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冒険者は最強職ですよ?  作者: 夏夜弘
第一章 成長編
28/153

なんか勇者に嫌われたんですけど? 7

 お金が溜まった人はその日のモンスター狩りを終え、マーシュに感謝をした後、防具を買いに行った。


 そして防具を買ってスキップしながら帰っていると突然セレンが現れた。


「おい貴様!」


「あれ? 勇者さんどうしたんですか?」


「どうしたもこうしたもあるか! あの時はよくも……お前のせいで俺が怒られたじゃないか! お尻ペンペンだぞ!? お尻に穴が開きそうだったわ!」


 ジンはこの時「もう開いてるじゃん」という下品なツッコミを吐きかけるがなんとか呑み込む。


「い、いやぁ……そんなこと言われましてもその話はもう終わりましたしぶり返すような事でも……」


「そんなの私のプライドが許さない!」


「じゃあ何をするんですかぁ……?」


「私と決闘しろ! 私に勝ったら許してやる! 私が勝ったらお前らのパーティーの女は俺が貰う!」


「嫌ですよそんなの……僕の大事なパーティーを賭けた決闘なんてしませんよ……」


「うるさいうるさい! これは決定事項だ! 明日ハークス城の地下の闘技場へ来いよ! わかったな!?」


「そんな勝手に……」と、言いかけるとセレンは走って逃げていってしまった。ジンも不味いことになったなぁ……と防具をだき抱えながらスキップして帰るのであった。


 宿へ戻り決闘の話を皆にするとなぜか「いいじゃない、この際だから殺っちゃいなさい」だの、「ジン! これはチャンスです! やるべき!」だの、「勇者に勝てたら人気者ですわ」と言われてなぜか決闘をすることになってしまった。


 ジンは自分の部屋に戻り寝っ転がると、トントンとノック音がなり、「どうぞー」と答えると扉が開きそこにはランが立っていた。


 どこか寂しそうな顔をしていたランを見てジンは声をかける。


「どうしたの? そんな顔して」


「いえ……さっきはノリで言っちゃったけどジンが負けてしまったらと考えると……」


「まぁ、なんとかなるよ! どうせ決闘なんて執事の人が止めてくれるよ!」


「そうだといいのですが……」



 そして翌日。



「どうしてこうなった……」


 闘技場の真ん中でストレッチをするセレンと、なんでこうなったのか考えているジンが向かい合っていた。


 事の始まりは一時間前...


「おっ! 来たな! よく決闘から逃げなかったな!」


「あ、その事なんですけど執事さんにお願いをしに来まして」


「ん? なんのだ?」


「いや、この決闘を辞めてもらおうと……」


「それは無理だ。」


「なぜです?」


「だってこの決闘を用意したのは執事だもん」


「うそーん……」


 と言うことだった。


 本意ではない決闘はしたくないと思っているのだが、仕組まれてしまったのなら仕方がない。


 ジンもウォーミングアップは始め体を動かしていく。


「おい貴様! 俺に勝てるわけがないのだから! 一方的にやられて泣いて帰らせてやる!」


「ソウデスネー」


「そうだ! 俺は強いのだ! お前如きに負けるわけがないのだ!」


「ソウデスネー」


 高笑いをしながら言ってくるセレンにジンは適当な返事を返す。


 ダイコ達は闘技場の観客席で見ており、他の勇者達と執事達も観客席で見ていた。


 ランとレベッカとマーシュは「「「そんなやつぶっ殺せー!!!」」」と言われ、勇者方からは「本当に殺してもいいぞ!」や、「その分からず屋に一泡吹かせてやってくれ!」などと言った声援がなぜか飛んできた。


 セレンは何も聞いていないのか未だ高笑いを続けていた。

 ジンも手を振りながら応える。


「では、決闘を始めます。ルールはどちらかが参ったと言うか気絶するまでとします。武器の使用はこの木刀のみとさせていただきます。ルールを破ったら失格と言うことでお願いします」


「わかりました!」


「早く始めろ!」


 執事がこっそり「この分からず屋に体裁を」と言ってきたことは秘密にしておこう。


「じゃあ、両者距離を取って」


 ジンとセレンは5歩後ろへ下がり木刀を構える。


「始めっ!」


 開始の合図と共に「先手必勝!」と、言いながら突っ込んでいくセレン。


 流石わ勇者と言うべきか。スピードはとてつもなく早い。だが今のジンには見えていた。むしろ今までより少し遅いと感じてもいた。


 ほの突進を避けて木刀で背中を斬る。


 だがその斬撃は避けられ再び距離をとる形になった。


「なかなかやるな! お前! 俺の突進を躱すとは!」


「いやいや、お前が遅いだけだろ……」と、心の中でツッコミ決闘を再開する。


 ジンはいつも通りモンスターと戦う時と同じように戦うのを意識して立ち回っていた。


 決着は、まだ着きそうには無い。

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