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冒険者は最強職ですよ?  作者: 夏夜弘
第二章 リベンド国編
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もう守られるだけの僕じゃない 8.5 パーティーにて

今回はパーティーでの一コマを書きました!


「ささ! パーティーを続けましょう!」


 レベッカとマーシュも加わり、パーティーは再開される。


「それでジン? 今回はなんでこういう事になったのかを説明してもらえる?」


「はい、実はですね……」


 レベッカとマーシュに、ウルフハウスで起こったことを説明する。


「ほぉ……じゃあ決してここには自分の意思で来た訳では無いのね?」


「そ、それはそうですよ?」


「本当? もうここには行くなって言ったら?」


「僕は死にます」


「馬鹿じゃないの?」


「いえ、ここは僕にとっての癒しの楽園です! レベッカさんとマーシュさんも触ってみればわかりますよ! 本当に柔らかくて気持ち良くて忘れられなくなりますよ!!」


 そう言われ、レベッカとマーシュは、ジンの隣に座っていたエレンの尻尾を見つめる。


「さ、触ってみます……?」


「いいんですか? では……」


 レベッカが、エレンの綺麗に整えられた尻尾をさわる。


『こ、これはすごいわ……』


「あ、あれ? レベッカさ〜ん? 返事がない……」


 そして、暫くふさふさな尻尾を堪能した後、レベッカは、そっとエレンの尻尾から離れる。


「わ、悪くないわね。でもジン、貴方がここに来ることは許しません」


「え!? どうして……僕泣きそう」


「泣いても許しません。私と遊んでくれなきゃ殺します」


「きょ、脅迫怖い……」


「あ!!! レベッカばっかり……ジン、私とも遊んでくれなきゃ殺します」


「マーシュさんまで!? 遊ぶって……二人とも僕より年上ですよね? それにいい歳してガキの僕と遊ぶなんて……」


「「年齢なんて関係ない!」」


「は!? あのねぇ、ふたりはいいかもしれませんが僕は恥ずかしいんですよ! 可愛い女の人を隣に連れて歩くなんて!」


「「か、可愛い!?」」


 ジンの発した言葉に、二人は顔を真っ赤に染める。


「ちょっと、何赤くなってるんですか? 酔いが回ったんですかー?」


「「ばか!」」


「痛い! なんでそう二人はすぐに殴るの!? 顔が歪んじゃうじゃん!!」


「ふふっ……本当に愛されてますね、ジンさんは」


「エレンさん……こんなに殴られるのに愛されてるなんて言えませんよ……これは虐待だ……」


 レベッカとマーシュは顔を真っ赤にしながらジンにぶつぶつと文句を言い、横でエレンはニコニコ笑っていて、ジンの周りにいるウルフ達も、何かと賑わっている。


 はぁ……本当に楽しくて、みんないい人で良かった〜! ダイコさんもランとネインも一緒に居たらなぁ……三人とも元気にやってるかな〜?


 そんな事を考えている時だった。


「ジンさん? 何か考え事ですか?」


 エレンが尋ねてきた。


「はい……実は僕たちにはもう三人仲間がいるんですけど、その三人は今別行動をしているんです。それで、ふと思い出していたんです。とてもいい人達なんですよ?」


 その言葉に、グチグチと言っていたレベッカとマーシュも、口を止め三人の顔を想像する。


「へぇ……とても仲が宜しいのですね。羨ましです」


「いえいえ、本当に困った三人なんですよ?」


「そうなんですね」


 だが、このエレンが発した、羨ましい。はジンへ向けたものではなく、ジンと共にいる仲間に向けたものだった。


『ジンさんと旅ですか……さぞ楽しいんでしょうねぇ……私なんか数時間程度の付き合いですし、ご一緒する事は叶いませんよね……』


 エレンは、初めてあったのに、初めてあった気がしていなかった。仲良く話し、皆を守ってくれたり、誰にでも笑顔を振りまける。そんなジンが心のどこかでずっと気になっているのだ。


「私もジンさんと仲良くしたいなぁ……」


「え!? 仲良くなったんじゃないですか!? ま、まさか……友達と思ってたのは僕かだけとか……?」


 エレンは、決して声に出したつもりでは無かったが、無意識に声を出してしまってた。


「あ、あの……今のはそういう意味ではなくて……」


 エレンは、とても恥ずかしくなってしまい、ワタワタとしてしまい言葉が見つからない。


 エレンはもう何が何だか分からなくなり、涙目になってしまう。


「あああああ!! ジンがエレンさんを泣かしたぁあ!」


「あああああ!! ジンいけないんだぁー! 女性を泣かせるなんて最低ですぅ!」


「あ、あの……決して泣いているわけでは……」


「そ、そんな……女性を泣かせてしまうなんて……」


「「ほらほら、ジン謝りなさいよ〜」」


 うっぜぇ〜! もう口聞かないからな!?


「エレンさん……そのぉ……申し訳ないです」


「いえ! だからこれは泣いているのではなく……欠伸して……そう欠伸してしまったのです」


「ほ、本当に……?」


「本当にです!」


「よ、良かった〜」


 エレンは、ふぅと小さく溜息をつく。


「ジン……本当にもう仲良くなったのですか? 私は……」


「当たり前ですよ! 一緒に喋って、一緒にご飯食べて、一緒に笑い合う。これだけで仲良くなったも同然です!」


 そのジンの笑顔と言葉に、エレンも最高の笑顔と言葉で返す。


「はい! これからも仲良くしてください!」


エレンは、ジンの事が...それはこの後わかるかも?

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