贈り物 ☆
「す、すごい...」
「ユーリ君あんなに強かったなんて!?」
「あの時とは比べ物にならない」
「さすがは私が見込んだ奴だ!」
これはアントビとポーラ。
「あれれぇ〜?そんな物なのぉ〜」
「ごおぉぉお!」
ちなみにオーガキングのステータスはというと
LV: 34
HP: 5600
MP: 450
STR: 1400
VIT: 1100
AGI: 150
INT: 150
DEX: 400
LUK: 50
スキル: [厄災モンスター]
と、ユーリより圧倒的に高い。おそらくはSランクのパーティが相手にするべきステータスだろう。ユーリはstrにほとんどのステータスを振って、残りはagiだ。一撃でもくらえば致命所は避けられないだろう。それでも対等に渡り合えているのは、情報を集めそれをなんどもシュミレートしていたからだ。オーガ系のモンスターに限った事ではない、集めた情報の中で様々な種類のモンスターに対策をしている。厄災モンスターのオーガキングといえどオーガ系に当て嵌まるのだ。
「ブギャァア!?」
「よぉ〜し!これで動けないでしょぉ?」
15分程の激戦を得て、ユーリはオーガキングの左脚を切断する事に成功した。agiにもっと多くのステータスを振っていればもっと早くケリがついただろう。しかしオーガキングのvit値が高すぎるのでstrに振らざるおえなかった様だ。
ユーリはそれからも油断する事なく20分もの時を掛けてオーガキングの息の根を止めた。
「っふぅぅ〜疲れたぁ〜」
そしてそのまま倒れ込む。
「くっ、体力を使い過ぎたか」
「お、おいユーリ大丈夫か?」
「ユーリー!凄かったよ!いつの間に抜かされちゃったみたいだねぇ」
「ああ、大丈夫だ。それとポーラうるさい」
少し休憩を挟み街へ帰還する。
戦果
死亡
オーガキング
Bランク冒険者7人
負傷
Bランク冒険者2人
アントビ
アントビはユーリが参加する前に怪我を負っていた様だった。
「お疲れ様でした。おかげでリードルフは無事でした。これは報酬です」
アーロルドはそう言い報酬を渡す。
Bランクには金貨5枚
Aランクには金貨10枚
死亡したBランク7人の報酬については、その人に家族がらいれば家族に渡し、家族がいない人の報酬は皆で分配となる。ユーリは要らないと、さっさと宿屋へ帰ろうとする。
そして、それぞれ報酬を受け取り解散して行く。と、なるはずがアーロルドが、
「ユーリ君は少し残ってください。話があるので」
「分かった」
アーロルドの私室に案内された。
「ここは私の部屋なんだ。主に事務をする為に使う」
「それで?要件はなんだ?」
「ランクアップについてだ」
「ほお」
「君がほとんど単騎で倒したのは知っている。普通ならAランクは確実だ。しかしウチのギルドマスターはあんなんだからね...そのお詫びに報酬の増額だ。」
金貨100枚が並べられる。
「Bランクくらいにはなれるのか?」
「ああ、それは勿論可能だ」
「まぁ問題はないぞ。ちょうど金が必要だったからな」
「それは良かった。して、何故金を?」
「迷宮都市イスブルクに行きたいんだ」
「なるほど...この街には居てはくださらないのですね」
「ああ、アーロルドには世話になったな」
ユーリはアーロルドからたくさんの情報を教えて貰っていたのだ。そして、ユーリの友達と言えるものであるのかもしれない。
ユーリはイスブルクに行く為の準備を本格的に始めた。日持ちする食料などを買い、にゃんこ亭へ帰る。
ユーリが金を必要としていた。武器や防具、アイテムなどを買っても金貨10枚もしない。
ユーリが買いたかったのは奴隷だ。迷宮は対処しきれないだけの危険がある、そこで奴隷だ。人数が増えれば生存率も上がるし、いざとなれば生贄にして逃げれば良い。
この時ユーリは、ある事を失念していた。何故仮面を被っているのかという根本的な所を...
「失礼しまーす!ユーリさん来ましたよー」
「ああ、シャロットか」
「なんですか!その言い方は!本当に酷いですね。それより明後日は私の誕生日なんですよ!」
「そうか、それは良かったなおめでとう」
「もう!当日に言ってくださいよ?」
「明日ここを出てイスブルクに向かう。だから今言った。」
「えっ...ユーリさん行っちゃうんですか」
「ああ」
「そうなんですか...じゃぁしょうがないですね...」
「すまないな。さよならだ」
「はい!!...さようなら」
シャロットはしょんぼりした様子で出て行った。
翌日、ユーリの姿はリードルフにはなかった。
さらに翌日、にゃんこ亭にて
「シャロット誕生日おめでとう」
「ありがとうお父さん!」
と、にゃんこ亭の店主がプレゼントを渡す。
2つの袋を。
「なんで2つあるの?」
「ははは、それはな...今はいない人からのプレゼントだよ。昨日わたされたんだ」
「っ!? ユーリさん...」
「大事にしろよ?次会った時に見せてやれ!」
「うん!」
シャロットの首にはオパールのはめ込まれたブローチがあった。
どうも!
新章突入の予感!?
ユーリの優しさw
地図出来ました!
ユーリがいる国はロマリアです。そして目覚めた場所はリードルフです。
説明しますと、
貴族制度になっておりまして、それぞれの貴族が領地を治めています。領地名が家名となっています。そして領地の中にある1番大きな街も家名がつくことがほとんどです。
要するに、領地名=家名=行政機関のある街名
となります。
あと、王都の名前はサーブルクです




