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第1話 おてんば姫

初めて書いた作品です。


最後まで読んでいただけたら嬉しいですO(≧∇≦)o



おかしい文章&誤字脱字、ありましたら指摘お願いしますm(__)m


ではどうぞ!!

"ドドドドドッ"

「マリアンヌ様〜!」

とあたしの名前を叫ぶメイド・リア。あたしは後ろを振り返り、舌を突き出し笑う。そして、前を向いたその瞬間、

"ドッシーン"

「きゃっ!」

 巨大な何かにぶつかり、尻餅をついた。ジンジンするお尻をさすりながら、こう言う。

「ちょっと痛いわね!」

「なんだい、ぶつかってきたのは君だろう。マレーヌ」

 そ、その声は…。おそるおそる顔を上げると、やっぱり…。

「お、お父様!ごめんなさい…」

 すぐに謝って、頭を下げるあたしにお父様は、

「マレーヌは昔から元気だからな。元気なのはいいけど、前を向いて歩くのだぞ」

と優しく言って、あたしの頭をポンポンと叩いた。それから、何事もなかったように歩いて行った。心の中でホッとし、立ち上がり埃を払う。後ろから、ヨロヨロとリアが来た。

「ハァハァ、マリアンヌ様、お勉強の時間です。…急に逃げ出すのは、もうやめてください」

 肩で息をし、注意するリア。そんなリアに、

「はいはい。分かりましたよ。それと、マリアンヌじゃなくて、マレーヌって呼んで。前から言ってるでしょ?」

 頬を膨らませて言った。

 あたしは風の王国の姫。両親からマリアンヌ・ピアニコという名前をもらった。ある人の名前から取った名前で、『マリアンヌ』って名前も素敵だけど、あたしには似合わない。『マリアンヌ』はもっと可愛い子に似合うもん。いつも走り回るがさつなあたしには、『マレーヌ』の方がいいに決まってる。

「は、はい。失礼致しました、マリ、マレーヌ様」

 あたしのお世話係になって半年のリアはなかなかマレーヌという名前に慣れていない。あたしは呆れてふぅと息を吐いた。

 っていうか、この子に『マリアンヌ』って名前合うよね。←マリアンヌに『リア』入ってるけど…。金髪のショートボブ。小柄な体にメイド服がずっしり乗っかる感じ。フリフリのワンピース着せたら、お姫様…。いやいや、あたしだって似合う?し、自分が姫だっつーの!

「さっ、お勉強に参りましょう」

 ズルズルと引きずられ、あたしは勉強部屋に向かった。


                    ☆ ☆ ☆


 今日はあたしの嫌いな魔術歴の時。いわゆる、歴史。あたしはいつも思う、昔の事を知ってもね〜。新しい魔術とか魔歌(魔術の歌)とかを習いたい。魔術歴の時間はどうしても、眠くなる。また、口に手を当てて、あくび。チラッと教科書に目をやるが、これっぽっちもやる気が出ない。今日、10度目かといえるあくびをする。

 "バシッ"

「痛っ!」

 頭に分厚い教科書が…。魔術歴の先生、モダンが叩いてきたのだ。顔をしかめるあたしに、モダンはにっこり微笑んでいる。でも、頬がピクピク動いていることが分かる。おぉ、恐い×2。すかさず、テヘっとする。そんなあたしにモダンはため息をつき、話を続ける。

「何十年にも及ぶ戦争が終わった。戦争での死者、負傷者の数は計り知れず、世界の復興は不可能だと思われた。家族を失った者たちも、心に深い傷を負った。そこに現れた一人の魔術師…。マレーヌ、分かる?」

「うん、分かる。マリア・ピアニコでしょ!?」

 自信満々に答える。

「正解。マリア・ピアニコはいにしえの魔歌で、心身の傷を全て癒した。あなたの御先祖様であり、世界最強の女魔術師ね。じゃあ、今日はこれで」

 モダンは説明を終えると、早々と教科書を閉じた。

「え〜、マリア・ピアニコが出てきたのに、これで終わり?あたしマリアの話なら、魔術歴ずっとするのにぃ〜」

 ガックリ肩を落とすあたしにモダンはフフフッと笑う。モダンの笑い方はとても上品で、男の人はイチコロ。女のあたしでも、最初はドキッとしたくらい。

「続きは次の時間。次のときはあくびはしないみたいで嬉しいわ」

 モダンが皮肉っぽく言い、手を振る。教科書やノートを素早く片付け、モダンに手を振って、勉強部屋を後にした。

「あぁー、もう少しだけマリアの話聞きたかったな」

 小さな声で呟く。

 マリア・ピアニコは、あたしの名前の元であり、あたしの憧れ。世界最強の魔術師なのも1つあるけど、理由は2つある。

 1つは名前。さっきも言ったけど、マリアの名前からあたしの名前はきている。憧れとは関係ないけど、両親がつけたマリアンヌは、マリアのようになってほしいからつけたって聞いた。だからこそ縁を感じる(マリアは風の王家だから全くの他人でもない)。あたしには似合わない名前だけど、結構気に入ってはいるのだ。

