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第3話 双子と共に

 少し、更新が遅れてしまいました;;


 さぁ、双子と共にお買い物に行きます!


 ドキドキするマレーヌを引っ張る双子の姉・リリー。


 マーロンを気に入った女の子みたいな双子の弟・フィリー。


 買い物と前夜祭の話になってます!


 

 どうぞごゆっくり♪

 街は先ほどと同じく活気付いていた。人がたくさん行き交う。風の王国だってたくさん人が行き交っているが、あたしは過去のことがあって外出を控えていた。でも、こんなに素敵な街並み。存分楽しまなくちゃ!

「マレーヌ、どこか行きたい所ある??」

 リリーが歩きながら聞いてきた。

「そうだなぁ…」

 実の所、行きたいという当てはなかった。それに、同年代の子と話すなんて久しぶりのことで、かなり口下手になってしまった。言葉がなかなか出てこない。

「2人の行きつけのお店を紹介してもらうのはどうマロ?」

 マーロンがフォローを入れた。ありがとマーロン!!心の中で感謝する。

「いいわね!じゃあまずあたしの行きつけのお店にレッツゴー!」

 張り切るリリーはあたしの手を引く。びっくりしたけど、振り払うなんてことはできず、かえって嬉しく思った。友達と買い物に行くとこんな感じなのかなってわくわくしていた。

 

「ここよ!」

 リリーに連れらたのはかわいい雑貨店。ちょっと派手な感じの小物が並ぶ。

「やっぱりリリーはここだね」

 フィリーがのんびり言った。

「決まってるでしょ!?まっ、あんたの行きつけの店なんて承知してますケド!!」

 リリーが強気で言った。

「マレーヌ、来て来て。いいものがあるのよ!男子諸君は勝手に見てて」

「へ!?ちょっと、リリー!」

 またリリーに連れられ、店内へ入っていった。赤や青、オレンジ、緑、よく見るとエスニックでヒッピーな感じのものばかりだった。おしゃれな女の子たちがじっくり小物を眺めている。出来るだけ、昔のことを考えず、リリーについて行く。

