大事な大事なプロテイン
俺はマッチョだ。
自分でも自分の筋肉を誇りに思う。
街で歩いていても必ず二度見はされる。
そんなマッチョだ。
だがそんなマッチョでも辛いことがある。
今がまさにそうだ。
俺は今、ライブの物販に並んでいるのだ!!!
この真夏の炎天下に並び始めて2時間は経ったであろう、だが列は半分いったくらいだ。
これはキツイ。
キツイ、誰かと一緒に来ていたら時間が経つのも早いだろうが今は1人で並んでいる。
なぜかというとその物販に並んでいるライブはアニメの声優が行うライブだからである!
普段はマッチョで顔もなかなかのイケメン、休みに行うスポーツで魅せる運動神経で周りからのイメージは良いものとなっている。
そんな訳でオタクということを打ち明けられずにいた。
「あぁ、アニメ好きの知り合いが欲しいなぁ。」
そうボヤいていたらさっきまでは太陽に雲がかかり涼しかったのだが急に雲が消え太陽が直に照らしてくる。
「これは暑いな、何か飲み物が無いと最後までもちそうにない。」
持って来ていたプロテインを飲みきってしまい身体中の水分が奪われる。
「やばい、頭がクラクラしてきた。」
フラフラっとしてた所を隣の人が支えてくれた。
「大丈夫ですか?日陰で休みましょう。」
そう言ってスタッフを呼びに行き、何人かが走ってきていた。
それを見たのを最後に気を失った。
そして目が醒めると。
「なんだここは!?」
そこにはまったく見覚えのない景色が広がっていた。
「嘘だろ?本当にこんなことってあるのか。」