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第1話 船の中


 運動会も終わり、頑張って更新したいと思います!



 始まりはフェリーからです。



 ここで新たな出会いが…!!!



 どうぞごゆっくり♪


「あぁ~暇だわ~~」

 水平線をボーっと眺める。

 火の王国から水の王国行きのフェリーに乗って1時間。あたし、船に乗るのは初めてで、ひたすら待つのは苦手。だから退屈だ!!後1時間も何をして待ってろって言うの!?

「仕方ないマロ。だって、水の王国まで遠いマロから」

 マーロンは宙をただよいながら呟いた。

「マーロン、あたし寝るね。時間になったら起こしてちょうだ〜い」

 力なく言って、客席に戻る。そこに、

「お姉ちゃん、お船の後ろにプカプカ浮いてるの」

 と小さな男の子が服を引っ張ってきた。フェリーの後ろを指差している。

「んん??そこに連れてってくれる?マーロン行くわよ〜」

 興味をそそられ、あたしは男の子に案内してもらった。眠気も吹っ飛び、わくわく。



 男の子が連れてきたのはフェリーの後方で下の海を指差す。

「あのね、このロープの先に何かくっついてるの。海の中でね、あっ、ほらあれ!」

 手すりにきつく縛られたロープは海の中へ消えたいった。でも、光が反射したときに大きなタルが見えた。異常なほどに大きなタルから筒のようなものが出ている。

「怪しいわね。ありがとね、僕。危ないかもしれないから、中で隠れててね?」

 男の子はこくんと頷いて走り去った。

「オイラが引き上げるマロ!!」

 マーロンが両腕にはめられたリストバンドを外す。

 マーロンは20センチくらいの妖精だけど、見た目と裏腹に怪力なのだ。マーロンを甘く見てると痛い目見るのよ~。普段はリストバンドで力を押さえつけてるから心配要らないけどね☆それに、彼は温厚な性格だから、怪力で暴力を振ることなんてないから~。

「うぬぬぬぬぬぬ~~~マロォ!!」

 ”ザバーーン”

 お見事!ロープが波打って、タルは空へと飛び出した。そして、タルは甲板へ向かって勢いよく…

 ”バリバリバリ”

 甲板に激突し、タルは真っ二つに割れた。中から生まれたのは…?

「いってーなーって…お前!?」

「ハラペコ3人組!!」

 コッペ・ラハ、チョーウ、ナノレスのハラペコ3人組が生まれた。じゃなくて、出てきた。

「うぅ~2度と会いたくない奴らマロ~」

 マーロンの言葉にあたしは同感だった。

「なんだと~」

「だと~」

「だと〜」

 ペッコ・ラハの後に続くチョーウとナノレス。しかしここで、突然声が響いた。

「ここですわね!!」

 3人組の後ろから、長く艶のある黒髪の女の子が現れた。あたしと同じくらいの年。

「ここは危ないわ!戻って!!」

 あたしはとっさに叫んだ。人質に取られたりしたら大変だもの!

 女の子はワンピースの上に着物を羽織っている。淡い青色の布地に、水の模様が描かれた高級そうな着物。長い髪を後ろで束ね、いかにもお嬢様。しかし、この状況を見て、逃げずに声を張り上げた。

「そこのおかしな3人組!!ここで何をしているのです!?」

 か弱いイメージが吹っ飛んでいくような口ぶり。ハラペコ3人組は、目を丸くしている。

 今だ!魔術を使おうとした。

「すぐに答えられないと言うなら、見過ごせませんわ!観念なさい!!―――水よ、龍となり邪悪な者を追い払え!」

 女の子に先を越され、魔術を唱えられた。海の水が伸びてきて龍となった。龍は3人組に向かい、大きな音を立てて、3人組を空高く飛ばしてしまった。そして、また捨て台詞を残す。

「船の豪華な食事が食べたかっただけなのにーーー!」

「「「ハラペコ、グーーー‐‐‐‐」」」

 ”キラーン”

