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冒険者は最強職ですよ?  作者: 夏夜弘
第二章 リベンド国編
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僕が守らなきゃだめなんだ 7

「全員殺しちゃってください!」


「ここでダイコとネインをやられた分暴れてやるわ!」


「わたしもですぅ〜!」


「私は魔王幹部を殺るわ。だから雑魚を片っ端から消して消していって頂戴!」


「僕もへレーナさん同様魔王幹部をやります。なのでレベッカさゆ、マーシュさん、よろしくお願いします。絶対死なないでください」


「「死ぬわけはいでしょ!!」」


 そう言い、二人はこちらへ向かってくる魔王軍の雑魚共の数を減らしに行った。


「二人とも……やっぱり、僕もいつまでもクヨクヨしてられないですね……女性が頑張ってるのに、僕がさぼってたらダサすぎますね!」


「ジン……。私たちであの四人を殺るわよ!」


「わかりましま!」


 口ではそう言ってはいるが、やはり何処かでダイコとネインの事を思い出し、とっても後悔する。だが、そればかりを気にしてしまい、ダイコとネインの仇が取れなかった時、きっと呪われるだろうなと思い、ジンは無理矢理にでもやる気をたたき起こす。


 ムルドは一人、ただ後ろの方で腕を組み、余裕な表情で闘いを見守っていた。ジンはそれを見て、さらに心の底から怒りがこみ上げた。


 それからは、ジンとへレーナは魔王幹部を四対二で対戦し、今は一人の魔王幹部を殺したところだった。


 レベッカとマーシュは、雑魚を殺すし快楽を楽しみ、次々と数を減らしていく。ただひたすらに、ダイコとネインの事を思いながら殺していく。


 さらにそれから一時間後、こちらが圧倒的な優勢な状態になった時、今まで観戦を決め込んでいたムルドが、ようやく動き出した。


 戦況は簡単だ。魔王幹部は残り一人、魔王軍手下は残り百人ほど。それとムルドだ。そんな状況にも関わらず、ムルドは表情は一切変わっていない。


「なかなか頑張った事は認めてあげましょう! まぁ正直部下では倒せないとは思っていましだが、かなり時間を稼いでくれました。お陰で充分なくらいに力を蓄える事が出来ました」


「力……だと?」


「えぇ。それでは残っている皆さん! 貴方達の力も私に寄越しなさい!」


 そのムルドの命令に、残っていた魔王軍達はムルドの元へと帰って行く。少しでも与える力を削るため、レベッカとマーシュは雑魚を極力減らしていった。が、倒せたのは数人だ。結局は殆どがムルドの元へ行ってしまった。魔王幹部も同様だ。


 魔王軍達がムルドの周りに集まり終わると、ムルドへ向けて手をかざし、何かぶつぶつと言い出した。其の瞬間彼らの体から、オーラが発生し、そのオーラが吸い込まれるかのようにムルドへ向かっていく。


 オーラが完全に体から抜けきった者達は、その場へちか無く崩れていった。それを見ていたジンは、今がチャンスと思い、突進しようとするが、そのムルド達の前に魔族化したランが立ちはだかった為、近寄ることが出来なかった。


「ふはははは! やはり私は強い……この自分に感じる測りれないほどの力! 今ならここら辺一帯を一息で吹き飛ばせそうだぁ!」


「この力は……ジン、レベッカ、マーシュ。もしやばかったら私を置いて逃げなさい。貴方達だけは生き残らなくてはダメよ」


「何言ってるんですか! へレーナさんももう立派な僕達の仲間です! そんな仲間を置いて逃げれるわけないでしょう!! 僕は残りますよ!」


「ジン……」


「「私達もよ!」」


「レベッカ、マーシュ……」


 へレーナは、三人の目を見たあと、ふっと鼻で笑い「失言だったわね」と呟く。


 力を与え終わったのか、ムルドの周りには誰一人として立っている魔王軍はいなかった。後ろでぽつんと悲しそうな顔をしたランが立っているだけだった。


「さぁさぁ。始めましょうか? 最も? 私はこの場から逃げる事をオススメしますがねぇ?」


「そんな事するわけ無いだろう? お前は絶対に僕が、僕達が倒す。何があっても逃げる事だけはしない」


「そうですか……なら仕方ありませんねぇ……せっかく逃げるチャンスを挙げたのに……」


「ふっ……そんな余裕ばかり見せていると、すぐに死ぬぞ?」


 そう言い、四人はムルドへ向かって構えをとる。そして、ジンは足に力を込め、突進しようとする。


「そんな事言っていると、死にますよ? あなた」


 ジンが足に力を込めた瞬間だった。何故か、少し距離があった場所でつい先程まで喋っていた、ムルドの声が後ろで聞こえる。その事にジンは反応する余地もなく、ジンは後ろへ回り込んだムルドの攻撃を喰らってしまう。


「「「えっ?」」」


 レベッカ、マーシュ、へレーナも、急にジンが吹っ飛ばされた事を知り、気の抜けた様な声を漏らす。


「はぁ……今のに反応できないあたり、あなた達は逃げるべきだったのですよ……」


 ジンはただ、自分が吹っ飛んでいる。ただそれだけしか、理解が出来なかった。

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