現状と誘い
700pv突破しました❗有難うございます!
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
取り敢えず、今後二度と無茶しないという約束をし、なんとか解放された。
「と、言ってたのになぁ……」
解放されたというのに後ろにはカズがくっついて来ている。
(信用、されてないな……。確実に)
本来は少しボス部屋を見て帰るつもりだったのだが、まさか扉が閉まるとは思ってもみなかった。そのお陰でこんな羽目になっていると考えると支配者が憎たらしく思えてきた。
それだけでない。現在、たくさんのランカー達の視線の的になってるのが嫌で嫌でしょうがない。
支配者が俺を「救世主」と言ってから二日と経たない内にこれだ。 周りの視線が集まるのも無理はないと思うが、やっぱり何気恥ずかしいものを感じる。
「なあ、カズ。二階層行ってみないか?」
「え? おいおい、今日やらかしたのにまた同じことすんのかよ?」
「い、いや、なるべく静かにしときたいけど俺達には時間がないんだぞ? それなら俺達も攻略に参加しねえと……」
「まあ、わからんでもないんだけどな。その気持ちは」
「そういえば、この迷宮塔って何階層まであるんだ?」
こればかりは知っておかないと本当に厄介だ。
見ると、カズは少し驚いたような表情を浮かべたあと、顔をしかめた。
「確かに聞いてないな。でも多分三十階層位だろ」
「前のスキルマジックは何階層だったんだ?」
「……七十階層」
「おい、冗談だろ……」
――ピロピロピロ……。
「?」
「スキルマジックのマスターコメントだな」
『皆さんどうも。イブです。前回の説明で言い忘れた重大事項があります。この新たなスキルマジックは25階層で全クリとなっています――』
マスターコメント欄を見てみると、イブからのメッセージが一件入っており、25階層までで全クリということがわかった。つまり大体2日に1階層を攻略していけば期限に間に合うという計算だ。
(案外楽勝なんじゃ……?)
しかし、となりにいるカズの表情は優れない。
「どうした?」
「これは……相当やべぇ」
「ど、どういうことだよっ?」
「数年経って、現在まで一人にしか攻略されてない前回のスキルマジック。この意味がわかるか? 結論から言ってしまうと2日で1階層、これは相当ハードだ。しかも、言いたくはないがこれからのバトルで何人ゲームオーバーになるか分からない、これが現状だ」
「そうなのか……」
更に追い討ちをかけるようにカズは口を動かした。
「それだけじゃない、『迷宮塔』は1階層毎に迷宮が広くなっていくシステムなんだ。のちにボス部屋を見つけるだけで、2日経つかもしれねえ」
「……」
「……あのぉ~、すいません~」
突如として後ろで声をかけられる。
「はい?」
振り返ると、少女が一人後ろでにこやかな笑みを浮かべている。その少女は幼さの残る童顔で、光沢のある茶色の髪を二つ結びにしている。鮮やかなエメラルドの瞳。リアルは見ていないが、きっと可愛らしい少女なのだろう。
「今朝のテレビに出てた、シロカさんですよね? 私、ミキって言います! お願いがあるんですけどぉ――」
「?」
「私と2階層に行ってくれませんか?」




