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エピローグ 晴れ渡る空の下

 さんさんと太陽の光が降り注ぐ。今日は快晴。


「マレーヌ、もう行ってしまうの?」

 初めて出会ったときと同じ着物を着ているサラサは、凛としていた。その斜め後ろに立つウォーテルさん。妹を優しく見ている。


 あの後、医療班や兵士がすぐ駆けつけた。ウォーテルさんやロベルといった負傷者を手当てして、シーイブ村へ戻った。その日のうちに水の王国にも帰ることができた。


 土の王たちから聞いた話。数年前、ローブの女性がふらっと現れたそうだ。そして、ウォーテルさんが水の王家だということを伝え、大まかな計画を話したという。

 その計画を水の王国で働いていたロベルにも伝え、計画が実行可能だと分かり、細かい計画を練っていた。あたしが水の王国に来ることも女性は分かっていたらしく、あたしが来てから実行することになっていた。どうして、あたしが来てからなのかは分からないけど…。


 細かいことを話していると長くなってしまうから簡潔に言うけど、土の王やロベルは数年間の間、女性に託された計画を細かく綿密に練り、ずる賢い蛇のように計画を実行した。

 しかし、計画も失敗に終わり、全てが水の泡になって消えたのだ。


「うん。いつまでもここにいられないしね…。水の魔歌は手に入れられたし!!」

 あたしはにこやかにVサインを作って見せた。

「そうですの…。それなら結果オーライってことで、ベリーグッド?」

「サラサ、無理に英語を言う必要はないと思うが…」

「まぁ、本当のことですから。いいじゃないですか、アハハ。兄妹で息ぴったり!!」

 サラサの天然ボケ(?)に、ウォーテルさんのナイス突っ込み。座布団3枚!!

「何もかも、マレーヌさん、あんたのおかげだよ。本当にありがとう」

 ウォーテルさんが心からお礼を言う。操られていたときより、随分明るく爽やかに笑う。


 ウォーテルさんは土の国の薬で操られていた。それでもサラサへの想いは揺ぎ無く、その間で揺れてごちゃごちゃになっていたらしい。だから、真実を思い出そうとすると、頭痛を引き起こしてしまうようだった。これも、薬の影響だと考えている。でも、あたしの魔歌でサラサを守るって言う想いを再確認できて、元に戻ることができた…ようで。

 2人は初めて会ったときよりも、快い顔つきになっているような気がした。


「そんなことないマロ~」

 なぜか、ウォーテルさんのお礼にマーロンが答えた。あたしが視線を送るのだが、全く気づいてない。そして、コテツ君があたしにあることを問いかけてきた。

「最後にマレーヌ様にお聞きしたいのですが、土の国で雨を降らせましたよね?あれはどうやったのですか?!」

「あぁ、あれは…。あの日は東から西向きの風が吹いてて、夜に雨が降る予報だったの。それで、風の魔術で、雨雲を呼び寄せたってわけ」

 その結果、土の王はサラサがハープで、あたしが魔歌で、雨を降らせたと勘違いした。それで、あっけなく降参しちゃって…。水の王国の兵達に連れて行かれたのである。

「そうだったのですね。わたくしもすごく気になっていて!!」

「えへへ、とっさに思いついたことだから、上手くいくか分からなかったけどね~」

 あたしは正直に感想を言って、頭を掻いた。

「まっ、あんなすんなり信じると思ってなかったマロね?」

「ふふ、あの人たちの事思い出すと、今でも笑えてくるから!」

 みんな、頭の中で、土の国の人たちが一列に並んで土下座したいる光景が浮かんでいるだろう。顔がにやけてくるぞぉ。

「さぁ、サラサ、いつまでもマレーヌさんを引き止めても駄目だぞ」

 沈黙が少し続いたので、ウォーテルさんが名残惜しそうに切り出した。サラサが頷き、目を潤ませてあたしに近づいてきた。あたしも自然と足が出る。

「…マレーヌ、短い間でしたけど、いっぱいいっぱいありがとうですわ~!」

「あたしも!!サラサのおかげですごく成長できたんだよ~~!」

 お互いに抱き合って、声をあげて泣く。


 その隣で男の人たちの別れの挨拶が行われていた。握手をして、頷きあっている。おぉ、なんだか、かっこいいじゃないですか!!


 あたしたち女の子は、「こんなことあったね」とか思い出を語り合っている。そして、落ち着いてから(サラサと抱き合ったまま)、ウォーテルさんに声をかけた。

「絶対にサラサを守ってくださいね!あたし信じてますから。これから、いろいろ大変かもしれませんが、2人なら大丈夫ですから…!」

 これから、2人に襲い掛かるのは王家の問題。会見は無事に済んだそうだが、これからウォーテルさんをどうするかとか、後継者がどうたらこうたらで大変になってくるはずだ。

「あぁ、必ずやりとげる。サラサは俺が守るから…。本当に何度礼を言っても足りないくらいだ。ありがとう」

 ウォーテルさんがさわやかに微笑む。大丈夫だと確信し、サラサから離れ、スクーターを出す。

「じゃあ、サラサ、また会おうね!」

「えぇ。マレーヌ、絶対にまた水の王国に来てくださいね!」

「もっちろん!」

「マレーヌさん、魔歌集めの旅、頑張れよ!!」

「はい!」

「マレーヌ様、ご健闘をお祈りしています!」

「ありがとコテツ君!」

「マロッチ、マレーヌさんを守ってね!!」

「お供として、当然マロ~!」

 みんなと一言ずつ交わしていく。さっとスクーターにまたがり、エンジンをきかせる。そして、まっすぐ前へ走り出す。

「ばいば~い!!」 「さようならマロ~~!!」

 あたしとマーロンの声がこだまする。3人が黙って手を振り続ける。



 最後に見たのは、柔らかな笑みを交わし、寄り添う兄妹の姿でした。



 水の章完結です!!お疲れ様でした。。。




 仲良しなきょうだいっていいですね。


 


 次回からの花の章でもきょうだいが出てきます。しかもとてもユニークな!!



 来週からテスト期間で更新できませんが、終わり次第、必ず更新します!!



 その時まで待っていて下さい><




 最後まで読んでいただきありがとうございますペコ




 次回からの花の章もよろしくお願いしますペコリ


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