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天高く翔ぶ鶴は海をゆく   作者: ゆうすけ
7/10

珊瑚海の死闘4

1942年5月9日 1510

珊瑚海 北西部

IJN蒼龍


「敵機来襲!」

「敵攻撃部隊、一部を除き前衛部隊を突破。本部隊に近づきます。」

「祥鳳より入電、敵機ノ攻撃苛烈。我可能ナ限リ耐久シ二航戦ト共ニアラントス。以上です。」

「伊沢くんは二航戦を最後まで守る気だね。では、我々もそれに答えねばならないな。艦長、回避自由、一発も当てるなよ。」

二航戦司令、山口多門少将は祥鳳からの電文をそう解釈した(事実その通りだが)。

山口は敵の攻撃に備え駆逐隊を一航艦からさらに引き抜いて連れてきておりMO機動部隊本隊参加兵力は

二航戦(蒼龍、飛龍)

第5戦隊(妙高、羽黒)

第8戦隊(利根、筑摩)

第16駆逐隊(天津風、時津風)

第19駆逐隊(綾波、敷波、磯波、浦波)

第27駆逐隊(有明、夕暮、白露、時雨)

の計16隻となっていた。

そして米軍に先手をうっているためいるため被害はまだない。大きなアドバンテージがあった。

すでに外周にいる第27駆逐隊は主砲をはじめとする対空火器を撃ち始めていた。

日米最初の空母戦は第二ラウンドが始まっていた。


MO機動部隊本隊上空

飛龍零戦隊長岡嶋大尉は米攻撃隊の迎撃を行っていた。F4Fの攻撃を巧みによけ新たな敵を見つけた岡嶋はそれに三機の僚機と喰いかかろうとしていた。

「おかしい…雷撃機が少なすぎる。さっきからドーントレスばかりだ…」

戦闘開始から岡嶋が撃墜したのは4機だがそのうち3機はドーントレスであった。(残りは護衛のF4F)

戦果は上げられているものの雷撃機のいないのには不気味さしか感じられなかった。

そう考えている間にもドーントレス下っ腹は照準器の中心に入っていた。

(ともかく敵機を落とすしかないか…!)

だが彼の奮闘いる間に8機のドーントレスが彼の機体の真下を通り過ぎていた。


IJN飛龍

熱田俊夫二等水兵は格納庫内を走っていた。彼の手には25mm機関砲弾が詰まった木箱があった。

彼の仕事は弾薬運搬でありそれはひたすらにきつかった。

戦闘が始まって以来彼は対空機銃座と弾薬庫を行き来していた。

「敵雷撃機、正面!」

「撃て!」

対空機銃はひたすら弾を吐き出しておりそれのために熱田はそれを絶やさぬためにも行き来をしていた。

しかしそれは限界がきており彼は弾薬箱を左舷の機銃座に届けた瞬間に座り込んでしまった。普段なら怒鳴られ殴られる所だがそれを気にするものはいない。皆、飛龍に迫る雷撃機に集中していた。

彼は何気なしに空を見上げた。そして高空にいる青い機体を見つけた。

(おかしいな、迎撃の零戦は白い塗装だったな…ということは!?)

その思考とともにその機体は飛び込んできた。彼は機銃からの轟音に負けない声で叫んだ。

「敵機直上!急降下ああああぁぁぁ!」

その声に気付いた機銃はそこに放たれた。しかしそれは間に合わなかった。

ドーントレスから投下された450Kg爆弾は飛龍の飛行甲板前部に着弾した。

珊瑚海の死闘、まだ続きます。

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