表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/40

第2話 魔歌の行方


 第2話です!!


 水の王国に到着ですね~~☆



 かわいい新キャラもちょっぴり登場です!!



 どうぞごゆっくり♪



 馬車に揺られること、数時間。ここ30分は街を通っていた。ここまで辿り着く間、川がたくさんあった。そして、その水源は…

「おっき~い!あの真ん中にあるのが、水の城!?」

 声を上げるほどに広がる湖。水平線にのび、底が透き通って見える。その真ん中にたたずむ、和風なお城。水の王国はこんな風になってるんだぁ!

「城に行くのには、この屋形船に乗っていきますの」

 サラサはにこやかに屋形船に向かう。あたしとマーロンも後に続く。

 屋形船の中は、畳が敷き詰められて、中央には長いテーブル。壁は全て障子張りで、外の景色を楽しめるようだ。中央にサラサ、その隣にじいやさんが座る。あたしはサラサの目の前に座った。ウォーテルさんは入り口の近くで立っている。サラサは正座をして、行儀よく座っている。これが大和撫子やまとなでしこってやつね。

「時間は掛かりませんわ」

 サラサが静かに言った。すると、じいやさんが、

「マレーヌ様よ、そなたはどのようにして火の王国の魔歌を手に入れたのじゃ?」

 興味深そうに聞いてきた。あたしはざっと火の王国であったことを説明した。でも、マリアが生きているかもという事と、あたしとリリーに起きたことは伏せながらだ。説明が終えると、サラサはじいやさんは目を爛々と輝かせていた。

「双子さんの仲を元通りにさせて、しかも魔歌が手に入るなんて素晴らしいわ!!」

「姫、その2つはきっと関連があるはずじゃ。不死鳥と言うのは肺の中から100年に1度よみがえる伝説があるんじゃ。まぁ、それはマレーヌ様が体験済みのようだしのぉ。

 しかし、他の説に不死鳥は初めはただの鳥であり、双子であった。片割れが死んでしまったときに、生き残った方も自らの命を片割れの死体と共に炎で焼いてしまったのじゃ。すると、灰になって無くなったつの体が1つとなり不死の魂を得たと…」

 そ、そんな伝説があるんだぁ。

「じゃから、ただ不死鳥が蘇るのを待ってるだけじゃ駄目だったかもしれんのう。双子の仲を元通りにさせるという難により、魔歌が手に入ったのだろう」

 あたしは驚いた。だって、あたしがパレードにいたのも偶然だったし、リリーとフィリーがケンカしたのも、仲直りさせたのも偶然だし。ただの偶然だと思ってたけど、こうなる運命だったのかも…。

「マレーヌ、その魔歌を聞かせてくださらない?」

 サラサが期待を込めた目で言った。マーロンも続けて、

「そういわれれば、1度も歌ってなかったマロね。マレーヌ、聞きたいマロ~!」

 とマーロンまで言う。あたしは目を伏せ、弱々しく事実を述べた。



「…実は魔歌が歌えないの」



「「ええ!?」」

「でも、手に入れたんじゃなくって??」

「そうマロ!自分で言ってたマロよ…?」

 2人が慌てて言った。そんな2人にあたしは訂正した。

「手に入れたし、体の中に沁み込んでるわ。上手くいえないけど、歌おうとすると、声が出なかったり、歌詞やメロディーがふっと消えたりするの…」

 胸の前で両手を握り締める。

「何度も何度も歌おうとしたのよ…?でも、歌えないの」

 力なく言った。歌おうと幾度も挑戦した。でも、魔歌はあたしの奥底に引っ込んでしまう。もしかしたら、魔歌は手に入ってなくて、自分でそう思い込んでるだけなの?

