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冒険者は最強職ですよ?  作者: 夏夜弘
最終章 魔王城編
139/153

決戦の始まり 7

『場所を変えよう。ここだと狭いだろ? 奥に闘技場がある。そこへ行こう』


「……わかった」


『ジン、道中気をつけて! いつどこから魔族が襲ってくるかわからないわ。闘技場では大丈夫かもしれないけど』


「多分、大丈夫。俺の感じる限りじゃ、道中にはいないと思う」


『あなた、そんなことまで分かるようになったのね……成長したわ、後でキスしてあげる』


「遠慮する」


 ゼドに付いていき、その部屋を出る際、それぞれの部屋に散らばった、レッド達に、心の中で無事を祈る。


 ―その頃、レッドは……


『なんだ、大したことないの? 我が強すぎたのかの?』


 ―同じくして、ブラックは……


『うぅん……少し鈍ったかのぉ……殺るまでに五発も喰らってしまった。今度ジンと特訓しよう』


 ―ホワイトは……


『あらら、もう終わりかしら? 面白くないわねぇ……そうだ、どうせなら、解剖とかしちゃおうかしら?』


 ―レベッカは……


『何よこいつ!? 何でこいつの血は触ると服が溶けるの!? 気持ち悪いぃぃい!!』


 ―マーシュは……


『うぅ……魔法が通じない相手だとは思わなかったですぅ……こうなったら、この杖で……頭をぶっさらうわ』


 ―エレンは……


『はぁ……はぁ……なんとか、倒すことができました! 戻りましょうか』


 ―へレーナは……


『えいっ。(覚えたての魔法を片っ端から、死体に放っている)』


 闘技場へ到着し、大きな扉から入ってみると、そこは、本当に城の中なのか? というくらいに尋常じゃなく広い闘技場があった。


『ここは、魔法で部屋の大きさを広くしているんだ。ここなら、存分に貴様を殺せるだろ?』


「ああ、そうだな。俺もお前を派手にぶっ殺せるなぁ?」


『…………』


「…………」


 お互い、数秒睨み合い、闘いは突然再開される。


 先に動いたのはゼド。先程までの二人の動きからは、想像もできないほどのスピードで、ジンの目の前に現れ、魔法を一瞬で無数に繰り出す。


 それに対応しようと、放たれる魔法を一つ一つ、蹴ったり殴ったりで、魔法を破壊していく。その際、魔法が爆発するよりも早く動き、ダメージを全く受けてはいない。


 ジンが魔法を破壊するのに気を取られている所を、ゼドはジンに接近し、特大の魔法を発動させる。


 それに気づいたジンは、あれを食らうのはマズいと思い、瞬時にその場から距離を取る。


 ジンを囲んでいた魔法は、標的がいなくなり、地面へと着弾し爆発する。爆風が巻き起こり、砂煙が舞う中、その中からゼドが猛スピードで突進してくる。


 ほんの一瞬、瞬きよりも速い時間、反応が遅れたジンは、維持でも魔法を食らうまいと、全力で離れようとする。が、ゼドは魔法を、遠心力を付け放ち、それはかなりの速さで飛んでくる。


 絶対に当たってしまう距離におり、尚且つゼドが逃げ道を無くそうと、ジンの後ろへと回り込む。


 それに気づくジンは、横に移動するが、魔法はジンを追尾する。それに合わせてゼドも動いてくる。


「クソ、あんなもんくらったら死ぬぞ?」


『大丈夫よジン! 今のあなたなら、魔法を使えるわ! だって、神の力を使っているのだから!』


「はぁ? んなもん今まで使ってこなかったから、使い方なんて知らねぇよ!」


『こう、バッとしてババァーン……よっ!』


「そんなんでわかるかぁぁあ!!」


 もう一メートルも無い。魔法が当たる。直撃する。そう感じたジンは、もうどうにでもなれという思いで、言われたとおりにやってみる。すると……。


「できた……って小さっ!」


『もういいから放ちなさい! 魔法がぁあ!』


「あんたの教え方が悪いんだよっ! あぁ、もう、とりゃぁぁぁ!」


 ヒョロヒョロ〜、と飛んでいく魔法。こんなもので弾けるわけがない。そう、思っていた。たが、そんな考えは、目の前の魔法と一緒に弾け飛ぶ。


 ジンが放った魔法が、ゼドの放った魔法に当たった瞬間、ドカーーーン!! という音と共に、目の前から消え去り、爆風が巻き起こる。


「…………はぁ?」


『えっへん! これが神の力よ! どう? 驚いたでしょ?』


「…………こんど、へレーナさんかマーシュさんに教えてもらうか」


『えっ、私じゃなくて?』


 無視。すぐに、ゼドのいる方へ振り向くと、ゼドが少し引きつった顔をして、汗を垂らすのを、ジンは見逃さながった。


『貴様……まだそんな力を……』


「まだまだやりたりねぇよなぁ?」


 ジンは、不敵な笑みを浮かべた。

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