「どう?この髪飾り!!素敵でしょ?」

 リリーが立ち止まり、並べられていた髪飾りの1つを頭にかざす。赤くて丸いストーンを囲むようにして白い羽がついた髪飾り。

「かわいい!リリーにピッタリだと思うよ。ストーンの鮮やかさがすごく似合ってる!!」

 あたしの言葉にリリーははにかみながら微笑んだ。

「ほんと?やぁね、フィリーと一緒にきて感想聞くのよね。でも、うんいいと思うよ~なんて。適当で~!やっぱり女の子と一緒に買い物するのは楽しいわね!」

「そ、そう!?あたしこんなの初めてで…。あたしも楽しい!!」

 リリーは頷きながら、他のものを物色している。

「マレーヌは買い物とかしないの?友達と一緒にこういうお店とか…」

「ううん!あまりそういうことしないの!あたしあんまり外出しないから!」

 リリーの言葉を遮って、明るく言った。本当のことがばれたくなくて、明るく言った。リリーは少し驚いたようだがかわいいシュシュを見つけてあたしに見せた。

「ちょっと、マレーヌ!これ、あなたに似合うわ!」

 白いサテン生地に銀色のラインが入ったかわいらしいシュシュ。シンプルだけど、何にでも合いそうなシュシュだった。

「どうかしら?風の王国って銀色ってイメージがあるから…。マレーヌ、つけてみて!!」

 リリーは2つシュシュを取り、あたしに差し出した。2つということは髪につけたらいいのかな?ちょっと緊張しながら、高く縛ったツインテールにつけてみる。

「…つ、つけたよ」

 顔を上げて、おずおずと微笑む。リリーは顔を輝かせて、

「うん!あたしの思ったとおり!いいじゃない!!」

「ほんと?ありがと…。うれしいな」

 鏡を見て確認してみる。銀色のラインがキラキラ光っている。サテン生地も輝いてる。

「そのシュシュどう?あなたにとっても似合うと思うんだけど」

 リリーが様子を見て呟く。

「もちろん、買う!せっかくリリーが選んでくれたんだもん♪」

 髪から取って、もう1度シュシュを見る。なんだか、うれしくなった。初めて会ったリリーに似合うと選んでもらったシュシュ。ずっと大切にしようとそっと決めた。

「んじゃ、あたし他に欲しい物無いから会計しちゃう?」

「そうする!あたし早くシュシュ買いたい!」

 ささっと会計を済ませて店内を出た。しかし、マーロンとフィリーの姿が見当たらない。

「あれ?もしかしてもう行ったのかしら…」

 リリーがため息をついて言った。

「どうする?何処に行ったかもわかんないし」

「大丈夫!フィリーのことなら、なーんでも分かってるから。さっ、行こうか」

 リリーがずんずん歩いていった。

「待って~」

 置いてかれないように慌てて追いかけた。と、あたしの足元に一枚のチラシが落ちていた。拾って見てみる。

不死鳥フェニックスパレード、ファイアー・1・コンテスト?」

 パレードのコンテストの呼びかけのチラシのようだ。手に抱えたまま、リリーを追いかけ聞いてみた。

「あぁ、それはね、なんでもいいから自分が得意とすることをやって、1番優れている人を決めるの!優勝した人は素晴らしい名声をいただけてね、火の王国ではすごく名誉なことなの!」

 リリーは生き生きと答えてくれた。

「それに出る為、あたしとフィリーはダンスのレッスンをしてたのよ。コンテストに出る為にずっと練習してきて、今年、やっと初出場!ファイラの舞は火の王国の伝統的な踊りで王家の者は必ず踊れなくちゃならない。だからその踊りで優勝できたらすごいと思わない!?」

 リリーは今までを懐かしむように話してくれた。その横顔はとても真剣なもので、凛としていた。右耳についているイヤリングが赤い光を放っている。ぼぉっと見つめていると、

「やぁね、恥ずかしいじゃない。そんなに見つめないでよ」

「はっ!ご、ごめん。なんだかすごく綺麗で…。イ、イヤリングが!」

 勘違いされそうだったから、急いで言い直した。(いや、リリーは綺麗だけど!!)

「このイヤリングはアミュレット。火の王家のアミュレットよ。あなたもらってたでしょ?」

 とあたしの首元を指差した。あたしはチョーカーに触れて、聞いてみる。

「これ?」

「そう。王家の者なら王家として認められたときに、証の宝石がついたアミュレットをもらえる。マレーヌの場合、風の王家である証のクリスタルがついたチョーカーね」

 リリーの返答に驚いた。このチョーカーがアミュレットだったなんて。ただのアクセサリーかと…。

「そうだったんだ。お守りの効果ってどんなのかな?」

「さぁ?あたしのアミュレットの効果でさえ分からないから…」

 とイヤリングに触れながら答えるリリー。

「リリーのアミュレットについてる宝石は?」

 赤く光る宝石を見つめ、素朴な疑問をふっかけた。

「これはルビーよ。紅玉とも言われる宝石」

「へぇ。赤いから火っぽいね」

「ふふ、そうね。このイヤリングは10歳で1つ、20歳で両方が揃うの。んで、あたしたちは…あたしが右耳でフィリーが左耳につけてって別にどうでもいいわね」

 リリーは笑って誤魔化した。なんだかんだ言って、フィリーのことが大好きなんだな。くすっと笑ってしまった。

「ちょ、ちょっと何笑ってんのよ!」

 慌てるリリーにあたしは、

「な~んでもないよ♪」

 納得いかない様子だったリリーだが何かを見つけて走り出した。

「あぁ!まってよ~」

 追いついた矢先。 

 ”スコーン”

