プロローグ
始めまして。「お嬢様と夜空」&「悪魔のお嬢様は優雅!?」を見ているかたはお久しぶり。紀光です!!よろしくお願いします。
京轟総合病院―
「超最低!!!!!!!」
華蓮は朝から晩まで病友の葵蘭と裕香梨とおしゃべりするのが好き。
本当は外で遊びまわりたいんだけど…。
「何言ってんの!もう高1なんだし我慢しなよぉ」
葵蘭がご自慢の茶髪を揺らしながら言う。
葵蘭のメイクが綺麗に光る。
「でも…裕香梨だったらキレてるかも」
裕香梨のピンクの唇がゆっくり動く。
「だよねー!」
華蓮はうれしくておもわず大声を出す。
「っていうかぁ…」
葵蘭がつまんなさそうに茶髪をいじる。
「今日超いい話あるんだけど!!」
いい話…?
葵蘭のいい話はいつもいい話だ。
前は合コンの誘いだったし。
「いい話って何??」
葵蘭は間を溜める。
待つのが嫌いな裕香梨は貧乏ゆすりを始めた。
華蓮は裕香梨の足をビシッと叩く。
「イイ女は貧乏ゆすりしちゃだめ!!」
裕香梨の頬っぺたがプクゥと膨らむ。
「なんと…」
「うん…」
裕香梨は嬉しそうな顔でうなずく。
「葵蘭達と同じ中3の男の子達と合コンすることになりましたーっ♪」
裕香梨は持っていた本を落とす。
華蓮は目をまんまるにしてみる。
しばらく沈黙が続く。
「ヤ…」
珍しく裕香梨の唇が早く動く。
それだけ興奮してるって事かな??
「やったー!!!!!!!!!!!!!!」
裕香梨が葵蘭に飛びつく。
「あんりがとぉ!!葵蘭ちゃーん」
「よちよち。ゆかりちんは甘えんぼさんだねぇ」
華蓮も笑顔で飛びつく。
「あんりがとぉ!!葵蘭姉ちん♪」
「アリガトー。可愛い妹の華蓮チャン♪」
華蓮は思いっきりの笑顔をみせた。
しばらくして裕香梨と華蓮は離れる。
「マジでぇ??華蓮超嬉しいよぉ…。だって今まで葵蘭が紹介してきた合コンほとんどグチャグチャで終わったジャン!!」
前の合コンはオヤジばっかだったしぃ…。
隣で裕香梨も首を振ってる。
「そうでしょー??葵蘭も超嬉しい♪」
葵蘭の長い足がベットに乗る。
「裕香梨超楽しみぃ♪」
「華蓮もぉ…」
華蓮は手を握る。
「で…どうやって抜け出す??」
葵蘭がにやりと笑う。
「この葵蘭がいるんだよぉ??この京轟 葵蘭がっ」
「やっぱり院長の娘はたよりになるぅ♪」
「モチロン!!だってぇマサが教えてくれたんだもぉん♪」
華蓮が葵蘭を冷やかす。
「ウホォ!!ラッブラッブだねぇ♪」
「モチラブラブでぇすぅ♪」
華蓮が葵蘭の頭を軽く叩く。
「華蓮達『彼氏いない軍団』の反撃だーーーー!!!!!!!!!!!」
「裕香梨もぉ」
裕香梨も参加する。
「分かったよっ!!それなら連れていーかない」
華蓮と裕香梨の手が止まる。
「葵蘭姫の言う事に従いマース!!!!」
葵蘭の白雪姫のような顔が笑顔になる。
「フフフフフフフ。じゃあこのお姫さまのためにジュース買ってきてー♪」
葵蘭の唇がゆっくり動く。
「自腹で!!!!!!!!!」
「え〜〜〜〜!!??」
華蓮と裕香梨の声が重なる。
「はもってるぅ」
「それは…残酷ですぞ…葵蘭姫…」
「行け!!!!!!!」
華蓮が葵蘭のバックからお金を取る。
いただきっ!!
「じゃあねぇ♪」
「あっ…!!」
華蓮は走り出した。
その時は華蓮は知らなかった。
自分の病気の重さを―
運命のヒトのこと―
運命のヒトが分かるのは…もうちょっと後の話…。