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冒険者は最強職ですよ?  作者: 夏夜弘
第二章 リベンド国編
48/153

それは突然の出来事で 13

少し更新が遅れました!

すいません!

「おっしゃ坊主、行くぞ!!」


「はいっ!」


 その言葉と共に、ダネットは力強く地面を蹴り、メルノドへ突進をする。


 メルノドが、ダネットの突進を両手で受け止め、後ろへ受け流す。


 メルノドがダネットを飛ばし、後ろを向いた瞬間に、ジンは後頭部をぶん殴る。


「これでどうだ!?」


 殴られたメルノドは、その勢いで、地面に頭を埋める。


「坊主! 今がチャンスだ! たたみかけろ!」


 そして、ジンはメルノドを殴り続ける。

 あまりのメルノドの硬さに、ジンは手から出血する。だが、これを逃すと次のチャンスはいつ来るか解らないと思い、痛みに耐えながらひたすら殴り続ける。


「坊主、変われ!!」


 ダネットがそう言い、ジンはバックステップをしてメルノドから離れる。


「二刀剣技"龍星斬"」


『剣技……そんなものがあるのか……』


 ジンは、ダネットの剣技を興味深く見ていると、目にも留まらぬ剣さばきでメルノドを斬りつけ、それはまるで流れ星が無数に流れていく様だった。

 未だに地面から頭を出す様子がないメルノドは、身体中から血を吹き出し、地面には大量の血が流れる。


 ダネットの攻撃が止まり、ダネットはジンの元へと近寄る。


「これくらいやりぁいいだろぉ! 引退しても、まだまだ行けるなぁ!」

 だがその時ジンは、ダネットが少し荒く息をしていたのを見逃さなかった。


「坊主、トドメを刺すが、俺がやってもいいな?」


「はい、やっちゃってください」


 ダネットは、こくりと頷くと、メルノドへ近寄り、首元に剣を軽く当てる。


「これで終わりだ」


 そう呟き、剣を振り上げた時だった。


 ダネットは剣で首を斬ろうと、剣を振りおろす。

 だが、その斬撃は空を斬った。


「……は?」


 ダネットは間の抜けた様な声を漏らし、何が起きたのか解らず、ボーッとしていた。


「やりましたか? 姿が消えたって事はアイテムとお金に……」


 そうジンが喋りかけていると、突然目の前からダネットが姿を消す。


「……ダネットさん?」


 周りを見てもダネットはおらず、ジンは困惑する。暫く辺りを見回していると、町の門の壁に穴が空いてる場所を見つける。


「あんなとこに穴なんて……ッ!?」


 その穴から出てきたのは、なんとダネットだった。


「痛てて……何が起きたんだ?」


 ダネットは、ゆっくり穴から出ると、ジンがこちらを向いて何か叫んでいるのを確認する。


「何手を振ってるんだ? ……ん? 後ろ……?」


 そう叫んでる様に見えたダネットは、ゆっくり後ろを振り向く。

 振り向くと、目の前に奇妙な笑みを浮かべているメルノドが立っていた。


「こ……ろ……すぅぅぅう!」


 奇声をあげながら、メルノドはダネットを殴りつける。それにダネットは、反応することが出来ず、顔面に殴打を喰らう。


「ダネットさんが顔面を殴られ…ってこっちに飛んでくる!?」


 ジン目掛けて超速で飛んでくるダネットを、ジンは何とか受け止める。


「ダネットさん! ……気絶してる……!?」


 今の一発でダネットが気絶した事に、ジンは恐怖する。


「こんなの……勝てるのかよ……女神様が魔王幹部を強いって言うのが解った……」


 ジンは、一度深呼吸した後「ダネットさん、それとレベッカさんも。僕がやり返してやります。だから、今は休んでてください」と言ってダネットを、マーシュの元へ運び「マーシュさん、ダネットさんも任せましたよ!」と言い、ダネットを置いたらメルノドの元へ戻る。


「僕が……僕がやってやりますよ……」


 口にはしたものの、足は震え、腰は引け、手には力が入らない。


 メルノドは不気味な笑みを浮かべ、テクテクと歩いてくる。


『怖い……こりゃまた死ぬかもなぁ……次死んだら生き返れるのかなぁ? あぁ……怖いなぁ……』


 そう怖気付いている時だった。


『おっしゃぁぁあ! ついにこの時が来ましたねぇ!!! このレベルまでよく来ましたよジン!』


 何やらジンの頭の中に直接喋りかけてくる。その聞き覚えのある声に、ジンはもしや……と思う。


『そうです! そのもしかしてです! 私、頭に直接喋りかけてます!』


「いやいやいやいや!? どうやって!? それになんかキャラ壊れてません!? もっとこう……穏やかそうな……」


『いやいやいやいや! こういう勝てない相手と闘う時ってワクワクしませんか!? しない方がおかしいです!』


「はぁぁあ!? 勝てない相手と闘う時ワクワクなんかしませんよ!?」


『あぁー。わかってない。全くわかってない。折角このレベルまで達し、私の力を上手く使えこなせるかと思ったのに。もういいですよ。力貸しません』


「ち、力……? それはどういう……」


『あー何も聞こえません。やる気のない人に貸す力なんてありません』


 うっざ。後でしばきてぇ……


「わかりました! やりますよ! 僕がアイツを殺してやりますよ! って言うか、やる気が無かったわけじゃないもん。ただちょっとビビってただけだもん」


『言い訳はダメですぅー! ビビるって言うかチビってたくせに』


「はぁあ!? そ、そんなことなぁ」


 そんなことない、と言おうとすると横からメルノド が殴りかかって来て、ジンはぶっ飛ばされる。


「痛ったぁ!」


『ばーかばーか! 女神に悪口を言ったバツです』


 本当に後でしばく。

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