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天高く翔ぶ鶴は海をゆく   作者: ゆうすけ
4/10

珊瑚海の死闘1

1942年5月9日 1125

珊瑚海 北西部

IJN空母祥鳳


空母祥鳳艦長伊澤石之介大佐は自分の望みが叶ったことに満足感を覚えていた。本来ならMO攻略部隊に配置されるはずであった祥鳳は二航戦と合流、その前方20海里に第六戦隊、第七駆逐隊(潮、曙、漣)、第十六駆逐隊(雪風、初風)と共に展開していた。

艦載機も全て艦戦にしてしまった程だ。

(これで二航戦やモレスビー攻略部隊から敵の目はそれる…)

伊澤はそれが狙いであった。そして索敵により見つけた敵攻撃隊は祥鳳を含めたMO機動前衛部隊を狙う進路であった。

「敵機来襲!」

「対空戦闘用意!零戦隊、迎撃急げ!」

「青葉より二航戦へ来援要請が発信。続いて本艦へ通信。可能ナ限リ持久シ、決戦ニ備エヨ。以上です。」

「青葉へ返信、我、可能ナ限リ耐エントス。だ」

そうしてる間にも米軍機は着々と近づいていた。


同時刻

珊瑚海 南西部

USSヨークタウン

攻撃隊は本来ならモレスビーに向かう船団に向けるつもりだった。しかし、船団から空母を含む部隊が分派されたのを昨日の偵察で判明したため、それに攻撃を掛けていた。ツラギでの失敗を空母の撃沈で埋めようとするフィッチャーの狙いがあった。しかし、今朝早くに日本軍の水上機に発見され攻撃を受けていた。

「ジーク、直援隊を撃破!敵攻撃機、向かってきます!」

「対空戦闘用意、回避自由。」

フィッチャーは先制を掛けたつもりであったが日本軍も攻撃隊を放っていた(この段階でまだ米軍は二航戦を発見していなかった。

外縁にいた駆逐艦が射撃を開始する。日本機はそれをただの花火かと思ってるかの様に巧みな回避を行う。鈍重な雷撃機とは思えない動きであった。


飛龍艦攻隊長友永大尉は満足感を覚えていた。この前のインド洋では英国艦隊を相手にしたが、手ごたえが(空母を沈めたとはいえ)感じれなかったため今回のMO作戦に参加できたことは彼の闘志を沸かせた。

彼の期待は七機の僚機と共に空母に狙いを定めた。

「目標、前方のレキシントン級空母!」

「用意良し!いつでもどうぞ!」

「用意…てっ!」

機体に抱かれた魚雷が電気信号により切り離される。重みがなくなったことにより機体が浮くがそれを無理やり押さえ空母の上を通りすぎる。

後部機銃座から放たれる銃撃音が響く。やがて…。

「やりました隊長!命中です!」

レキシントン級から水柱が数本上がる。だが余りダメージはあたえていないように見える。

まだ

「まだ攻撃がいるな。だが…」

その心配は友永には不要であった。なぜなら高空から戦友が飛び込んで来ていたのだから。


USSレキシントン

フィッチ少将はから汗を噴出していた。先ほどの練度の高い雷撃機はレキシントンに三発も喰らわせていた。そしてまだレキシントンは狙われていた。

「敵雷撃機2、接近!」

「迎撃急げ!」

この時米軍の誰もが雷撃機に気を取られていた。高空に飛ぶ99艦爆を失念していた。

「…!敵機、急降下!」

「何!?」

(しまった、急降下爆撃か!)

この時のフィッチを攻める声は後に多々出たが彼を攻めるべきではない。ただ日本軍がその術中に嵌めただけなのだ。

そして99式艦爆から投下された250キロ爆弾は三発が命中した。


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