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ラスちゃんペットをかいに行く


猫や犬は可愛い。いや少なくとも地球人から見れば可愛いとされている。

今更言うまでもないことだが、種族によって可愛さの尺度も違ってくる。



さて今日はペットショップに訪れている。ラスちゃんも一緒だ。

「色んな生き物がおるんやね~」

彼女はペット、というかロボなら飼ってはいるのだが、

なんでもそのロボにお友達を作りたいとか。

「ロボやなくて、ヒヤムン!」

ヒヤムンという名前にしたそうだ。意味は『中興の祖』。何の?

「親分……」

今日は彼?も来ている、あれから結構時間が経つが相変わらずこれである。

見た目もこれ以上変化はないようだ。

「最近は料理も作れるようなったんですよ!」

大量破壊兵器に何をさせているのか。

しかしながら現状何も敵意や怪しい電波を出している様子も無いらしいので、

まあ問題は無いのだろう。

ヒヤムンに料理が出来るぐらいの知能があるなら、

殆どの動物を視野に入れてもいいだろう。

「ペットかい、金の臭いがするね」

カガンさんも来ている。ラスちゃんが呼んだのかしら。

「せやねん。ウチ持ち合わせがないねんけど、ちょっと永久に貸しとってくれへん?」

まさかの財布係である、しかもそれは貸しとは言わないのでは……。

カガンも渋い表情をする。そりゃそーだ。

「えー……じゃあ、1000万円だけ……」

そんなに。私も借りていい?

「ダメ」なんでーっ!!

いつの間にか二人は仲良くなっていたようだ。


それはともかく、やはり定番と言えば犬猫だろう。

が、ラスちゃんはなんとも怪訝な表情をしている。

「あんまり可愛くない……」

まあ確かに、彼らにとってはそうだろうな……。

「自分たちの容貌に似た小さい種族がおったら飼いたいと思います?」

色んな愛好家もいるから人によるんじゃないかな!?

それに犬はともかく猫はそんなに似てないかも……。

「むー……ミユ社の人に似てる……」

それはそう。でもそれ言い出したら銀河中似てる人いっぱいいる。

カガンはミユ社の人間であるので、これは思うだろうか。

「別に可愛いと思うけど……」

そ、そうなんだ。それは自分たちの顔も可愛いという意味で?

「それもあるけど、あんまり似てないよボクたちには」

そうかな……そうかも……まあ確かに、我々も自身が猿に似ているとはあまり思わない。

「しかもこの二つの種族って侵略的外来種ですやんか。流通規制せんでええんです?」

それもそう。とはいえ今更規制も無理な話だろう。

「見た目から生態まで何から何まで可愛くないのでパスです!」

そっか……。ヒヤムンはどう思う?

「親分……」

ちゃんと喋れるようになったりはしてないのかな。

「何言ってるんですか、ちゃんと喋ってますやん」

え……。

「そうだよ。翻訳機が壊れているのかい」

え……?


さてお次はその他の小型哺乳類だ。

ウサギ、ハムスター、モルモット、フェレット、チンチラにリス、

ハリネズミにミニブタ、モモンガ、ミーアキャットにデグー!

あと色々!全部言っていくとキリがない。

三人は黙って腕を組んで聞いている。な、なにゆえ……。

「いや、どこまで言うのかなって」

「気合入ってましたし……」

「親分……」

くそう。あんたらが日本語読めないからだろ!?

「読めます~、ひらがななら……」

「流石にまだかな」

でしょう!?それはいいからほら見て見て!

「うーん……美味しそうやね」

絶対そういうこと言うと思ったもんね。

「ていうか害獣ですやん?」

そんなこと言ってたら何も飼えないし……。

そもそもガウラ帝国にペット飼う文化があるのか、と問い質したくなって来た。

あるとしたらどういう動物を飼っているのか?

「ん~~、爬虫類とか陸棲の魚とか鳥とか……」

先に言ってよ!そっち先に紹介したのに!