「いったいーい!!」

「もぅ!待ってろって言ったでしょ!?なぁに勝手に先行ってんのよ!!」

 目の前に頭を抑えるフィリーと拳でチョップを入れるリリーの姿。そのすぐ傍でマーロンが呆然とその光景を見ていた。

「ごめんね、リリー。だって、早く行きたかったんだもん」

「だからって何か言ってから行くでしょ!?」

 とこんな感じで口論が続く。とりあえずスルーして、マーロンに声を掛けた。

「マーロン!」

「あっ!マレーヌ~、助かったマロ~。次の店に行くとか言い出して、連れて行かれるところだったマロ」

「そうだったの!?いいタイミングだったみたいね」

「うんうん。マレーヌはどうだったマロ?」

「とても楽しかったわ。シュシュ、買ったの!しかもリリーが選んでくれたシュシュ!!」

「おぉ、そりゃ良かったマロ!マロォ!!??」

 会話の途中、マーロンがフィリーに助けを求められ?悲痛の叫びをあげた。

「うぇ~ん、マーローン。僕何にも悪いことしてないのにぃ」

「わっかってるっマッロ!いいから離してマロ!!!!!」

 わかってるを言うだけなのに、『っ』がやけに多かった。

「フィリー!!何買った見せなさい!!それで許してあげるわ!!」

「イヤだよ!!…恥ずかしいもん」

 イヤだよはハッキリ言った割に、後の言葉は自信なしといった感じだった。

「まぁいいわ!!帰ってゆっくりじっくり話を聞かせてもらうから!!」

「そ、そんな~~」

「さっさと帰るわよ、フィリー。さっ、帰りましょう?マレーヌ、マーロン♪」

 あからさまに違う態度。フィリーには無事を祈ることしか出来なかった。


「ふぅ~、もうクタクタよぉ~」

 ドサッとベッドに腰を下ろしたあたし。そしてヘロヘロとマーロンが部屋に入ってきた。

「あのフィリー王子はオイラにベタベタしすぎマロー。大変な目に遭ったマロ」

 マーロンは疲れた表情でベッドに身を投げた。あたしは苦笑いで、

「ふふ、まぁいいじゃない。フィリーに好かれて」

「マローー」

 街に行っている間、フィリーはマーロンをクマタンと一緒に放さなかった。そしてフィリーはクマタンのバックを買ったらしい。しかもめちゃめちゃフリフリな。(by マーロン情報)

 街はとてもにぎやかで、活気付いていた。リリーによると、パレードが近いので人々が準備に取り掛かり、にぎやかになっているとのこと。パレードは年に1度あり、火の王国誕生を祝うものと言っていた。パレードは火の王国の人以外に他国の人も訪れるほど、盛大に行われるそうだ。風の王国にもそうゆうパレードがあればいいのにな…。

「ところでマレーヌ、パレードはいつ開催されるマロ?」

「えぇ~と、3日後」

「そうマロか~」

「あ、そういえばリリーとフィリーはパレードのコンテストに出場するみたい」

「すごいマロよね。あの2人はダンスで出場するって言ってたマロね」

 リリーとフィリーが踊っている姿を思い出す。一生懸命頑張ってたな~。

「そうだマロ!マレーヌも出場すればいいマロ~!」

 『出場』という言葉にあたしは驚いた。

「なんで!?あたしが出場しなきゃならないの!?」

「こんな機会めったにないマロ。大勢の人にマレーヌの魔歌を聞かせるマロ!!」

「あたしの魔歌を人々に…?」

「そうマロ。マレーヌの魔歌を聴けば、みんな感動するマロ~~。しかも当日までに希望しておけば出場できるって、チラシに書いてあったマロ」

「でも、大勢の人の前で歌える自信ないもの…」

 家来やメイドとか、魔歌の先生や両親とか、身近な人の前だったら自信を持って歌える。けど、大勢を前にして歌う自信なんかない。だけど、もう1人のあたしは歌え歌えってわめいてる。そんなあたしにマーロンの言葉が後押ししてくれた。

「自身なんか必要ないマロ。ただ、みんなが笑顔になってほしい、みんなに元気になってもらいたいって言う気持ちでマレーヌは今まで歌ってたマロ。それを発揮するときマロよ。違うマロ?」

「ううん、違わない。そうよね、魔歌はみんなの為を思って歌うものよね」

「うんマロ。マレーヌ、コンテスト出場するマロ?」

「えぇ、もちろん!」

 

 それからすぐ、コンテストに出場する為に申し込みをした。今回は出場するひとが少ないからって、喜んで出場が決まった。毎回約300組出場するのに、今回は180組しか出場しないらしい。頑張って優勝しなくちゃ!…といっても練習する日はほんのわずか。今日はもう遅いし、明日と明後日、明々後日の午前中しかできない。しかも、明後日は前夜祭で夜7時からお城で儀式があるみたい。火の王国誕生説に出てくる『不死鳥』の為に儀式をして、豪華な食事をしてと、みんなが騒ぐそうだ。ちょっと、心配だけどやるっきゃない!!


