そこは楽園という名のオカマ大国でした 5
午前の競技が終わり、ジン、ラン、ダイコはオカマラソンが間近に迫ってきていたので、準備体操をしていた。
「ジン! 体力は今まで特訓してきたから大丈夫ね?」
「まかせい! 冒険者だけど体力とそれはあまり関係無いはずだから大丈夫だ!」
「何言ってるの? 職業がいい方がそりぁ体力あるに決まってるでしょ!?」
「モチベーション上げるための誤魔化しだったのに逆効果だった!!!!」
「二人ともその調子なら大丈夫そうね、だけど注意しなさい。この競技は武器を使う以外なんでもありだから絶対単独行動はしちゃだめよ? ……それにこの競技にもレベッカちゃんは参加するそうだし……」
「ですね……レベッカさんだけではないですが要注意しておきます」
「絶対三人で行動するのよ? いいわね? 三人でよ?」
「大事なことだから二回言ったんですね。わかります」
三人は準備運動を終えいよいよ位置につく。
そして皆開始の合図を待つ。
「では始めます! 3、2、1、スタートッ!」
空に爆発する魔法が放たれスタートの合図がなる。それと同時に一斉に参加者がスタートし、物凄い速さで駆け抜けていく。ジンたちも負けじと走るがジンが冒険者のためそれに合わせてしまうので、どうしてもビリになってしまう。
「くっそはえぇ! すいません! 自分が遅いばかりに!」
「大丈夫よ! 障害物が各地点にあってそれをクリアしないと先えは進めないの! いかにうまく障害物をクリア出来るかが勝利の鍵よ!」
「そうだよジン! 頑張るわよ!」
「わかった! 二人ともありがとう!」
そういい早速一つ目の障害物、3メートルの壁へと辿り着く。ランとダイコは楽々ジャンプして超えたがジンは届かないため二人に上で手を伸ばしてもらいそれを掴んでよじ登った。
第一障害物をクリア。
このマラソンには10の障害物があり、ゴールに近づくにつれて障害物の難易度も上がっていく。
三人は現時点では、まだ最下位に近いが次々と人を抜かしていく。
第二の障害物は、平均台の上を50キロのダンベルを持ちながら落ちないように渡る、というものだった。これは三人ともなんなくクリア。
第三の障害物はジンの元いた世界での牛乳に近い飲み物を5リットル飲み干す、はランがすこし手間取ったがクリア。
その後も第四、第五、第六の障害物をなんとかクリアし、かなり上位の方へと上がっていく。
そして第七の障害物へ差し掛かかった時だった。
「よし! 多分ここが首位グループよ!()なんとか追いついたね!」
「だね! で、障害物は……」
「ごめんジンちゃんランちゃんどうやら私はここで一旦止まらなきゃいけないみたいだわ」
「「え?」」
そう言ったダイコの目線の先をみるとそこには、にやりと笑いながらダイコを見つめるレベッカがいた。
「レベッカちゃんだったかしら? 私に何かようかしら?」
「ええ。あなたに用があるわ。私は強者と闘うためにこの祭りに参加したの。正直どの人も強くなかったわ。だけどあなたは違う。私の目が確かならだけど……」
「あら、高く買ってくれるわね? ご期待に添えればいいのだけど……」
「ふふふ……楽しみだわ。こんなにワクワクするのは久しぶりね、あなたはそうは思わなくて?」
「そうね、楽しみだわ……ジンちゃんランちゃんはなんとか二人でこの先の障害物も上手くやってね。追いつけたら追いつくわ」
「わかりました……どうかお気を付けて、先で待ってます。」
「ええ、行きなさい」
「「うんっ!」」
ダイコは二人を見送るとレベッカの方に向き直し戦闘態勢に入る。
「随分と余裕ね、追いつくなんて言っちゃって...本当に追いつけるのかしら? ここで私に負けて棄権って未来が見えてるのだけど……」
「かなり自分に自信があるようだけど……あんまり"オカマ"舐めない方がいいわよ?」
そういうとダイコは全身をオーラの様なものを纏う。
それを見たレベッカは危険を察知しすぐに戦闘態勢に入る。そしてレベッカも同様にオーラを纏う。
「じゃあ始めようかしら? "オカマの底力"見してあげるわ」
「ええ、始めましょうか……」
そして二人の戦闘の幕が今開幕する。
ジンとランは後ろを振り返らずただ前を見て走りゴールを目指すのであった。
遅くなってしまい申し訳ありません!明日は二話か三話投稿する予定です!