仮面 ☆
「おい、あいつ...」
「ああ、ドルク達と一緒にいた奴じゃ、ないか?」
「なんで1人なんだ?」
ひそひそと冒険者達が話している。
「こんにちわ〜ケイトちゃん。これよろしく!」
「あんた…何してんの?」
「っん〜?なんの事?」
「まぁ、あんたがそれでいーならいーんだけど。で、これはなんの魔石?」
「ん?ベヒーモスだよ」
「なっ!この大きさの魔石を持つベヒーモス!?」
「ん、なんだなんだ?」
「おい、あのデカイ魔石、ベヒーモスらしいぜ」
「ドルク達がベヒーモス狩るつってたよな?」
「ってこたぁ、あいつらは...?」
「いや〜こいつすげー強かったんだよぉ〜」
ははははと、笑う。
「...あんた仲間は?」
「ん〜?なんの事かなぁ?」
「ドルクのパーティよ!」
「あっ!なるほどなるほど、ドルク達のことかぁ〜
死んだよ?」
「やっぱりね...だからあんたは...」
「なんか言ったぁ〜?」
「別に、あっこれはギルマスに報告しないといけないんだけど、今いないから副ギルマスと会ってもらうわ」
「まぁ時間あるしい〜よぉ〜」
「じゃ、案内するわね」
案内されたのは応接室の様な部屋だ。
すぐに人が入ってくる。
「私はこのギルドの副マスターのアーロルドです。よろしくお願いします」
「僕はユーリだよ、よろしく〜」
「少し話をして貰いたくてね。時間をとらせて貰った」
「そ〜なんですかぁ」
「まず、ドルク達の事は残念だったな...」
「ん?そ〜ですかねぇ」
「ですかね?って君、それはどういう意味かい?」
「だ〜か〜ら〜あの化け物を、殺したんですよ」
「うん、それで?...」
「ん?それだけだけどぉ」
「...ふむ、つまり君はこう言いたい訳だな。突然変異種のベヒーモスが街へ来れば多大な被害が出る、それを防いで死んだのなら残念ではなかったと?」
「そ〜なりますね〜」
「それは...」
(こいつは...人の命をおそらく数字で計っているな)
「でぇ、本命はあのベヒーモスでしょ?」
「あ、あぁそうだ」
「強さで言えばおそらくAクラスのパーティでも苦戦するだろぉね」
「そこまでか...それで、何故そんなものを君が倒せるのか。甚だ疑問ではあるな」
「それは、僕があいつより強かったからだよ」
「なんほど?まぁそれは置いておこう」
「それと、大きさは通常の2倍はあったね」
「ふむ、情報提供感謝する」
「はぁ〜い、それじゃ僕はこれで〜」
ドンッ
ユーリは曲がり角で誰かとぶつかった。
「なんだ貴様は!痛いではないか!」
ギルドマスターのジョンソンである。
お帰りになっていたようだ。
「あっ、すいませ〜ん」
「まったく...お?お前は昇格テストの時の」
「はい、その節はお世話になりました〜」
「とあるパーティと一緒にクエストを受けたと聞いていたが、1人なのを見ると死んだか?」
「はい、名誉の死を遂げました」
「はっ!何が名誉だ!?Cランクが死ぬと評判がさがるではないか!まったくとんだ恥さらしだ。お前もいたのだろう?ふん、Cランク最速記録と言うくせにな。所詮そんなものか」
常にニコニコとしていたユーリの顔がこの時少しだけ歪んだ。
「はい、そのとぉ〜りでございます〜」
そこでジョンソンはさっさと行ってしまった。
にゃんこ亭へ帰る前に食事をする。
にゃんこ亭の店主に水も飯をいらないと言い部屋にこもる。
ベッドに転がりながら思考に耽る。
(ふぅ〜...
仮面を被るのは疲れるな。だが、そうじゃないとやってられない。今だけは仮面を外すが、これからはもう外す事は無いだろう。俺はこれから仮面を被り続ける!)
どうも!
めっちゃ短いです...
夜にまた投稿するよていです。
それと、シャロットちゃんです!
仮面とありますが、これはユーリ本人だけどユーリじゃない精神と考えて貰った方が分かりやすいですね。