                   ~前夜祭~

 ”ざわざわ ざわざわ”

「騒がしいでしょ。…前夜祭って」

 隣でリリーの声がした。周りがうるさくて、かろうじて聞こえた。

「まぁ、みんな楽しそうだからいいんじゃない?」

 と返した。本当にみんな楽しそう。

「本当は、儀式が終わってからの食事が楽しみなのよね、きっと」

 とリリーが言った。あたしは今、普通にリリーと話いるけど、それはリリーと(フィリー)が優しくしてくれるからだ。あたしは同じくらいの年の子が苦手だった。少し、ほんの少しだけど、自信が付いてきた。リリーが同じ王家の人だからってのもあるかもしれないけど、すごく楽しい。お城の案内をしてくれたときも、街に行ったときも、今も、楽しいときを過ごせている。リリーはサバサバしているので話しやすい。時々、(フィリーに向かって)毒舌を吐くこともあるけど、それもリリーとしてのいい一部なんだと思う。

「みなさま、静粛に。前夜祭を始めます」

 白ヒゲのおじいさんがマイクに向かって声を上げた。すると、騒いでいた人々が静かになった。ステージの上で白ヒゲの紙を見ながら進行している。あたしは、王家の人に関連する席に座っている。ステージの真正面に長机が置かれ、そこで座り心地いい真っ赤な椅子に座っている。あたしの後ろにずっとテーブルが何台も置かれて、その周りに5,6人グラス片手に立っている。

 ステージの上にリリーとフィリーのお父さんつまり、王様が立ち、挨拶が始まった。

「えぇ~、本日は待ちに待ったパレードの前夜祭だな。年に一度ということで他国からも大勢、パレードに参加しようと訪れておられます。誠に感謝申し上げます。今年もまた火の王国として、熱いパレードにしようではないか。

 しかも、今年は100年に一度の『大幸福の年』。ちょうど100年前の『大幸福の年』に、マリア・ピアニコが不死鳥と我々火の王国の民の為、魔歌を納めたのだ。そして、その魔歌は100年後の『大幸福の年』の不死鳥フェニックスパレードで不死鳥と共に今1度目覚める、と書物に記されていた。どのような魔歌は誰も知らぬ。不死鳥の再生と共に魔歌が聞けるのだ。我々は とても素晴らしいときを過ごしているのだと、感じられるだろう」

《フォーーー》

 ”パチパチ パチパチ”

 盛大な拍手と歓声が会場に広がった。

「マレーヌ、今の聞いたマロか?不死鳥と共に魔歌が現れるってことマロね!」

「そうみたいね。…なんか、とんでもない時にあたし達はいるのよね!」

 王様の話を聞いて、長机座っていたマーロンが興奮して言った。100年に1度の時に、再生する不死鳥と一緒に魔歌が現れる。ホント、とんでもない。だって今年、この日(パレードの日)にいないと、火の王国の魔歌を手に入れることはできなかったのよ!?なんかすごい偶然。旅をするのが遅かったり、火の王国を後回しにしたりしてたら、駄目だったってコト。

 前夜祭は順調に進み、とりあえず終わった。儀式は退屈だったけど、食事は楽しかったし、豪華でとても美味しかった。リリーとフィリーに「おやすみ」と挨拶をして、部屋に戻ってきた。

「うぅ、マーロン、あたしお腹がはち切れそうだわ」

「オイラもマロ。もっと、控えるべきだったマロ」

 チラッとマーロンのお腹を見ると、

「ぎゃ!何そのお腹!お相撲さんみたいよ!?」

 短い悲鳴を上げてしまった。だって、マーロンのお腹が服からはみだしてるんだもん。しかも、真ん中の出ベソが目立ってるw

「お相撲さんなんて、言い過ぎマロ~」

「そんなこと言われても、お相撲さんとしか言いようが無いのよ(笑)」

「うぅ~、言い返せないマロ」

「まぁ、明日はコンテストもあるし、さっさと寝ましょ」

 あたしはマーロンをユニットバスに入れて、ルームウェアに着替えた。マーロンをユニットバスから出して、(ベッドが1つしかないので、)一緒に寝た。起きた時、マーロンがあたしの下敷きになっていたのは、言うまでもない…。


 どうでしたでしょうか??


 なんと、マレーヌもコンテストに出場することになりましたねえ!


 魔歌が不死鳥と共に…復活!?



 最後まで読んでくださりありがとうございましたペコ


 次回もお楽しみに~ペコペコ

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