 2つ目は、魔歌がすごく上手だって事。

 この世界に生まれた人たちはたいてい魔力を持ち、魔力から魔術や魔法といったものを使っている。魔術や魔法の中の1つが魔歌。歌に魔術を加えると治癒系の魔法が働く。基本は身体の傷を治したり、心を癒したりできる。普通の人だったら、軽傷を治癒させ、心のモチベーションを少し上げるくらい。 マリア・ピアニコは王家の血筋をひくということもあり、魔力が強大だった。だから、最高ランクの魔術を使え、魔歌も人並みではなかった。マリアの魔歌は1度に大勢の人の心身に負った深い傷を治癒できる。 それがマリアがあたしにとって、憧れの存在になった大きな理由。

 あたしもマリアのように強くなりたい!だから、魔歌をいっぱい練習して、上手になってやる!!

"ヒューン"

 この音は…。ふと聞こえた音はよく知っている。

「マーロン!!」

 曲がり角から現れたのは予想通りマーロン・D・ムーケ。彼は20cmくらいの妖精であたしのお供。

「あっ、マレーヌ探したマロ!」

 あたしの姿を見つけ、安堵の息をつくマーロン。

「どしたの?マーロン」

「オイラ、寝坊したマロ。なんで起こしてくれなかったマロ!?」

「だってぇ…」

 いつもマーロン一緒に行動する。いつもなら起こしてたよ。今日のマーロンの寝言、笑っちゃうだもん。

「マーロン寝ながら、〔ムフッ、この栗上手いマロ〜〕って言ってたのよ?起こせるワケないじゃん。あんなにいい夢見てたのにぃ〜」

 笑いを堪えながら、説明するあたしにマーロンは赤面。

「むむー、失態をさらしてしまったマロ。わ、わらうなマロ!」

 あたしはもう我慢出来なくなっていた。お腹を抱えて笑ってしまった。マーロンは今までになく、顔を真っ赤にさせた。これじゃまるで、茹でダコ状態しゃない!!

「フフッ、誰にも言わないから。顔、真っ赤だよw」

 マーロンはリュックから栗を取り出し、むしゃぶりついた。すると、真っ赤だった顔は、いつものキャラメル色の肌に戻った。そう、彼は栗を食べるとなぜか落ち着く。不思議だよね。

「ふぅー、やっぱり栗はサイコーマロ」

 そんなことをぼやきながら、もう1個栗を取り出す。でも、ハッとして首をふるなり、あたしに急いでこう告げる。

「忘れてたマロ。王様と王妃様が呼んでたマロよ!さっ、そんなだらしない格好せずに、着替えてお二人に会いに行くマロ」

 踏み出した1歩を止めて、

「だらしないとは何よ、だらしないとは!」

 あたしは"だらしない"と言われた事にムッとしながらも、マーロンの小さい背中を追う。

 あたしが今着てるのは、水色&白のボーダーキャミと黒いバルーンスカート。これで「私はお姫様です☆」と言われても、説得力ないよね。普通お姫様なら、長〜いドレス着てるイメージがあるし。あたしはあんなドレス無理だけど!動きにくいし、あたしには似合いません!あたしには、こんなラフな格好が1番いい。

 まっ、両親に呼び出された時、パーティーの時は一応着なくちゃね〜。この格好で行くのもさすがに気が引けちゃう。


 部屋に到着した。さて、どんなドレスを着れば良いのでしょうか?派手な赤いドレス?大人っぽいモノトーンなドレス?黄色の下地に花柄が描かれたガーリーなドレス?

