第7話 心配するお供
どうも!!
更新率全然上がらなくて、本当にすみません!
頑張りますので…^p^
どうぞごゆっくり♪
「コテツ君、いる?マレーヌよ。マーロンもいるわ」
朝食を済ませ、部屋に戻ってそのまま、コテツ君の元へ来た。
サラサのお供コテツ君に呼ばれて、訪ねることになった。
”ガチャ”
「お待ちしていました。どうぞ、入ってください」
つるつるした白い体が姿を現した。すぐさまコテツ君の部屋に案内してくれた。
部屋はサラサの部屋でもあり、淡い水色を基調とした家具が並んでいた。整理整頓され、清楚で清潔なイメージ。部屋は2つに区切られており、カーテンで仕切られた奥は寝室。入ってすぐのこの部屋は、テレビを見たり、何かを書いたりするところみたい。
寝室とは反対側の横長のドアに案内された。コテツの部屋と書かれた札が掛けられている。コテツ君専用の部屋らしい。
サラサ、優しすぎる!あたしなんか、ポストみたいな部屋なんだけど…。こんなに差があっていいのか!?と内心思い、マーロンをちらりと見る。マーロンは唖然とし、口を『お』の字にしている。風の城に戻ったら、ちゃんとした部屋にしてあげよぉ…。
コテツ君は低い位置につけられたドアノブを、ヒレで器用に開けて中に入れてくれた。入り口のドアにも、低い位置にドアノブがあった。コテツ君のためのドアノブだったんだ。
8畳くらいの小さな部屋。天井を見上げると、大きな水槽が部屋の奥まで続いている。小さな階段を上がると、水槽に入ることができるみたい。水槽の前に犬用のクッション。これはコテツ君のベッドだろう。左側の壁には、ミニ冷蔵庫とタンス。右側には、本棚が並んでいる。入った手前の右隅には、高々とテレビが飾られている。アザラシにしてはなんと、贅沢な部屋なの!?コテツ君の背丈から考えて、テレビ以外は小さな家具が使われている。動物園のアザラシが見たら、なんと言うだろう?太陽ががんがん当たった外に放り出されてるんだぞ!
コテツ君が貝殻の形をしたクッションを取り出して、座るよう促してくれた。ふかふかのクッションにあたしたちは座ると、コテツ君が目の前で止まった。座ったと言う方が、正しいはずだ。
「マレーヌ様、マロッチ、来ていただいてありがとうございます」
ペコッと全身でお辞儀をする。
「サラサ様から聞いたけど、話って何マロか?」
マーロンが率直に聞いた。すると、コテツ君は瞳を濁らせ、話し始めた。
「昨夜、サラサ様とウォーテルさんのお話、聞いてらっしゃいましたよね…?」
!! …やっぱり。
「ご、ごめんなさい。盗み聞きする気はなかったの。サラサの様子がおかしかったから、気になっちゃって…」
あたしは正直に認め、謝った。
「いいんです。仕方ありませよ。サラサ様は本当に気が動転していましたし、マレーヌ様は優しいお方って…あっ」
コテツ君がそこで言葉を切らせた。なぜか、気付いたように言葉をつぐむのであった。その先も言ってよかったのに。
「コテッチ、昨日はどこにいたマロ?」
あたしも気になってたこと!
