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冒険者は最強職ですよ?  作者: 夏夜弘
第二章 リベンド国編
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もう守られるだけの僕じゃない 9

 パーティーが終わり、ウルフ達に見送られながら三人は帰っていく。


 帰り際に、ウルフの人達がジンの頬っぺに、感謝の印だと言って軽い口付けをしていく。


 この時、レベッカとマーシュが、本気で嬉しがっているジンに、殺意を抱いたのは知る由もない。


 全員が挨拶をし終えると、三人はその場を去っていく。と、突然エレンが一人だけ走って追いかけてきた。


「じ、ジンさん!」


「は、はい? どうしたんですかエレンさん?」


『この気持ちを伝えたい……でも出会ったばかりで好きって言うのはちょっと引かれるわよね……よし、ここは遠回しに会いたいってことをアピールすることにしましょう!』


 そう思い、エレンはよしっ! と小さく呟いたあと、ジンへ向けて自分の思いを伝える。


「あ、あのぉ……また来てください! 絶対ですよ!?」


『ああああ!? 何言ってるの私!? これじゃあ直球すぎでしょ!? 好きって気づかれたら……』


「絶対行きますよ〜! いてっ! なんでレベッカさんとマーシュさんは殴るんですか!?」


 エレンは嬉しさのあまり、言葉が出せず、手を振ってくるジンに手を振り返す事しかできなかった。


 そして、そのままジン達は帰ってしまった。


「ま、まぁいいわ! また来てくれるのなら、それでいいわ!」


 この日、エレンはジンとデートをした夢を見たという。


 翌日、ジンとレベッカとマーシュは、ジンの部屋でゴロゴロしていた。


「あのぉ〜。なんで僕の部屋でゴロゴロしてるんですか? それにこんな朝早くから……もう少し寝かしてくださいよ……」


「甘ったれるなぁ!! 朝早くに起きる事ができずして、なにが冒険者だ!! わかったら私達と遊べ!!」


「そーだそーだ!!」


「なんか昨日からレベッカさんとマーシュさん仲良すぎませんか!?」


「「そんなことはない!!」」


 嘘だな。仲良いくせに。知ってるんだからね!?


 ジンは、仕方なく起き上がり、何をして遊ぶかを決める。


「そえねぇ……ジンに石を投げて誰が先に当てられるかっていうのはどうかしら?」


「なんで僕が怪我をするリスクを追わなければならないんですか!? 却下です」


「……チッ。折角殺せると思ったのに……」


 聞こえてるからねレベッカさん!? だが、ここで言い返したらもっと言われそうだから無視でいこう。


「マーシュさんは何かあります?」


「ジン殺し」


「二人とも昨日から僕を殺そうとしすぎですよ!? 僕が何をしたって言うんですか!?」


「「ウルフの女性達に囲まれてキャッキャウフフしてました」」


「キャッキャウフフだと!? ぼ、僕は決してそんな楽しんでたわけでは……」


 そう言い返そうとした時だった。


 大きな音が、宿の入口の方から聞こえ、三人はそれまでの雰囲気をガラリと変える。


「今音がしましたよね? 多分……何かを壊した様な音だと思います」


「そうね、ジン、マーシュ。急いで支度をしてきなさい。私もすぐに支度をするから、そしたらすぐに様子を見に行くわよ」


 そのレベッカの指示に、二人は首肯し、すぐに支度を整える。


 三人ともすぐに支度を終え、気づかれないように入口を見に行く。


 すると、とある男の叫び声が聞こえてくる。


「おい! この宿に冒険者のガキが泊まってねぇか?」


「そ、そのような方はお泊まりなされてませんねぇ……」


「あぁ? 嘘だったらテメェ殺すぞ?」


「あ、宿主さんが脅されて……」


「まずいわ……一旦部屋の窓から外へ出るわよ?」


 そう言って宿から出て、入口の方へと回っていく。


 そして、宿の前にいた物凄く大勢の人集りに、三人は顔を歪める。


 そこには、物凄く大勢の冒険者達が集まっており、その冒険者達は皆、右頬にバツ印の傷が付けられており、周りの人は次々と窓やら扉やら店やら閉めていく。


「レベッカさん、あれは?」


「あれはこの世界でもかなり有名な盗賊グループよ。盗賊と言うよりは暴走族ね。気に入らなければ片っ端から潰していく。そんな感じのグループよ」


 ん? 気に入らなければ片っ端から潰していく……? 知ってるような無いような……


 そして、ジンだけが悩んでいると、とある男が大声で叫び出す。


「こんなかで俺らの舎弟を怪我させた奴らをさがしてるんだがぁ、知ってる奴はいねぇのがぁ!?」


 その男は、服の上からでもわかるような鍛え上げられた強靭な肉体に、焼けた色の肌、右頬についたバツ印の傷、それはいかにも暴走族と言う名前に相応しいそうな男だった。


 ん? 舎弟を怪我させた……って、あ、あいつは!?


 そこに居たのは、ジンが前日の騒動でコテンパンにしたガラの悪い男が、叫び散らしている男の横に立っていた。


「レベッカさん……」


「何? 貴方怪我させた人を知ってるの?」


「いえ……そのぉ……」


「何よぉ! 知ってるなら早くアイツを怪我させた奴の名前を言いなさいよ!」


「その事なんですが……昨日コテンパンにして追い返したって言ったじゃないですかぁ……」


「えぇ」


「それがぁ、あの人なんですよぉ……」


「……つまりは?」


「僕が犯人です! てへっ!」


 ジンは汗を吹き出しながら、引きつった笑みでピースをした。

エレンの気持ちはもうわかりましたね!?

そうです。思ってる通りですよ。


ジンは鈍感故に全く気づいてはおりませんが!

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