第7話 結果発表!?
コンテストの結果がついに発表されます!!
結果はどうなるのか~~!?
どうぞごゆっくり♪
満席の客席は落ち着きを持たず、興奮を隠せない。
コンテストはすぐに再開。という訳にもいかなかった。被害は出なかったけど、審査が長引いたの!結果はどうなったのか…。長引くほどだから…。うぅ、考えるのが怖い!!
「大変長らくお待たせしました!!ファイアー・1・コンテストの審査発表です!」
「「「イェーーーーイ!!!」」」
「受賞は優勝、準優勝、特別賞が1組ずつ、審査員賞が3組ずつ。計6組です!」
6組かぁ、狙うは優勝!心臓がバクバクする!!!!
「まず、審査員賞からです。1組目は…」
審査員賞では呼ばれなった。安心したような、不安なような。残りは3組。この中に入ってればいいんだけど…!
「次に特別賞の発表です!特別賞は、エントリー№25ポラポラ団の皆さんです!!おめでとうございます!!」
受賞したポラポラ団は、7人の人たちが愉快な芸を披露していたものだった。サーカスを見ているような気分でかなりの観客の人たちが楽しんでいた。
「続きまして、準優勝です。準優勝は、エントリー№110マレーヌ・ピアニコさんとマーロン・D・ムーケさんです!おめでとうございます!!!」
「やったー!マーロン、準優勝よ!!!」
あたしたちの名前が出た途端飛び上がった。周りの目も気にせず、舞い上がる。マーロンを掴んで、ぎゅっと抱きしめた。マーロンがペチャンコになりそうだったので離してあげた。
「やったマロ!!優勝じゃなかったのが悔しいマロね!!」
と言ったが、満足している様子だった。あたしも同じ。
「では、優勝の発表です!!!唯一、栄光に輝いたのは…?」
”ダダダダダダダダダダ ダダン”
照明が落ちて、ライトが回り、太古が鳴り響く。そして照明がパッとつく!
「エントリー№186リリー・ファランさんとフィリー・ファランさんです!!!!おめでとうございまーーす!!」
「「「ワーーーーーー!!!!!」」」
”パチパチパチ”
拍手喝采の中、あたしの隣で泣き声が…。リリーとフィリーだ。
「フィリー、ゆ、優勝よ~~~!!」
「リリー、やったよーーー!!」
その後ろでサングラスを外して二人の肩を叩く、ラック先生。
「お前ら、よくやったぞ!!うっ、先生はうれしいぞぉ!」
3人で泣きながら喜んでいる。
「受賞された6組のみなさん、ステージへお上がりください!!表彰式を行います!」
あたしはマーロンを肩に乗せて、双子と共にステージへ向かった。
ステージに上がった人たちは凛とした表情で。
あたしたちは賞状と小さな銀色のトロフィーを貰った。リリーとフィリーは賞状と金色の大きなトロフィーと真っ赤なローブを貰っていた。羨ましい!!!
最後に優勝した2人が挨拶をした。
「みなさん、リリーです。あたしたちは優勝を目指してずっと頑張ってきました!今この瞬間をいつまでも心に刻み、一生忘れません!本当に優勝をありがとうございます!!!」
「僕はこのコンテストで、リリーと言う双子の存在を、改めて大切だと感じました。リリーがいてくれたから、僕がいて、ここで優勝することが出来ました!!もちろんたくさんの支えがあっての優勝です!!」
2人の挨拶にはまた拍手喝采だった。会場全体が拍手で包まれる。そんな中、2人を見つめながら、
「双子っていわね」
賞状を大事そうに抱えるマーロンに耳打ちした。
「そうマロね。マレーヌに双子や兄弟がいなくても、オイラがついてるマロ!」
マーロンが胸を張って囁き返した。あたしはその言葉にちょっと照れながら、
「そうね。マーロンはあたしの家族で兄妹だもんね♪ありがと!」
感謝の言葉をそっと呟いた。
あたしたちの準優勝も、双子の優勝も、マーロンの言葉も心の底から嬉しく感動で…。会場の人たちの笑顔も、歓声も心を打つもので…。
大歓声に包まれながらコンテストの幕は下りた。
☆ ☆ ☆
火の城に戻ると、リリーとフィリーの優勝、あたしとマーロンの準優勝でお祭り騒ぎだった。
前夜祭であんなに大騒ぎしたのにまたまた大騒ぎ!?と思ったけど、王様たちがお祝いしてくれるのを見ると、すごく気持ちが良かった。あたし以上にリリーとフィリーは喜んでいた。だって、ずっと練習してきて想い入れあるからね。みんなにトロフィーと賞状を自慢げに見せていた。王様と王妃様は目に涙を溜めて、とても嬉しがっていた。
夕食会は1時間ほどで終わり、部屋に戻ろうとした。
「マレーヌ、ちょっと!」
リリーがあたしを呼び止めた。隣にフィリーが立っていた。
「今日は夜更かしOKって言われたの!この後あたしの部屋に集合よ☆」
「お菓子いっぱい用意しておくから!お菓子パーティだよ!!もちろんマーロンも来てね~」