 だけど、確かに魔歌は―1文字1文字、1音1音は―、あたしの体に沁みこんで血液のように流れている。

「きっと、それは…」

 とじいやさんが声を漏らした。みんなが揃ってじいやさんを見る。

「きっとですな、7つの魔歌が全て揃い、ふさわしい時に、ふさわしい場所で、ふさわしい人を前にして歌えるようになるんじゃ…っと思いますぞ」

 落ち着き払って、自分の考えを言うじいやさん。ふぁ~、納得かも~~!

「そうかもしれませんね!…にしても、じいやさんはなんで、マリアの魔歌についてそんなに詳しいんですか?」

 じいやさんに聞いてみた。今までの話の中でじいやさんはマリアの魔歌について色々知っていた。じいやさんはほっほっほと笑って、

「わしは長く水の王国に勤めておりましてのぉ。新米のときは城の図書館の担当でな。その時に書物を読み漁ったのじゃ。早く上級の仕事をしたかったから、あの時は必死じゃった…」

 遠い昔を思い出し目を細めている。マーロンが耳元で、

「マリア・ピアニコや魔歌についての本が沢山あるって事マロよ!調べてみる価値はあるマロ~」

 と囁いた。マーロンにしてはいい考えじゃない♪

「じいやさん、そういった書物はまだありますか?」

 じいやさんは首をひねって、

「うむ、わしが担当しとったのも何十年も前だからの~。ある分は用意しておきますぞ」

 と言ってくれた。あたしは即座にお礼を言った。

「ありがとうございます!助かります!!」

 やった!これでマリアの事、いっぱい分かるかも。魔術歴ではそんなに詳しくやってなかったもんね!(やったかもしれないけど、あたしはモダンの話をぜんぜん聞いていなかった)

「みなさん、到着です」

 ウォーテルさんが呟いた。続けてサラサが、

「マレーヌ、マーロン、改めてようこそ!水の王国へ!!」

 水の王国!あたしは期待で胸を躍らせて、足を踏み入れた。




「サラサ様~~!お帰りなさいませーー!!」

 屋形船から降りると、白い生き物が丸い体を一生懸命揺らして近づいてきた。

「コテツー!ただいま帰りましたわ~」

 サラサが白い生き物に駆け寄り抱きしめる。コテツと呼ばれた生き物は、つるつるの肌をもったアザラシだった。愛くるしいくりくりした黒い目。鼻と口は小さく、突き出た鼻にはひげがピョコンと生えていた。かわいい~!あたし、こんな間近でアザラシ見たの…初めて~!

「サラサ様、そちらの方は??」

 コテツ君が短いヒレであたし達を指しながら尋ねた。そういう姿にきゅんとする。

「こちらは風の王国のマレーヌ・ピアニコさんとマーロン・D・ムーケさんですわ。魔歌探しの旅でこちらにいらしたの」

「それはそれはどうもです~。僕はサラサ様のお供でコテツと申します」

「よろしくね、コテツ君」

「よろしくマロ」

 簡単に挨拶をして、サラサが王の間へ案内してくれた。


 王の間は最上階にあって、サラサが城の内部を説明してくれた。

「この水の城は地上に3階、地下に5階ありますの。地下は地中ではなくて、水中に存在しますのよ?」


 そして、地上1階は食堂や大浴場など。2階はトレーニングルームや勉強部屋にレッスン室、会議室などがあるらしい。最上階は王の間とお偉いさんを通す部屋があるという。地下は後で案内してもらうことになった。


 ちなみに風の城は5階建てで、横に広い。火の城は3つの塔で成り立ち、真ん中が6階、両端が2階建てとなっていた。以上、マレーヌの雑学(雑談)でした。


 水の城内部には水路があって、廊下の片側に小川のように、水が流れている。静かに流れる川を見ていると、心が落ち着く…。そんなことを考えていると、もう着いちゃった。

「こちらが王の間ですわ。わたくしも帰ったことを告げに参りますわ。さぁ、入りますわよ?じいや、ウォーテルありがとう」

 サラサが振り返って言った。あたしは返事をして、身だしなみを整えた。じいやさんとウォーテルさんは静かにその場を去って行った。


 ”ギィーーーー”


