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冒険者は最強職ですよ?  作者: 夏夜弘
第二章 リベンド国編
43/153

それは突然の出来事で 8

今回は、レベッカとマーシュvsメルノドです!

「おぉ! 二対一か!? 仕方がねぇ、相手してやらぁ!」


「マーシュ、魔法はいつでも出来るようにしておいて! あのでかいのは……」


 レベッカが、どうしようと悩んでいると、横からダネットが話しかけてくる。


「嬢ちゃんたち! でかいのは俺が引きつける! だから気にせずに、その女とやりあいな!」


「ありがとうございます! では任せます」


 レベッカ、マーシュは、メルノドへ向かい、ダネットは恐竜の様なモンスターを誘き寄せる。


「でかいなぁ……、それに多分強いな。腕がなるなぁ! 久々に滾ってきたぁ!!」


「ダネットさん、なんか独り言がでかいんですけど……怖いんですけど」


「でも頼りになるのは確かだわ。今はそれよりもあの魔王幹部よ」


「そうですね、わかりました。回復支援は任せてください!」


「えぇ。あの相手だと多分本気でやらざるを得ないからね……」


 そして、レベッカ、マーシュは、メルノドと対峙する。


「二対一かぁ……。きちぃけどやるしかねぇからなぁ……まずは小手調べと行こうか」


「独り言もそこまでくると恥ずかしですよ? 少しは抑えたらどうかしら?」


「あぁ!? うるせぇ! そんなこたぁいいからさっさとかかってこいやぁ!」


 レベッカは『本当に頭のおかしい人だわ……』と思いながらも、拳に力を入れ、オーラを纏い、構えを取る。


 メルノドも、ガラリと変わった雰囲気に、先程まで笑っていた顔の表情を変え、真剣な目つきになり、メルノドも同じく黒いオーラを纏い、構える。


 両者数秒睨み合ってから、全く同じタイミングで地面を蹴り、突進をする。


 二人のいた距離から、丁度真ん中の辺りで、レベッカとメルノドの拳が交わる。


 爆発音と同時に、衝撃波の様なものが巻き起こり、地面が円状に抉れる。


 レベッカとメルノドはお互いに、一瞬睨み合った後、一秒の間に、何発もの攻撃をし合う。


 それを見ていたマーシュは「す、すごい……」と声を漏らす。その激しい攻防は、数十秒続く。


 レベッカとメルノドは、攻撃を身体に当てられずに、一旦距離を取る。

 お互いに息切れはしておらず、怪我をした様子もない。


「あの魔王幹部……女のくせに重い攻撃をしてくるわ……それに素早く的確に急所を狙ってくるわ」


「どちらが上かわかります?」


「……」


 その問に、少し間を置いてから、レベッカは答える。


「多分……あっちの方が強いわ」


「そんな……」


 マーシュは、一瞬負けてしまう事をイメージするが、その考えも、レベッカが発した言葉によって、頭からその考えが抹消される。


「でも負けはしないわ。だって、今私、心の底から力が湧き上がってくるんですから」


 そう言うと、レベッカの纏っていたオーラが、さらに濃くなる。


 先程よりも、強い力を感じ取ったメルノドは「そうこなくっちゃなぁ……」と呟き、全身に力を込め、さらに力強くて黒いオーラを纏う。


 二人は、数歩前に出た後、お互いに睨み合う。


 先に動き出したのは、メルノドだった。


 メルノドは、最初に突進した時のスピードよりも、何倍も速いスピードで突進をする。

 レベッカは、その速すぎるスピードに、反応するのが精一杯で、目の前に現れたメルノドに攻撃ができなかった。


 メルノドは突進の勢いのまま、レベッカに強烈な攻撃を仕掛ける。


 レベッカは、ギリギリの所で攻撃を防ぐが、あまりの力強さに、後方へ吹き飛ばされる。


 数メートル飛ばされたレベッカは、すぐに立ち上がるが、立ち上がった頃には目の前にメルノドが迫っていた。


 立ち上がったばかりのレベッカには、どうすることも出来ず、諸にメルノドの攻撃を受けてしまう。


「クッ……」


 レベッカは、更に後方に飛ばされ、地面に血反吐を撒き散らす。


「レベッカさん!!」


 すぐさまマーシュは、レベッカに回復魔法をかけ、体力を回復させる。


「ありがとうマーシュ。はぁ……はぁ……。正直今のは効いたわ。彼女強すぎるわ」


「でも、負ける気はないんですよね?」


 マーシュが含んだ様な言い方をし、その言葉にレベッカは「ふふっ……当たり前よ」と微笑を浮かべる。


「まだまだここからですよ! 魔王幹部さん!」


 レベッカが立ち上がりながら言うと、メルノドは一瞬驚いた顔をした後、声を上げ笑う。


「今の喰らって生きてんのか!? 結構本気で殴ったつもりだったんだけど? あと、私の名前はメルノドだ! 魔王幹部さんなんて呼ぶんじゃねぇ! それに、あんたはおもしれぇ……殺したくて仕方がねぇ……」


 そう言いながら向けられた殺気に、レベッカとマーシュは、恐怖を覚える。


「さぁ……第二回戦目といこうじゃないか……」


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