ちなみにカガン的にはどうだろうか。

「このモルモットってやつ……」

可愛いよね!プイプイ言ってて!

「社会性フィルターを外して言わせてもらうけど、丸々太ってて踊り食いしたら美味しそうだね」

次行きましょう。


さあお待ちかねの爬虫類だ。

「ちっちゃ!?初めて見るわこんなの!?」

意外な反応である。

寒冷地だと生物は大型になるというが、彼らの星には小型の爬虫類が生息していないそうだ。

そもそも地球人にとっては大型の爬虫類、しかも寒冷地というのが驚きである。

どういう進化を遂げたのだろうか、生物学者なら大いに食いつくところだろう。

「これならええかもね~しかも可愛いし、ウフフ」

キラキラした目でトカゲたちを眺めている。

しかしヒヤムンは首(頭しかないのに?)を横に振る。

「母上……」「えー、せやろか」

何を言っているのか気になる。やっぱ翻訳機壊れてんじゃない。

今度修理に持っていこう。

カガンの方も、ヒヤムンと同じ意見のようだ。

「ちょっとね……ウチの害虫に似てて……」

彼らの故郷は温暖な惑星らしいので、

きっとトカゲがこっちで言うところのゴキブリポジションなのだろう。

「気分悪くなって来ちゃったねぇ」

「ほんなら、次行きましょうか」


お次は鳥コーナーである。インコ文鳥あとその他。

「随分と投げやりな紹介じゃないか」

だって美味しそうとか焼き鳥とか言うんだろ!?

「いや、これは別に……」

あらそう?

「肉が少なそうだし」

これだもん。カガンはいいとしてラスちゃんがお気に召すか問題だ。

「これはキビシイなぁ~~~~~」

全くワガママだなぁ!何が問題なのよ!

「いやぁ、檻を見た感じ衛生に気を遣わなあかんし、それにこの小ささだと噴霧器系の嗜好品とかも使えんやろうし、遊ばせるなったら大変やし観葉植物なんかも置けんしなぁ」

うわぁ、急に知識の解像度を上げてくるな!

「母上」

ヒヤムンもそうだそうだと言っていそうです。

ちなみに観葉植物はヒヤムンの趣味らしい。お洒落だ。

「鳥は実家で飼ってましてん。5mぐらいのヤツ」

でか!ダチョウとかエミューの類だろうか。

「ちゃんと飛びますよ!」

スゲー!見てみたいものである。

すると突然、なにかエンジンに点火した音がした!

「母上……!」

ヒヤムンは自分も飛べると言いたげだ!

でもここペットショップ!やめて!

店員さんもダッシュでこっちにやってきた!

「大きな音やめてもらっていいですか!?」

「召使い……」「召使い!?」

結局めちゃくちゃ怒られて追い出されてしまった。当たり前である。

賠償金ってことでにカガンさんが100万ぐらい置いていってくれたそうだ。

それはいいのか……?


後日、ラスちゃんが新しい友達が出来たというので見せてもらう事となった。

「驚いたらあかんですよ!」

ドジャァ~~ンと彼女が見せてくれたのは金魚であった。

「なんだ金魚か、と思ったでしょ!?」

何か秘密がありそうである。

「おや、お友達ですか」

……誰が今喋ったの?

「親分……」「ウチではないですよ!」

もしかして金魚!?どひぇ~~~!

「なんとヒヤムンが金魚に手術を施して、喋れるようになったんや」

「はい、おかげさまで」

てへへ、と金魚は照れ臭そうだ。

だが、なんというか、金魚が喋っているのはこう、キモいよ~~~!

「可愛いですやん!可愛いですやん!」

「親分!」

しかしこのヒヤムン、本当にただの大量破壊兵器なのだろうか?

結構恐ろしいものを匿っているような気がしてならないが、

まあ大丈夫だろ……たぶん……。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ネジをペットにするのかと思った あと金魚喋れるのか
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