 重々しい音を立て扉が開く。畳張りの豪華な部屋に厳格そうな男性と色っぽい女性。この人たちが王様と王妃様=サラサのお父さんとお母さん。

 お殿様みたいな格好をした王様は、きりりとした顔立ち。男の人にしては珍しい艶のある長髪。色は青っぽい。威厳な態度であぐらをかいて厳格なオーラを出す。

 隣には十二単を着て、どこか色っぽいオーラを放つのは王妃様。健康的な唇に色気を感じる。王妃様は黒い髪を頭でまとめている。しかし、耳に垂れていて髪もあり、これまた色っぽい!

 あたしは座布団に座るなり、2人のオーラに圧倒され、硬直してしまった。

「父上、母上、火の王国から戻って参りました。パレード期間中は、わたくし…体調が優れなくて参加できませんでしたの。でも、じいやとウォーテルによると、とてもにぎわっていたそうですわ」

 サラサは背筋を伸ばして、はきはきと話した。こういった場に慣れてるのだろうと、感心していた。

「ほう。無事に戻ることが出来て何よりだ。では、隣の方は何卒なにとぞこちらへ参った?」

 お腹の底からの低い声。我に返り、緊張気味に声を出した。

「あたし、風の王国から魔歌探しに来ました。マリアンヌ・ピアニコです」

「オイラはお供のマーロン・D・ムーケですマロ」

 マーロンの後にサラサが、

「マレーヌとマーロンは火の王国で、パレードのコンテストで準優勝をし、魔歌を手に入れたそうですわ。丁度、同じ船でしたので、お招きしました」

 と経緯いきさつを説明してくれた。王妃様が垂れた髪を耳にかけて、

「それは素晴らしいわね。ということは、水の王国の魔歌も探しにいらっしゃったのね?」

 色っぽい声で言った。この王妃様、どこをとっても色っぽい。王妃様の誘惑に負けじ?と、

「はいそうです。唐突ですが、マリアが納めた魔歌はありますか?」

 と尋ねた。いい答えが返ってきますように…。

「うむ、少し込み入った話があってな…」

 王様が腕組みをして、重々しく話し始めた。

「そなたの国と我が王国の間に、土の国があるのは知っておるか?」

「はい…。100年前の戦争で分かれた小国と…」

 魔術歴で習ったことを懸命に思い出して答えた。

 土の国は元々、水の王国の領地だったけれど、戦争の為、分かれた国らしい。他の岩や木の国も同じ感じ。反発はさすがにないけど、国の合併にはどこの王国も踏み出していけないみたい。難しい話だからよく分からないけど…。

「うむ、そうなのだ。土の国とはいい関係を築きたいのだが…。

 長くの戦争が終わり、土の国が水の王国であった時、マリア・ピアニコが魔歌を納めたのだ。その魔歌は巻物に印され、ずっと守られてきた。しかし、土の国が分かれる時、巻物の半分を持っていかれてしまった。それから、土の国とは和解できずに巻物も半分なのだ。

 といっても、残っている方も、魔歌が暗号のように印されており読めぬ。学者達が手を尽くしておるのだが、分からぬ状態だ」

 眉をひそめて、険しい表情で語る。やっぱりそんな簡単にいく訳ないか。

「この件については試行錯誤が必要になってくる。長くなってしまうが、待ってくれぬか?マリアンヌ姫よ」

「…はい。お願いします」

 そして、部屋を後にし、サラサにこれから寝泊りする部屋へと案内してもらった。



 水の魔歌は手にいられることができるのかな??


 あたしの胸の中には不安の文字がぐるぐると交差していた。





 どうでしたか??



 なんだか、上手くいく予感がしませんね…w



 どうにか魔歌を手にいられるように応援してくださいwww





 感想などお待ちしています!!

 最後まで読んでいただきありがとうございましたペコリ



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