私にはって、俺は皆平等にだな……」
「私、嘘つきさんは嫌いなんですよ? 〇〇先輩はどうなんですか? 〇〇〇〇先輩は?」
「…………」
「あー‼ 逃げた!」
俺の見ていた景色に霞がかかり、何処かぼんやりした気分になる。
『悲しいな。悲しいな。何にも覚えてないんだもん。やっぱり裕翔は悪い子ね?』
またあの声だ。ジリジリと心が焼けているような感覚が脳を支配する。目が回り、その場にへたりこむ。『悲しいな。悲しいな』と、独りごちるナニカは俺に詰めよってきて、耳元でささやいた。
『貴方の命は一つじゃないのよ? 貴方は気づく。もうじきね? でも、それは悪魔の交換。最強を得る代わりに、大切なものを失うわ。悲しいな。悲しいな…………』
「ど、どういうことだよっ?」
ナニカはそれ以上なにも語らぬまま、そこにただ立っているだけだった――。
***
「うあっ……!」
目を開けると、皆が心配そうにこちらを見つめていた。
「うなされてたの? お兄ちゃん」
「おいおい、大丈夫かよ」
「あ、ああ。大丈夫だ」
あの夢に出てきた人は誰だ? 悪魔の交換? どういうことだ。
「裕翔先輩? 大丈夫ですか?」
「ああ。大丈夫だ、翠咲」
皆心配しているみたいだ。う~ん、申し訳ないな。
「え、え?」
困惑の表情を浮かべるミキ。そして、俺も気づく。
「あ、あれ? ミキだよね? あ、あれ。リアルの名前あってる?」
何で俺はこの女性の名前を知ってんだ。
「は、はい。合ってますけど……」
「んん? 俺とどっかであったことある?」
「私は、裕翔先輩が入部していた読書部の後輩だったんですよ? 先輩が記憶喪失なのは沙織から聞いてましたが、私のことは、覚えていてほしかったですよ。ひどいですっ」
プクーと頬を膨らます翠咲こと、ミキ。ミキは、妹の沙織と同級生だと言う。しかも、ミキが言っていた強いパーティーに入っていた。というのは、サユリ達の事らしい。二人は仲が良く、結構家に遊びに来ていたらしいんだけど。う~ん、やっぱり覚えてない。
「ミキは俺の後輩だったんだ。……ごめん、思い出せない」
「いいんですよ、先輩は悪くありませんし。不可抗力ってやつです」
「それ、ボス部屋でも言っていたよな」
その言葉を聞いて、何を思い出したのかミキは少し意地悪い笑みを浮かべ沙織こと、サユリに目をやり、飛んでもないことを口にした。
「別に、中学の頃の記憶がなくても私と先輩の仲はとんでもなく進んだんですよ? ね、先輩?」
「え? なんのこと?」
「いや~、あれですよ。私のゴニョゴニョも触られちゃいましたし。ってことです!」
少し頬を朱に染めて、しりすぼみになるミキの言葉を聞いて、慌てて静止させる。
「ちょっ!? 胸を触っちゃったのはわざとじゃ……!」
ヘイヘイ、俺よ。自分で自分の首を絞めてどうする?
「あららら……。許されぬ行為じゃのうぅ……」
「この変態馬鹿兄は、一度死なないと反省しないみたいね」
「おい‼ 待ってくれ! 言い訳を……聞いて……下さい」
「一回、半殺しにしないとだね」
「カズっ!? お前まで‼」
ここにいたら、確実に半殺し以上死以下の刑罰が待っている。
「ミキ。本当にごめん!」
土下座をした後に即効で宿屋を飛び出る。
背後から強烈な殺気を感じた。
くそぉぉ。カズなら味方してくれると思ったのに。
逃げる俺の右腕をなにかが斬り落とした。
カズの刃。それに続いて左手の手のひらに穴が開く。イチハの熱戦。
えええええええええ!!? 待って待って待って下さい! 死んじゃうんだけど!?
俺はこれまでにないほど全力で地を蹴った。
命懸けの鬼ごっこの火蓋が落とされる。
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