ウィンクをするリリーと親指を立てるフィリー。あたしは顔を輝かせて、満面の笑み。
「分かった!部屋に戻って、すぐ行く!!」
走って部屋に戻った。
部屋に戻ってトロフィーなどをテーブルへと移した。このまま眺めてたい所だけど、お菓子パーティに呼ばれたんだから急がなくちゃ。マーロンを部屋から出して着替えた。ドレスを脱ぐと、体が軽くなった。きっと一緒に緊張や疲れがとれ、心も軽くなったんだと思う。ルームウェアにパーカーを羽織り、マーロンを部屋に入れて聞いてみた。
「マーロンもいくでしょう?お菓子パーティ」
「ん~っと、行くマロ」
マーロンは少し考えて答えた。あたしはククッと笑って、
「フィリーに捕まるのがこわいんでしょ!?」
ズバリ言ってやった。
「まぁ、それもあるけど…。マレーヌの話聞いてないマロ~」
ぼそぼそと言った。あたしは何のことか分からなくて、口を開こうとした。
「どういう…」
「さぁ、リリー姫の部屋に行くマロ~~」
と遮られてしまった。疑問を抱えたまま、足を運んだ。
リリーの部屋では既に双子が準備をして待っていた。お菓子とジュースがたくさん置かれた丸いテーブル。リリーに手招きされ、リリーの傍のオレンジ色のクッションに座った。マーロンが困っているとフィリーが一回り小さなクッションを出した。フィリーはニコニコして、リリーはあきれていた。とりあえず、出されたクッションに座り、お礼を言うと固まってしまった。
「っま、とりあえず、盛り上がるわよ!!」
リリーが第一声をあげた。続けてフィリーが、
「準優勝と優勝を祝して乾杯だよぉ~~」
ジュースをグラスに注いで、みんなが手に持つと、フィリーが声を上げた。
「かんぱ~い!」 「「「かんぱーい!!!」」」
”カーーン”
心地よい音が響いた。そこから、他愛のない会話が始まった。同じ年頃の子とこんなに話すの初めて~!リリーとフィリーが王家の人だからってのも普通に話せるのかもしれないけど。でも、こんなに簡単なことなんだもん。他の子達とも普通に話せるようになって、仲のいい友達ができるよね!?
パレードの話になっていた。
「ねぇねぇ、あの時、リリーとフィリーのイヤリングが光ったけど…。あれって、アミュレットの効果だよね?」
あたしはずっと思ってたことを口にした。2人がケンカをして、再会するとき。イヤリングから赤い光が放たれた。2人のイヤリングが共鳴するように…。
「お父様に聞いたら、心の意思がイヤリングに伝わって、2人を巡り会わせる力となった…んじゃないかって」
とリリー。
「このイヤリングは昔、僕らみたいな双子が使ってて、2人が離れ離れになったとき、会いたい!って強く願うとお互いのイヤリングが反応したんだって。だから、このイヤリングは気持ちをつなげる、アミュレットだって言ってたね」
とフィリー。
「ふーん。じゃあ、あの時、2人の気持ちはつながってたんだね~」
あたしが思い出しながら呟いた。2人は顔を見合わせて、苦笑した。照れ隠しだな。ほんと双子っていいな~。
そしてリリーは何かを思い出したみたいで顔を曇らせた。心配して声を掛けると、
「あのね、あなたたちを呼んだのは相談があったからなの」
そして、リリーはパレードでの出来事について、重々しい口調で話し始めた。
「パレードでフィリーとケンカしたでしょ?今思い返してみると、気になることがあってね。マレーヌに会う前、中央広場に向かってた時…。フィリーがトイレに行ってる間に女の人に声を掛けられたの。その人ったら頭からすっぽり真っ黒のローブを被ってて、見るからに怪しそうだったわ」
黒いローブの女の人…。
「あたしも話しかけられた!!その後、黒い香水をもらった…!」
ふと思い出して立ち上がった。
「そう、あたしも貰ったの。リラックス効果があるって言われて…」
リリーはあたしに座ってと笑いかけ、話を続けた。
「どこか行っちゃったから女の人は知らないけど…。気にせずつけてみたら、なんだか嫌な気持ちにが溢れてきて…。怒りとか悲しみとか嫉妬とか、色んな負の感情が…」
と言うと身震いした。フィリーが話を紡いだ。
「僕が戻ってくると、リリーの足元に割れたビンが合って…。香水は無かったよ。
どうしたのって聞いたけど、既に機嫌が悪くて…」
そこまで言うと、フィリーも黙ってしまった。あたしは自分の体験を話す。
「あたしは他の人にぶつかって、ビンが割れちゃって、香水は魔術で消してもらったの。だから、何もなかった…」
言った後に、あたしはラッキーだったんだなと思った。あの香水を知らずに使ってたら、あたしも大変な目に…。想像しただけでも背筋がゾクッとする。あっ。あの後貰った、ハーブ…ポケットに入れたままだ。くしゃくしゃになってるかな?