「あなた方、大丈夫ですか!?」

 女の子が心配そうに駆け寄ってきた。あたしたちは苦笑して、

「はい、大丈夫です。いいとこ取られちゃったね、マーロン」

「そうマロね。それにしてもあの3人、こりないマロね」

 安否を確認すると、女の子は頷いた。

わたくし、サラサ・イネットと申しますわ」

 その名前を聞いてマーロンが目をぱちくりさせた。

「イネット?王家のものマロ?水の王国の…」

「えぇ、そうですわ。水の王国の姫ですわ。もしかしてあなた方も??」

「あっ、はい。あたし、風の王国の姫で、マリアンヌ・ピアニコです。こっちがお供の…」

「マーロン・D・ムーケですマロ。なぜ、すぐにお分かりに?」

 マーロンが自己紹介をして、唐突に言った。

「マリアンヌさんは生誕パーティで有名ですわ?それに、火の王国のコンテストでお2人は準優勝になられたと聞きましたの。15歳と準優勝、おめでとう」

 笑顔で答え、お祝いまでしてくれた。

「ありがとうございます。えっと、サラサさんは何歳なんですか?」

わたくしも今のところ15ですわ。でも、今年で16になりますの」

 あたしの1つ年上かぁ。それにしても年下と分かっても丁寧なしゃべり方…。

「とにかく、ここで立ち話するのもなんですから、一旦客室に戻りましょう?」

 手招きをして、サラサさんが言った。


 連れてかれたのは一般の客室じゃなくて、サラサさんの個室。

 中にはサングラスをかけたスーツの男性が、白ひげのおじいさんが待っていた。スーツの人はドアのすぐ近くで、おじいさんは窓の近くの椅子に座っていた。

「じいや、ウォーテル、今戻りましたわ」

 サラサさんが静かに言った。じいやさんはヒョコヒョコと近づき、ひげで隠れた口から声を出した。

「心配しましたぞ、姫!はて、この方はどなたかの?」

「こちらはマリアンヌ・ピアニコさんとマーロン・D・ムーケさん」

「ほう!ピアニコとは風の王家の者ではござらんか~。ささ、お座りください」

 椅子を指差して言った。あたしは慌ててじいやさんに、

「あ、あたしは大丈夫ですよ??お構いなく、座ってください」

「いやいや、このじいは大丈夫ですぞ。じいだと思って甘くみなさんな、ほっほっほ」

 と軽く笑って、あたしを椅子に座らせた。サラサさんはふふっと微笑み、

「マリアンヌさんは魔歌探しの旅で水の王国に?」

「そうです。あっ、マリアンヌじゃなくてマレーヌって呼んで下さい」

「あらそうですの?じゃあ、わたくしのことはサラサとお呼びになって。それに敬語は使わなくても良くてよ?マレーヌ、マーロン、水の王国へようこそ。でも、まだ水の王国じゃありませんわね」

 楽しげなサラサ。

「ありがとうサラサ。少しの間よろしくね」

 なんだか楽しくなりそう。

「えぇよろしく。こちらの紹介がまだでしたわね。こちらはじいや、ロベル・タイタン。水の王国に勤 めて長いの。王様の補佐役ですわ。

 そして、こちらがウォーテル。ウォーテル・スイーザ。わたくしの執事兼ボディーガードよ」

「どうぞ、よろしくですじゃ」

「…どうも。自分のことはお気になさらず」

 2人は挨拶をして、頭を下げた。あたしも慌てて頭を下げた。

「あの、サラサ姫は何の御用事でこの船に乗ってるマロ?」

「不死鳥パレードに呼ばれてましたの。でも、開会式しか出席してなくて…」

 サラサはマーロンの質問に恥ずかしそうに答えた。

「実は、開会式から体調を崩していて…。パレードやコンテストが拝見できなくて、残念でしたわ。今はもう元気ですけれど」

 頬を赤らめた。あのパレードを見られなかったなんてほんと残念。あたしは励ますように声を掛けた。

「そうだったんだ。でも、来年もあるだろうから、大丈夫よ!」

「うふふ、そうね。ありがとうマレーヌ」

 といった風に楽しい会話をして、水の王国に到着するのを待った。



「マレーヌ姫よ、我が国についたらどうなさるのじゃ?」

 じいやさんに聞かれた。

「えっと、まず王様たちに挨拶して…。それから魔歌を探すので…」

「そうですか。よかったですな、姫」

「えぇ?その魔歌はすぐに用意できるんじゃなくって?」

「マリア・ピアニコが納めた魔歌ですからな。本で読みましたが、その国で起こる難を解決することで魔歌が手に入るそうですぞ」

 へぇ、そうなんだ!でも、火の王国の難って?リリーとフィリーを仲直りさせたこと??仲直りで魔歌が手に入るってどうなのかな…。コンテストで準優勝したこと?でも、普通なら優勝だよね。

 とにかく、水の王国でも頑張らなくちゃ!!

「皆さん、着いたようですよ」

 ウォーテルさんが静かに告げた。いよいよだわ!拳をグッと握り締め、気を引き締める。サラサが、

「もちろん、わたくし達と一緒に城まで行かれるのよね?」

 とにっこりした。あたしはぺこっと頭を下げて、

「よろしくお願いします!!」

 にっこりした。


 いよいよ水の王国だ!!




 水の王国のサラサ。礼儀正しく、真っ直ぐな女の子です!!



 水の王国で、何が起こるのか!!



 最後まで読んで下さりありがとうございました~ペコ



 

 次回もよろしくお願いしますペコペコ

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