僕が守らなきゃだめなんだ 4
「よしっ、これで全員終わったっと!」
「「「「ありがとう〜!」」」」
「いえいえ! 僕はなんにも得はしてませんがいいですよ!」
「「「「ごめんなさい……」」」」
「まぁ全ての元凶はレベッカさんなので。もう二度と、レベッカさんにはマッサージはしないと決めたところで……」
「お願いそれだけはやめて!!!」
「だって余計な事しか言わないし……」
「そ、それは……あれよ。ノリ的な?」
「はい! もう二度とやりません!」
「嘘よぉーー!!」
そんなこんながあり、とりあえず今日は寝ることとなり、それぞれの部屋へ戻って体を休めた。
そして翌日。
「ふわぁ〜〜。朝か〜!」
ジンは体を起こし、ぐぅーっと伸びをして、毛布をどかす。
「っと、毛布をどかす前に確認っと……」
いつも見たく、レベッカが布団にいたとなってはたまらないので、しっかりと確認をする。
「よし……誰もいない。ならよしっ!」
ひゃっほぉ〜! と言いながら、ベットから飛び降りる。すると、着地の際、何故か「ぎゃふっ!」と言う声が聞こえ、ジンは足元を見る。
「こ、これは!?」
なぜか床にレベッカが寝ていた。これはこれでざまぁみろと言いたい気分だ。
「ふっふっふ……レベッカさん。貴方にお返しをできるなんて、人生でこの上ない嬉しさが心の底から込み上げて来ました……」
「ぐぅ……」
「寝てる。じゃあこのまま毛布で包んで廊下に寝かせておこう。うん」
そうしようと決めたら行動は早い。迅速にレベッカを毛布で包み、紐で縛ってから廊下に捨てる。我ながら完璧な手際だった。
数時間後……
「あれ? 私なんで廊下で寝てるの? ジンの部屋で寝てたのに……それになんで毛布が巻かれているの? まさかっ!?」
「ようやく起きましたか。そうです。そのまさかですよ」
「ちくしょぉー! 謀ったわねジン!」
「いやいや、貴方が悪いんでしょうが……全く凝りませんねぇ? これからは寝る前にマーシュさん辺りにでも頼んで、レベッカさんを紐で縛って貰うことにします」
「えぇ!? それだけは……おトイレ行けないじゃない! どうするの!?」
「ま、それは自業自得という事で」
「ひどいっ!」
その後は、毛布を巻っぱなしで廊下に転がしておくのも、可哀想だと思ったので、紐を解き、毛布を取り、注意をしてから部屋へ戻った。
今の魔王軍の進行状況が気になったため、部屋に戻ったジンは、"女神の加護"を発動した。
「女神様ー! 今魔王軍はどれくらい来てます?」
『いいところに来たわ。少し進行速度が上がったわ。このままだと明日の夜には着くでしょうね……』
「本当ですか!?」
「えぇ。それと、気になることが一つだけあるのよ……」
「なんです?」
『魔王軍の邪悪な気の中に、三つだけ全く違った気が混ざってるのよ……多分これは人間の気だわ……気絶して弱々しい気しか感じられないけれど……』
「人質ですかね……助けなきゃいけないですね。それは」
『えぇ。そうね……』
「そんなに深刻にならなくても、僕がちゃちゃっと助けますよ! へレーナさんもいますし!」
『え、えぇ……そんなに簡単に助けられれば良いのだけど……』
「じゃあ力を切りますね〜! また何かあったら女神様の方から報告お願いします!」
『わかったわ』
「では」
"女神の加護"を解き、女神とジンの通信は途切れる。
『何か嫌な予感がするわ……大丈夫かしら……最悪の場合は私が……』
女神は密かに、心を決めるのであった。
まだ朝で、特にする事のなかったジンは、何か起きても大丈夫なように、全ての装備を身につけていた。
「三人か……絶対僕が助ける。助けなきゃいけないんだ……」
沸沸と闘士を燃やし、人質を取っていた魔王軍に苛立ちながらも、冷静になるために深呼吸をする。
「人質だけじゃない。レベッカさんとマーシュさんとエレンさん、無いとは思うけれどへレーナさんも僕が守らなきゃ」
ジンは心に誓う。死んでも守り抜くと。手がもげようと、足がもげようと、目が無くなろうと、何があろうと、皆を守り抜くと。
その気持ちがジンを昂らせる。
そして、その時はやってくる。
「皆さん、準備はいいですか?」
四人は黙って頷く。そして、門の前で魔王軍達を待ち構える。
それから数分後、魔王軍らしき影が見え始める。その影は無数に増えていき、その数の多さに、ジン達は圧倒される。
そして、戦闘を歩いている五人の内、三人が人質らしき人物を抱えている。
「あれが人質か……ん? あれは……」
その見覚えのある人物に、ジンは目を細めて確かめる。
そして、その人物が誰なのかを理解した時、ジンは目を見開き、言葉を失った。




