表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/40

第7話 心配するお供


 どうも!!



 更新率全然上がらなくて、本当にすみません!




 頑張りますので…^p^





 どうぞごゆっくり♪


「コテツ君、いる?マレーヌよ。マーロンもいるわ」


 朝食を済ませ、部屋に戻ってそのまま、コテツ君の元へ来た。

 サラサのお供コテツ君に呼ばれて、訪ねることになった。


 ”ガチャ”


「お待ちしていました。どうぞ、入ってください」

 つるつるした白い体が姿を現した。すぐさまコテツ君の部屋に案内してくれた。

 部屋はサラサの部屋でもあり、淡い水色を基調とした家具が並んでいた。整理整頓され、清楚で清潔なイメージ。部屋は2つに区切られており、カーテンで仕切られた奥は寝室。入ってすぐのこの部屋は、テレビを見たり、何かを書いたりするところみたい。

 寝室とは反対側の横長のドアに案内された。コテツの部屋と書かれた札が掛けられている。コテツ君専用の部屋らしい。

 サラサ、優しすぎる!あたしなんか、ポストみたいな部屋なんだけど…。こんなに差があっていいのか!?と内心思い、マーロンをちらりと見る。マーロンは唖然とし、口を『お』の字にしている。風の城に戻ったら、ちゃんとした部屋にしてあげよぉ…。

 コテツ君は低い位置につけられたドアノブを、ヒレで器用に開けて中に入れてくれた。入り口のドアにも、低い位置にドアノブがあった。コテツ君のためのドアノブだったんだ。


 8畳くらいの小さな部屋。天井を見上げると、大きな水槽が部屋の奥まで続いている。小さな階段を上がると、水槽に入ることができるみたい。水槽の前に犬用のクッション。これはコテツ君のベッドだろう。左側の壁には、ミニ冷蔵庫とタンス。右側には、本棚が並んでいる。入った手前の右隅には、高々とテレビが飾られている。アザラシにしてはなんと、贅沢な部屋なの!?コテツ君の背丈から考えて、テレビ以外は小さな家具が使われている。動物園のアザラシが見たら、なんと言うだろう?太陽ががんがん当たった外に放り出されてるんだぞ!

 コテツ君が貝殻の形をしたクッションを取り出して、座るよう促してくれた。ふかふかのクッションにあたしたちは座ると、コテツ君が目の前で止まった。座ったと言う方が、正しいはずだ。

「マレーヌ様、マロッチ、来ていただいてありがとうございます」

 ペコッと全身でお辞儀をする。

「サラサ様から聞いたけど、話って何マロか?」

 マーロンが率直に聞いた。すると、コテツ君は瞳を濁らせ、話し始めた。

「昨夜、サラサ様とウォーテルさんのお話、聞いてらっしゃいましたよね…?」

 !! …やっぱり。

「ご、ごめんなさい。盗み聞きする気はなかったの。サラサの様子がおかしかったから、気になっちゃって…」

 あたしは正直に認め、謝った。

「いいんです。仕方ありませよ。サラサ様は本当に気が動転していましたし、マレーヌ様は優しいお方って…あっ」

 コテツ君がそこで言葉を切らせた。なぜか、気付いたように言葉をつぐむのであった。その先も言ってよかったのに。

「コテッチ、昨日はどこにいたマロ?」

 あたしも気になってたこと!

「部屋の中です。僕もサラサ様の様子がおかしいと思って。2人は口論で気づかなかったみたいだけど、僕は部屋の中からお2人が見えちゃったんで」

「そうだったんだ。あの、コテツ君はいつから知ってたの?2人が兄妹だって事…」

 どうしても、『兄妹』って言葉にどもってしまう。

「それは、僕がサラサ様のお供になってすぐ聞かされました。

 国民に王子は、ウォーテルさんはサラサ様の生誕一ヶ月で病死したと…」

「そんな、ひどい!」

 拳をぐっと握り締める。

「ウォーテルさんは、ある家に養子として引き取られ、静かに暮らしていたそうです。自分が王家の者だと知って。

 あるとき、執事になると言って家を飛び出し、執事育成学校に通い始めた。成績優秀で学校側から、学費が支払われ、ここまできたと。卒業後はすぐに水の王国の執事として採用されたそうです。16歳と若いながらも、その優秀さで採用された。王様方は、初めは気付かなかったけど、やはり気付いてしまったそうです。」