「んん〜」

「どうしたマロ?」

「どんなドレス着たらいいと思う?」

 あたしの問い掛けにマーロンは、

「そうマロね…。これはどうマロか?」

 マーロンが選んだのは、透き通るような水色の美しいどうしてドレス。落ち着きがあって、柔らかな印象を与えるそんなドレス。お父様にはちゃめちゃな姿を見せたのだから、落ち着いた感じの方がいいかも。

「うん、そうだね。これにする」

 あたしは手に取って、全身が写る鏡の前に立つ。うん、いい感じ。これならあたしも清楚なお姫様に見える。そして、服を脱ごうとして、ハッと手を止めた。

「マーロン?出て行って」

 マーロンは男だもん。着替える時は出てもらわないと困る。

「わ、分かったマロ〜;」 あたしの微笑みに怖がり、慌てて出て行った。


   ☆ ☆ ☆

「ふぅ」

 着替えも終わり、髪形も整えてバッチリ☆もう一度、全身鏡を見た。ドレスの袖口と裾にはフワッとしたファーがつき、全体が光りを帯びている。フンワリしたスカートは、女の子っぽいイメージを強くする。髪形はいつも通り耳上のツインテール。ゴムはいつもと違って、ドレスと合わせてみた。水色のフワフワシュシュ。完璧です◇

「マーロン、入っていいよー」

 ・・・。

「? マーロン、どうしたの?」

 返事が返ってこない。マーロン何処か行っちゃったのかな?

 "ガチャ"

 "ポテッ"

「へ?」

 ドアを開ける音と何かが倒れる音。一歩か踏み出すと、

 "ムギュ"

「んっ!?」

「ぎゃーーーーー!」

 ひぃ、耳をつんざくような悲鳴。耳を塞ぐけど、その場に尻餅をついてしまった。

「うひゃーマロ…」

 あっ、やっぱりそうだったのね。あたしは、ドアの前に居たマーロンを踏ん付けてしまったのだ。

「痛いマロ〜」

 踏まれた顔をさするマーロン。その顔にはヒールの跡がくっきりついている。

「ごめんぬ、マーロン。返事しないからびっくりしちゃって…」

 あたしは、近寄って謝った。そしてマーロンの頭を撫でてあげた。

「マロ〜〜〜」

 撫でられて気持ちいいのか、細い目をよりいっそう細めた。

「アハハッ」

 その顔に耐え切れなくなって、あたしは笑ってしまった。

「マレーヌ様ー、大丈夫ですか〜!?」

「えっ、リア?どうしたの??」

 リアが家来を3人連れて、物凄い形相で走ってきた。リアはハァハァと息を切らして、あたしをアワアワと見回す。家来3人は槍を片手に辺りをキョロキョロしている。

「何があったのよ?」

 あたしはリアに聞いてみた。あたしもマーロンも何がなんだか分からない。

「何かって…ハァハァ、悲鳴が聞こえたものでハァハァ…、はれぇ〜?」

 "パタリ"

「ちょっと、リア!?」

 リアがこっちに向いて倒れてきた。あたしは、支えたものの、そのまま座り込んでしまった。

「のぼせてしまったようです」

 1人の家来がリアの顔を覗き込み、呟いた。

「本当だぁ〜。顔真っ赤じゃない」

「病室に連れて行きましょう。何もなかったようですし」

 家来が連れていこうとした。

「ちょっと待って。あたしの魔歌で治す!」

 家来を制止させ、リアを仰向けにさせた。あたしは立ち上がって、癒しの魔歌を歌い始めた。



〜疲れたときは あなたの 笑顔を 思い出しましょう

 

 あなたの笑顔は僕の心を 軽くする

 嫌なことも 辛いことも 悲しいことも

 全部吹っ飛ぶから



 今日も僕は あなたの笑顔で強くなれるんだ〜


 最後の1フレーズを歌い終えたら、リアの顔はいつもの雪のような白い肌に戻っていた。あたしははにかんだ笑顔で、ペコッと一礼。ハッとした家来は物凄い拍手をしながら、驚いている。

「素晴らしいです!マレーヌ様」

「こんなにお上手とは〜、ビックリです!」

「これはお父様やお母様に一刻も早く見てもらわないといけませんよ!」

 褒めちぎる家来にあたしはデレデレ。

「エヘヘッ。お父様やお母様にね…って―――」

『あーーーーーーーー!』 あたしとマーロンの声が重なり、廊下中いや、城中に響き渡った。

「た、大変だマロー。お二人に呼ばれてたマロ!すっかり忘れてたマロ!」

「そ、そうだったわ!結構時間経ってるよね〜。ヤバいよ!!」

 あたしとマーロンは向き合い頷くと二人のいる部屋へと走り出した。

「えっ、マレーヌ様!?」

「後のことはよろしく」

 一目瞭然に走り去った。


 どうでしたか?


 楽しんで読んでいただけたら最高です☆



 次回もがんばりますのでアド&コメよろしくお願いします!!



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