「部屋の中です。僕もサラサ様の様子がおかしいと思って。2人は口論で気づかなかったみたいだけど、僕は部屋の中からお2人が見えちゃったんで」
「そうだったんだ。あの、コテツ君はいつから知ってたの?2人が兄妹だって事…」
どうしても、『兄妹』って言葉にどもってしまう。
「それは、僕がサラサ様のお供になってすぐ聞かされました。
国民に王子は、ウォーテルさんはサラサ様の生誕一ヶ月で病死したと…」
「そんな、ひどい!」
拳をぐっと握り締める。
「ウォーテルさんは、ある家に養子として引き取られ、静かに暮らしていたそうです。自分が王家の者だと知って。
あるとき、執事になると言って家を飛び出し、執事育成学校に通い始めた。成績優秀で学校側から、学費が支払われ、ここまできたと。卒業後はすぐに水の王国の執事として採用されたそうです。16歳と若いながらも、その優秀さで採用された。王様方は、初めは気付かなかったけど、やはり気付いてしまったそうです。」
コテツ君は静かにため息をつき、続けた。
「辞めさせられそうになったのですが、条件付きならばと…」
「条件?」 「条件マロ?」
あたしとマーロンが声をそろえる。
「けっして、サラサ様と周囲の人たちにばれてはいけない。1人にでも気付かれたら、国外追放、サラサ様にも2度と会わないという条件です。そして、見張り役を兼ねて、僕がお供として配属したんです」
コテツ君の声は重く暗い。あたしは声を出すことが出来なかった。サラサとウォーテルさんだけでなく、コテツ君もつらい思いをしている。
「兄弟だと知っているのは、王様と王妃様、ウォーテルさん自身、じいやさん、僕。後、あなたたち2人です。そして、サラサ様まで…」
涙をボロボロ流しながら、
「どうか…このことは内密に!!」
体を寄せて訴えた。コテツ君はサラサたちを引き離したくないのだ。
「当たり前じゃない!!2人を引き離すなんて絶対ダメ!ねぇ、サラサはいつ知ったの…?」
『2人が兄妹だということ』 この言葉は続けられなかった。コテツ君は少し考え、
「どうやって知ったのかは分かりませんが、1年前くらいです。何の前触れもなく、僕に聞いてこられました。自分達は兄妹なのか、と。
驚きました。それまで何も知らずに過ごしてきたはずなのに。どうやって知ったのかも、教えてくれませんでした。ウォーテルさんも知っているのかは分からなかったそうです…」
「分からなかったって?」
「あの、実はウォーテルさんが認めたのは昨日が初めてだったんです。
これまで2人であのような話をしたのは数回程度みたいで…。その数回の間、しらを切り続けていたけれど、昨日になって初めて認められたのです」
コテツ君が頭を抱えながら説明する。
ウォーテルさんはどうして急に認めたのだろう?あの口論で立場が悪くなったから?しらを切ってももう無駄だと思ったから?しかし、他に理由があるのだと、あたしは直感で思った。
「僕、昨日は本当に驚きました。認めたのが王様達に行き渡れば、ウォーテルさんの立場がなくなってしまうのに」
「オイラもそう思うマロ。しらを切っていれば、まだ安全なのに…」
「あたしもよ!何か他に理由があるのよ」
「そうですよね。でも、どんな理由が?」
直感で思っただけで、理由は分からない。あたし達の中で理由が分かる人なんていない。
「と、とにかく、これからどうすればいいの??」
今後どうするかなんて、全く考えもつかないあたし。
「このまま、様子を見るのが1番マロかね?それとも…」
マーロンはそこで言葉を途絶えさせた。コテツ君が顔をしかめて、
「やはり様子を見るべきです!2人とも、しっかりしていらっしゃるから。サラサ様が突飛な行動に出なければいいのですが…」
「大丈夫!心配要らないわ。サラサには、あなたというお供がいるわ。そうでしょ?」
あたしの言葉にコテツ君は自信を持ったようだ。そして、今まで1番頼もしい言葉を発した。
「はい!任せてください。本当にありがとうございました」
「頼りになる!あたし達でなんとかできるはずよ」
「そのためにも、これからしっかり考えないといけないマロね」
みんなで微笑み合うのだった。
絶対に2人を離れ離れになんてさせない。
いつか、2人で笑い会える日を届けてあげたい。ううん、届けてあげる!!
どうでしたか?
心配するお供は、コテツくんのことでした。
マーロンはいつの間に、コテツ君と仲良くなったのか…w
最後まで読んでいただきありがとうございましたペコ
次回もお楽しみに!!