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天高く翔ぶ鶴は海をゆく   作者: ゆうすけ
8/10

珊瑚海の死闘5

1942年5月9日 1600

珊瑚海 南西部

USSレキシントン

レキシントンの艦内は修羅場と化していた。日本機の攻撃の修復はある程度終わっていたものの帰還した機体や出撃予定の機体の整備に皆、奔走していた。

そこに燃料の臭いが充満していてもその状況では気にするものなどいなかった。


レキシントン後方 海中

IJN伊21潜

伊21は哨戒中に第六艦隊の命令を受け米空母の捜索を行っていた。そして数時間まえ、多数の推進音を探知した伊21は今、米空母を発見した。

「いいぞ、水測。あれは敵だ。しかも空母だ…」

潜望鏡を覗く艦長、松村寛治中佐は水測員たちを押し殺した声で褒めた。

「魚雷発射用意、目標敵空母。発射弾数4本。はずすなよ。」

「用意よし。」

水雷長はすでに用意していたようだ。松村は笑みを返し、潜望鏡に向き直す。

「撃て!」

伊21の4門の発射管から4本の95式魚雷が放たれた。


USSヨークタウン

「敵空母にダメージを与えられたのか!」

フレッチャーは歓喜にあふれた声で言った。

「はい、間違いありません。敵空母の飛行甲板に命中弾。敵の航空機運用能力を奪いました。前衛の空母はまだ生きてますが。」

「それは構わん。次で仕留めよう。帰還した機体の修理を急がせろ明日は…」

その声を遮る様にレキシントンの方角から水柱が上がった。

「何があった!」

「雷撃です!レキシントンが被雷しました!」

その間にもレキシントンは炎上を始めていた。

「消火を急がせろ。でないと…」

だがその言葉を発する前にレキシントンは格納庫から破裂するように爆発し、急速に沈没を始めた。


伊21潜 発令所

「敵空母轟沈!」

副長が喜びを隠せない声で言う。艦内にも同様の空気が漂う。

「よし、敵駆逐艦が来るぞ。メインタンク注水、進路250。電池直列、全速前進。」

「了解!」

「水測より艦長、敵駆逐艦2、本艦に向かってきます。」

レキシントン轟沈のすぐ後に駆逐艦モリス、アンダーソンが伊21を捕らえていた。

「くそ、うまくはいかないか。」

伊21は速力を上げたものの、水上艦に比べれば微々たるものであった。

「敵駆逐艦、方位本艦の後方50…敵爆雷投下!」

「衝撃に備え!」

伊21は爆雷の衝撃に耐えながらも逃走を始めていた。

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