ギルド ☆
「一応あの門兵からギルドの場所は聞いたが、まっすぐ進めばすぐに分かると言っていたが...」
言われた通り門から続く中央通りをまっすぐ進む。歩きながら周囲を見てみると、お店があった、いや、お店しか見当たらない。分かりやすく言うならば商店街のようなイメージである。しばらくすると広場の様なところについた。広場の真ん中には誰かは知らないが、銅像が建っていた。
「でかっ!」
思わず呟いてしまう。
そう、でかいのだ。高さは15メートルはあるだろうか、マンションでいうなれば3階から4階ぐらいの高さだ。一瞬違和感が仕事をしたのだが、気のせいだろう。
銅像の奥に見える、他の建物より一回りでかいのがギルドだろうか。いや、あれは間違いなくギルドであろう。なぜなら看板にデカデカと書いてある。
『冒険者ギルド』
「なるほど、確かに分かりやすいな」
思わず苦笑いをしてしまう。
さっそく中に入って見ると、ガヤガヤと中々に賑わっているように感じられる。窓口のような所に向かう
「あの、ギルド登録をしたいのですが...」
少し挙動不振になってしまっている。
「こんにちは。ギルド登録ですね?登録はあちらの窓口となっております」
受付嬢はそんな事は気にして無く、笑顔で教えてくれた。
「あ、そうなんですか。ありがとうございます」
一番奥を指指していたので、そこへ向かう。
「こんにちはー。登録をしたいのですが。」
少し慣れた様だ。
「こんにちは。はい、ギルド登録ですね。では少々お待ちください。」
そう言って奥へ行き、なにやら水晶のような物を持ってきた。
「お待たせしました。この水晶に両手の手のひらをつけてください」
「分かりました」
指示に従い水晶に手をつける
「っと、はい、もう良いですよー。ギルドカードを作成するので30分ほど待っててくださいね。」
「はい、分かりました」
(うーん、30分かぁ、意外に時間かかるもんだな。どうやって時間潰そうか。)
などと考えていると、突然騒がしくなった。
「あれ、フェニックスの奴らじゃねーか?」
「あのフェニックスだと!」
「4人中3人がAランクで、もう1人をAランクまであと一歩って噂の」
「この街にAランクが7人も...」
(なるほど、あの4人パーティは有名なのか。Aランクか、さぞかし凄いんでしょうね、Aランクがどれ程凄いのかよく分からんがww)
そのへんにいたモブ冒険者に尋ねる
「あの、Aランクってそんなに凄いでしょうか?」
「ばっ、お前さんしらねぇのか?Aランクつったらこの国に30人といないんだぞ!」
「なるほど、ありがとうございます」
すごいらしい。と、こうしてる間にそろそろ時間だな。さっきの窓口へ向かう。
「あの〜出来ましたか?」
「はい、今さっき出来た所ですよ」
はいどうぞ、と渡されたギルドカードを見る。
表
ユーリ・クライバー (18)
LV: 1
HP: 50
MP: 10
STR: 50
VIT: 50
AGI: 50
INT: 50
DEX: 50
LUK: 50
スキル:[スタミナアップlv1]
<スタミナアップ>
スタミナが増える
裏
F
表にはステータス画面と同じだ。
裏には大きくFと書いてある。
(ほぉ、意外にかっこいいもんだな)
「ギルドについて説明しますね。ギルドとは依頼の仲介役のような形になります。依頼とクエストは同じ意味です。ギルド会員ですと、クエストと言った方が一般的ですね。クエストを受けるにはボードにある依頼用紙を
剥がして持ってきてください。報酬は、それを証明できるものが必要です。例えば、討伐クエストならモンスターの魔石となります。
2ヶ月以上クエストの達成が無いと、警告が入ります。それから1ヶ月以内にクエストの達成が無いければ除名処分となります。また、規約違反を犯しても除名処分となります。除名処分となりますと、ブラックリストに登録され公表されます。つまり、普通のお店などが利用出来なくなるので大変です。また、多大な罰金を払うことによって除名復帰をする事ができます。また、ギルドの判断で、高ランク者は除名処分にされない場合もあります。ギルドランクはF〜Sまでが存在します。A.Sランクが高ランクとして見られます。受けられるクエストは、その人のランクとその下の2つまでです。例えばBランクの人はB.C.Dのクエストが受けられます。
それと、ギルドは基本的には、会員同士のトラブルには不干渉です。トラブルには気をつけてくださいね」
「分かりました。
ところで、宿屋を探してるのですが安くておすすめな宿屋はありませんかね?」
「それでしたら、にゃんこ亭がおすすめですね。一泊大銅貨1枚で泊まれますよ」
(だいたい千円くらいか安いな)
「にゃんこ亭ですか。分かりました、ありがとうございます。
それと、大銅貨1枚を稼げるクエストだと、どんなものがありますか?」
「それでしたら、いやし草×10本を収集する常備クエストがあります。報酬は銅貨5枚なので20本収集してくれば大丈夫です。あ、常備クエストとは、依頼ボードの隣にある掲示板に掲載されています。現在ですと、いやし草の収集、ゴブリンの討伐ですね。この2つはいつもありますが、期間的にOO討伐などといったものが掲載される時もあります」
「なるほど、ありがとうございます。いやし草というのは何処に生息しているのでしょうか?」
「それでしたら、街をでて10分ほど歩くと草原があります、そこに点々と生えています。
特徴は高さ20センチほどで、茎の先から葉が5枚開いています。茎の先から5枚の葉が生えているのはいやし草だけなので、間違えるそとはないと思います」
「把握しました。色々と教えていただきありがとうございます」
お礼を行ってギルドを出る。宿屋代を得るためにさっそく街の入り口の門へ向かう。
(そういえば、太陽が傾き始めてるよ...はぁ、腹へった)
おそらくこの世界で目覚めたのが9時頃だろう。すでに時間は1時を回っていた。
「飯は夜まで我慢だなぁ。いや、いやし草を集めらんなかったら飯無いんだけどさ...」
そう呟きつつ街の門までやって来た。
「異世界初クエストだ!張り切ってくぞぉー!!」
気合をいれた後、街を出る。
さぁ冒険の始まりだ。
街から出る時にも身分証の提示が必要なようだ。
とある門兵は無駄にギルドカードを見せびらかしてくる青年に会ったとか
友人が描いてくれました
ギルドカード裏
ギルドの受付嬢と仲良くなると思いましたか?
残念でしたぁ!
仕事中に仲良くなるなんて、結構難しいですよね
それと、すみません!今回も説明回のようなもんでしたね。