「そっか、良かったじゃない。あたしたちに配ってたってことは他の人たちにも…」
リリーがそっと呟いた。みんな一斉に顔を強張らせた。と、ここでマーロンが切り替えるように、
「あっ、マレーヌも何か他の話があったんじゃないマロ?」
明るく言った。まだ何の話か分からない。そんな顔をしてると、
「ほら、不死鳥に会ったとき、何かあったって…。後でゆっくり話してくれるんじゃなかったマロか?」
思い出した
硬直するあたしをよそにリリーとフィリーは楽しそうに、
「でも、本当に不死鳥が出てくるなんて思わなかったわ」
「うん!しかも、マレーヌは不死鳥と話してたし。あれ?マレーヌどうしたの…」
フィリーがあたしを覗き込む。あたしは震えながら、
「あのね、不死鳥が消えるときに、あたしにあることを言ったの」
俯きながら話すけど、みんなの視線を感じる。言ってしまってもいいのか?こんなこと信じるのかな?でも、言わなきゃ。顔を上げ、とんでもない事実を告げた。
「不死鳥が…”マリア・ピアニコは生きている”って…」
その瞬間、静寂が訪れた。
「それは、ありえない話では…ないかもしれないマロ」
静寂を破ったのはマーロンだった。みんなが彼を見つめる。
「不死鳥は『不死の玉』と言うものを持っていて、それを授かった者は不死…、不老不死になれるって伝説があるマロ。で、でもあくまで伝説マロよ!?」
「そんな伝説があったなんて。でも、その件と黒いローブの女性の件は関係なさそうだね!」
フィリーがなるべく、明るい口調で。続けて、
「でも、調べないと駄目だね。マレーヌ、この2つの件は僕らが引き受けるよ!」
頼もしい言葉がフィリーの口から出た。
「マレーヌは、旅で忙しいだろうし、不死鳥のことについては火の王国の方が詳しいしね!黒いローブの人の件は被害に遭った人たちは火の王国にいるだろうし!」
「そうね!フィリー、あんた意外とやるじゃない!」
頼もしいフィリーにリリーは驚きの声を上げる。フィリーは照れて、頬を赤らめている。
「ありがとう!!すごく助かる!あたしもマリアについて詳しく調べてみる!全部2人に任っせきりは駄目だもん!」
「このことはあまりしゃべらないほうがいいマロね。この2つの件はみんなの秘密マロ!」
「おぉ、それってかっこいいわね。まぁ、しっかり調べて解決させましょ!!」
マーロンの意見に賛同するリリー。
「これから大変なことが起こるかもしれないけど、僕たちならやれるよね!?」
「えぇ、絶対やれるわ!!がんばりましょ!!」
「「「「エイエイオー!!!!」」」」
フィリーの言葉にあたしが力強い返事を返し、みんなで頑張ることを決意した。
「ところで、マレーヌ、あなた火の王国はいつ出発するの?」
「えっと、明日の午前中には出発しておこうかなって。次は水の王国に…」
「わかったわ。フェリーの手続きをしておくわ」
リリーが早口で言った。手続き?質問しようと思ったけど、先を越された。
「もう遅いし、寝ましょっか。マレーヌたちは明日出発するんだし。おやすみ!」
「「「おやすみ!」」」
リリーは片づけを始め、手伝いを申し出たが「早く寝なさい」と言われた。朝も早いので甘えさせてもらった。
楽しいお菓子パーティもお開き。厄介な事だらけだけど、きっと大丈夫。なんだか強くそう思えたの。
どうでしたか?
問題ばかりですが(汗)きっとマレーヌたちなら心配は要らない!ハズ?
最後まで読んでいただきありがとうございましたペコリ
感想などお待ちしておりますペコペコ