 コテツ君は静かにため息をつき、続けた。

「辞めさせられそうになったのですが、条件付きならばと…」

「条件?」 「条件マロ?」

 あたしとマーロンが声をそろえる。

「けっして、サラサ様と周囲の人たちにばれてはいけない。1人にでも気付かれたら、国外追放、サラサ様にも2度と会わないという条件です。そして、見張り役を兼ねて、僕がお供として配属したんです」

 コテツ君の声は重く暗い。あたしは声を出すことが出来なかった。サラサとウォーテルさんだけでなく、コテツ君もつらい思いをしている。

「兄弟だと知っているのは、王様と王妃様、ウォーテルさん自身、じいやさん、僕。後、あなたたち2人です。そして、サラサ様まで…」

 涙をボロボロ流しながら、

「どうか…このことは内密に!!」

 体を寄せて訴えた。コテツ君はサラサたちを引き離したくないのだ。

「当たり前じゃない!!2人を引き離すなんて絶対ダメ!ねぇ、サラサはいつ知ったの…?」

 『2人が兄妹だということ』 この言葉は続けられなかった。コテツ君は少し考え、

「どうやって知ったのかは分かりませんが、1年前くらいです。何の前触れもなく、僕に聞いてこられました。自分達は兄妹なのか、と。

 驚きました。それまで何も知らずに過ごしてきたはずなのに。どうやって知ったのかも、教えてくれませんでした。ウォーテルさんも知っているのかは分からなかったそうです…」

「分からなかったって?」

「あの、実はウォーテルさんが認めたのは昨日が初めてだったんです。

 これまで2人であのような話をしたのは数回程度みたいで…。その数回の間、しらを切り続けていたけれど、昨日になって初めて認められたのです」

 コテツ君が頭を抱えながら説明する。


 ウォーテルさんはどうして急に認めたのだろう?あの口論で立場が悪くなったから?しらを切ってももう無駄だと思ったから?しかし、他に理由があるのだと、あたしは直感で思った。


「僕、昨日は本当に驚きました。認めたのが王様達に行き渡れば、ウォーテルさんの立場がなくなってしまうのに」

「オイラもそう思うマロ。しらを切っていれば、まだ安全なのに…」

「あたしもよ!何か他に理由があるのよ」

「そうですよね。でも、どんな理由が?」

 直感で思っただけで、理由は分からない。あたし達の中で理由が分かる人なんていない。

「と、とにかく、これからどうすればいいの??」

 今後どうするかなんて、全く考えもつかないあたし。

「このまま、様子を見るのが1番マロかね?それとも…」

 マーロンはそこで言葉を途絶えさせた。コテツ君が顔をしかめて、

「やはり様子を見るべきです!2人とも、しっかりしていらっしゃるから。サラサ様が突飛な行動に出なければいいのですが…」

「大丈夫!心配要らないわ。サラサには、あなたというお供がいるわ。そうでしょ?」

 あたしの言葉にコテツ君は自信を持ったようだ。そして、今まで1番頼もしい言葉を発した。

「はい!任せてください。本当にありがとうございました」

「頼りになる!あたし達でなんとかできるはずよ」

「そのためにも、これからしっかり考えないといけないマロね」


 みんなで微笑み合うのだった。




 絶対に2人を離れ離れになんてさせない。




 いつか、2人で笑い会える日を届けてあげたい。ううん、届けてあげる!!







 どうでしたか?



 心配するお供は、コテツくんのことでした。



 マーロンはいつの間に、コテツ君と仲良くなったのか…w





 最後まで読んでいただきありがとうございましたペコ




 次回もお楽しみに!!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