観測記録:情動結合行動における存在確認の外部化
本観測は、個体間に発生する高密度情動結合行動を対象とする。
情動結合行動は本来、相互交換機構である。
個体Aと個体Bが情動を共有し、振幅を同期させる。
だが一部個体において、
この行動は存在確認装置として転用される。
愛情は交換ではなく、存在許可証明となる。
承認が供給される間、自己は安定する。
供給が途絶えた場合、自己基盤は揺らぐ。
この状態を、存在確認の外部化と定義する。
■ 外部化の発生要因
内部生成機能が弱い個体は、
存在確認を他者へ委任する。
情動結合は最も即時性が高い。
ゆえに依存形成が速い。
結合が強いほど、
分離時の振幅は増大する。
■ 欲との整合
欲は初期設定である。承認欲求はその一種。
環境が不安を増幅する場合、
情動結合行動は救済機構として誤用される。
救済化が進行すると、結合は対等性を失う。
一方が供給源となり、他方が受給者となる。
交換構造は崩れる。
■ 市場との接続
情動結合行動は、市場構造と接続しやすい。
不安を燃料とする媒介産業は、結合欲求を刺激する。
比較刺激、期限提示、希少性演出。
これらは欲の振幅を拡大させる。
結果として、存在確認の外部委託率は上昇する。
■ 臨界
情動結合が自己統合幻想へ移行した場合、
個体は自律判断を委譲する。
相手の評価が自己評価を上書きする。
ここに至ると、結合は融合と誤認される。
融合は構造的には不安定である。
■ 結語
情動結合行動は悪ではない。
問題は用途である。
交換として機能する場合、
振動は安定する。
救済装置として使用した場合、
振動は極端化する。
観測は継続する。




